Design : Mayumi Tsuchida (Original)
今日は制作秘話について延々と語る人気シリーズ?「制作の現場から☆ハートのポーチ&ハンカチーフ編」ということで、
まず突然のご依頼があったのは、今年一番忙しかった7月下旬で、
「私に北欧?ハーダンガー!?」
って、私自身もとても驚いたのですが、あまり深く考えずに、反射的にお受けしてしまったんですね(笑)
「初心者向けで2点、テクニック解説付き、ドロンワーク寄りのデザインは入れない」
という内容で(以下私の脳内再現)、
テクニック解説付きということはテクニック解説ページが数ページあるが、専門書ではないのでスペースは限られているはず(1~2ページ?)
→ハーダンガーでよく出てくる、中核となる技法に絞り込んだデザインにし、テクニック解説全体を通して、ハーダンガーのおおまかな流れ・概略が理解出来るようにする
ドロンワーク寄りのデザインを除いたもの、ということは、他の先生によるドロンワークのテクニック解説があるらしい
→ヘムかがり、両ヘムかがり、ドロンワークの本によく出てくる種類の花かがりと類似したデザインは外す
ステッチイデーのバックナンバーから作品をピックアップしたものに新作を加えて再編集
→クロスステッチ部門で出てきそうな、ダーナラホースや鳥モチーフは外す
・・・
だいたいこんな感じで瞬時に判断しつつ、一方で編集部の方に対しては、
ありきたりなデザインでなく、私らしい、絶対私のデザインであることが判るハーダンガーにしたいです、お願いします、やらせて下さい、、、
と、ちょっと強引に押し切った感もあるのですが(笑)、私の意図をくんで下さり、感謝しています。
☆
「ハートのポーチ」について、
まずハーダンガー刺繍部分のデザインは、以前やった「ハートのペンホルダー」をアレンジしたものになっていますが、「ハンカチーフケース」というコンセプト・デザイン・形自体、ずっと以前からやりたいと暖めてきたもので、今回丁度良いタイミングで日本ヴォーグ社からご依頼があり、提供することになりました。
かな~り、すご~く、お気に入り、とっておきのデザインで、今年の年初からずーっとヴォーグの編集部の方々にはお世話になっていたので、もう出そうかと思って(笑)これも縁です。
そして初めてハーダンガー刺繍に挑戦される方にとって、ハートのデザインはとても適しているんです。
「直線方向に進む」「斜め方向に進む」
この2つの針の進め方が一気に理解できる、ということですね。
それにボタンホールSのカッティング(蓋の縁部分)が入ることで、ハーダンガー刺繍のだいたいの流れが解るデザインにしています。
ボタンホールS(またはブランケットS)のカッティングが入ったデザインでないと、特にテクニック解説ページがある場合は意味が無いんでね。。。
だから今回、ピンクッションは誌面上では外したんです。 ブログで参考作品として載せればいいかな、って。
話を戻し、
自由な用途でお使い頂ければと考えますが、一応デザインコンセプトがハンカチーフケースなので、市販のよくあるサイズのハンカチをたたんで2枚入るサイズに調整しています。
そしてこのデザインはシリーズ化の予定で(笑)、他の系統の白糸刺繍、ハンガリー刺繍等、いろいろな技法でやってみたいと考えています。
☆
「ハンカチーフ」について、
これはハンカチーフケースというコンセプトに合わせて作った参考作品だったのですが、「これも是非」ということで、追加掲載が決まりました。
こういう発想もたぶん今までに無いんじゃないかな? どうだろう?
これも以前からやりたかったデザインなのですが、ハンカチーフ本体部分に他の刺繍(イニシャルとか)が入っても邪魔にならないように、わざとあっさりしたデザインにしています。
以上です。
次回は「テクニック解説編」です。
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