今日は、アドラー心理学の ”ほめない叱らない”について 考えていきたいと思います。 アドラー心理学では 賞罰教育を否定しています。 賞と罰。 つまり「ご褒美」と「罰」を否定しているのです。 ほめることはご褒美。 叱ることは罰。 ほめてもいけない。 叱ってもいけない。 というわけです。 これもまた、混乱ポイントですよね！ まず、”叱らない”について 考えていきます。 子どもが、望ましくない行動をしたときには どうすればいいのでしょうか？ ”叱らない”というのは そのまま放置、ということではないのですよ。 放任とは違うのです。 なぜ叱ってはいけないかというと、 「叱る人がいるときだけ」やらないようになる、 「叱られるだけでことがすむ」という経験を積む からです。 例えば、電車（公共の場所）で 子どもが騒いだとします。 赤ちゃんではなく、幼稚園の年齢だったり 小学生で想像してくださいね。 そのときに、どうしますか？ 子どもだからしょうがない、と 諦めて何もしないのは放任です。 今どきよくある 「叱らない育児」はこの傾向が強いですね。 ここで叱るとどうでしょうか？ お母さんが叱っても 静かにならないかもしれません。 でも、知らない大人が 一言注意すると静かになるかもしれません。 子どもにとって、怖い誰かがいるときだけ 騒ぐのをやめる、 お母さんがギャンギャン怒っても 子どもはダメージを受けず、 騒いで楽しい思いをする、 という経験を積むわけです。 はい。そうなんです。 叱っても
公共の場では静かにするんだよ と教えるのに失敗しているんです。 叱っても、教えられていないんです。 （叱ることで「教えているよ」というポーズは 取れるかもしれませんが。汗） では、アドラー心理学では どう考えるかというと、 「論理的結末を用意しましょう」と言われています。 論理的な結末というのは、 こうなったら当然こうなるよね、という結末です。 「嫌われる勇気」の著者、岸見一郎先生が あるコラムに書いておられたのは 『公共の場は騒ぐ場所ではないので、 その場にはいられない』という 論理的結末を用意する、ということでした。 電車で子どもが騒いだら 声を荒げる必要はなく、 ただ「電車は静かにする場所なんだよ。 騒ぐ場所ではないから降りようね」と告げて 次の駅で降りる。 まだ、目的地ではないのに！！！ ただ、その論理的結末を 引き受けさせる、ということでした。 子どもはショックを受けるでしょう？
そこが大事で、 静かにしたら乗れる、騒いだら乗れない それを淡々とやるんですね。 だから、怒りは必要ないんです。 そういうお話しでした。 これって、超絶 厳しい！！！ ですよね！！ 約束の時間があっても 参加したいイベントがあっても それよりも、子どもに論理的結末を 体験させることを優先して 静かに、でもキッパリと ルールを教えていく、 ということなんです。 この論理的結末、という考え方は 不適切な行動をしたときには 子どもにとってのデメリットが ちゃんと用意されている、ということ。 感情的に怒るとか 痛い思いをさせるとか そういうことではなく、 子どもが嬉しくない論理的結末を 枠組みとして作った上で 子どもがどうするのかは任せていく ということなのです。 制限の中の自由、と 似た部分でもありますね。 「叱らない」というのは とても厳しくて 手間のかかる、覚悟のいる ことだなぁと思います。
兵庫県加古川市
岩本真弓
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