11月27日は、私の誕生日でした。今年は、前後に会社でちょっと大きなタスクをいただいたため当日のお祝いはなしで夜まで編集長たちといろいろやりとりしましたが、30日、お歳暮に出かける折を利用して、都内のホテルでランチをしました。
 気晴らしに時折訪れるのですが、いつも爽やかなサービスでもてなしてくださるすてきな場所です。
 注文が決まり、ウェイターの方に伝えたとき、父が何気なく、「きょうは彼女の誕生会なんです」と言ったところ、「そうですか、それではデザートでちょっとお祝いさせていただきますね」とのお返事。あらま、そんな、と思いながらも談笑するうちに忘れてしまっていました。
 デザートが運ばれてくると、私のプレートだけ1品デザートが多く盛り付けられていました。コンモリしたナマクリームの小さな山の脇に、四つに切ったイチゴとキーウィスライスが2枚。そして手前にはホワイトチョコのプレート。「メリークリスマス」と書いてあったのはご愛嬌。きっと、誕生祝いとして予約していない人の誕生日を祝う用意はしていないので、クリスマスケーキのトッピングを急遽アレンジして私のためにお祝いの一品を作ってくれたのでしょう。その気持ちが嬉しくて、「メリークリスマス」のプレートからありがたくいただきました。
 そして、デザートと一緒にキッチン担当の方が一人、わざわざ出てきてくださいました。
「おめでとうございます。これは小さいものですが、店からお祝いです」
 デザートのことかと思ったら、両親が「まあまあ」と大喜び。手渡されたのは、バラ一輪とカスミソウで作ったかわいらしい花束でした。よくフィギャースケートの選手に観客が投げるような、とは母の説明。これは本当にびっくり。もしかすると、VIPの方がきたときにテーブルなどに飾るウェルカムブーケの端っこを分けてくださったのでしょうか。いきなりのことにここまで対応してくださるとは、さすがに一流ホテルだと関心。東野圭吾さんの「マスカレードホテル」の世界を地で行ったみたいでした。
 今年はもうひとつ、ちょっと大きな節目となりました。年齢ではありません(笑)。いままで利用してきたデパートの「友の会」の更新をやめたのです。母が高齢になり、2人で買い物に行くデパートを一つに決めず、もっと近い場所にできるようにしたいとの意向を初めて聞かされたからです。さみしいけれど、消費税増税や、この百貨店のカードシステムの変更といったタイミングもあり、私自身も契約を見直す時期にありました。そんなことから、いままで貯金していたものをすべて使って、一度さっぱりしようということになりました。
 こうして向かったのが、この百貨店にくるとよく立ち寄るジュエリーショップ。貯金に少しお小遣いを足して記念のものを買うことにしました。
 この店は、有名な先生がご自身で作品を作って売っているところで、オーダーメイドも受けているようです。私が買ったネックレスも、大きなパールをふんだんにあしらったものでした。気候変動や海洋状況の変化で日本だけでなくタヒチなどの真珠産地でも貝の大量死が起きていて、すでに真珠は値上がりしはじめているのだそう。だから買うならいま、ということらしいのでした。もちろん、そんな計算でこのアクセサリーを選んだわけではないのですが、話しを聞いてみればその価値がさらに貴重に思えてきます。
 品物を包んで紙袋に入れてもってきてくれたのですが・・・あらら、なんだか細かい包みがいっぱい。
「いろいろお土産が付きましたよ」
 って、なになに?
 いまはやりのアイスクリームスプーン(手に持つと体温が伝わってアイスが溶けるというあれ)、ケース入り携帯用マイストロー、それに、テレビでも紹介されたという電子レンジで使える陶器の炊飯マグ。それだけではありません。
「これはおじさんからのプレゼント」
 なんと、かわいらしいネックレスまでおまけしてくれました。私がなけなしの貯金をはたいたのを見て、気持ちを寄せてくださったのかもしれません。このときには誕生日とは言わなかったけれど、先生、ありがとうございます。大切に身につけさせていただきます。
 帰宅して落ち着いたらまだ少し余裕があったので、ピアノを40分近くさらって、さて、花束をどうしよう、と思案。花器を持ち出すほどの量はないので、少し前まで使っていたピクルス用の細長いジャーに活けることに。ドイツ製のちょっとおしゃれなやつなので、そこそこ様になるのではと踏んだのが大当たり。活けるとなればたった2本の花でもいろいろとやってみたくなりました。草月流師範の心がモコモコと復活してきたのでしょう。
 夜の10時近くにいきなり活花が始まりました。といっても、疲れていて長さを計測する手間を省いてしまったため、バラの茎を短くしすぎてしまいました。自由形の投げ入れにしたのですが、傾芯形にするつもりが花を花器の淵に寝かせて前面で顔を見せる方法になりました。この手間を惜しんではいけなかった。でも、ちゃんと花器に十字の支えを渡して固定し、カスミソウとバラの葉っぱをフィラー(足元を埋める役目)にし、バラの大きな葉を一枚奥に傾けてなんちゃって空間も作りました。芯をもう少し立てられずにちょっと悔しかったけど、この少ない材料でここまでできれば、ま、いっか。
 と一人で納得し、写真をiPhoneのラインで母に送信。すると、送信した写真に手を触れたら「織物」と説明してくれました。ということは、花器をおいた食卓のテーブルクロスが写ってしまい、レンズの角度が低いのかな? レンズと花の位置をより念入りに手で確かめ、やや上に向けて合わせて再度撮影。送信してまた触れると「織物、バラの花束、カーテン」と読み上げました。うん、これで行けたもよう。すぐに母から返信がありました。
「バラの花が綺麗」
 よっしゃ。それにしても、この写真読み上げは素晴らしい。ぜんぜん見えていないのにこんなことができちゃうんですもの。驚きバラの木。
 そんなこんなで、今年の誕生日はとても充実していました。私には親孝行らしいことは何もできないけれど、高齢の両親と過ごせる時間をこれからも大切にしなければとあらためて思いました。それとは別に、ここ数年の苦しみと格闘を、神様はちゃんと見ていて、ご褒美と、これからもがんばるようにとのエールを一緒に送ってくださったのだとも思いました。
 ときどき会社で、そんなにがんばらなくていいんだよ、無理しないでね、と言ってもらえることがあります。本当にありがたいことです。実際、私の環境では無理できる範囲には自ずと限界があるからです。その言葉をありがたく受け止めつつ、私自身は無理のない限界までの挑戦を続けていこう、と決意を新たにした誕生日でした。
(誤変換等はご容赦ください)
国際俳句交流協会(HIA)ホームページ掲載の「名句迷訳」、更新しました。今回で最終回です
http://www.haiku-hia.com/report/meiku/archives/06.html
『シェアリングネイチャーライフ第6号』のインタビュー記事が、日本シェアリング・ネイチャー協会のホームページに採録されました。
https://www.naturegame.or.jp/field-note/lifestyle/004421.html
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福音館の絵本「でんしゃは うたう」重版 第18冊
KUMONの絵本子育てサイト「ミーテ」の絵本情報「ロングセラー&名作ピックアップ」のコーナーに、絵本『でんしゃはうたう』をご紹介いただきました。
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