急に寒くなったからか、体調を崩し、しばらくパソコンを開けずにいた。
母と一緒に美空ひばりのビデオを見ていた。
美空ひばり・・・
父は物心着いた時から、ひばりさんが亡くなるまで、そして亡くなった今も、歌を聴いて一人涙するぐらいのファンだ。いつも家にはひばりさんの歌が流れていた。
昭和の歌謡史を代表する歌姫・・・本物の歌姫、美空ひばりさん。
彼女の伝説は数知れない。
聞いたところによると、アメリカから有名な歌手が来ると言う事で、前座に歌えそうな日本の歌手の歌を録音して送るも、一向にGOサインが出ない。
そこで悪戯に美空ひばりの歌うジャズを送ったところ・・・
「黒人なまりはあるがとてもいい歌手だ」との事でOKが出た。
「彼女は日本を代表する歌手だから前座なんかに出させられない」とこちらから断ったとか・・・
本当に、金太郎飴のように、何を歌わせても何をやらせても秀逸であった。
そんなひばりさんのお母さん。
このお母様あってこそのひばりさんだった。
一卵性親子と言われ、いつも一緒。
美空ひばりの名プロデューサーだったことは有名である。
ステージが良かったら懐中電灯で大きく円を描いた。
ひばりさんに見えるように。
昨日私がビデオで見たエピソード、それは、お母さんが亡くなったとき、ひばりさんはお母さんの棺にむかって
「あなたが美空ひばりよ、お母さん。」
と声をかけたという。
ひばりさんの達観というか、美空ひばりという存在、母という存在、人生・・・全てを熟知しているそのずば抜けた聡明さに、また更にファンになってしまった。
恩を忘れない、使命を忘れない。
ひばりさんのように、そんな人生を歩んでいけたら・・・と思った。