滋賀の若い桜に染める帯揚げ | 水上繭子*表千家茶道・大人になったら始めたい いのち目覚める暮らし教室・植物療法ジェモセラピスト

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帯揚げと帯締めの草木染をしました。

正絹の真っ白な帯揚げと、絹糸を、それぞれに染めます。

帯揚げは、滋賀県の3月の枝を2日間煮出したもので染めます。

醤油樽のような色の液体に顔を近づけると、桜餅の匂いがしました。

枝にはすでに桜の葉の匂いを抱いていたのです。

桜の蕾がいっぱいついた枝で、桜の若いエキスがたくさん詰まった贅沢な染液でした。

媒染液は、高知県の鰹節を作った時に出た樫の灰汁です。

鉄で媒染すると、もっと濃いグレーになります。




写真が一切ないのが、ちょっと残念ですが、真っ白な絹の糸が自然の色に染まっていく工程は、見ているだけで心の雑味が静まります。


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子どもたちが通った、東京初台のすみれ幼稚園では、シュタイナーの幼児教育方針を取り入れていて、木綿やシルクを玉葱の皮や背高泡立草などで染めた布を、マントにしたり、人形のお布団にしたりして遊んでいました。

幼稚園のお庭で、よく草木染をしたのを思い出して、なんだか優しい気持ちになりました。


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帯締め用の糸は、矢車ブシの鉄媒染。こちらは土瓶で煎じる薬草の匂いがしました。

品のよいこげ茶色に染まりました。

職人さんが糸を帯締めに編み上げてから、送ってくださいます。


以前、ストールをコスモスで染めたことがあり、今でも気にいって愛用していますが、ストールは案外何本もいらないもの。。

でも、着物を着る人は、帯揚げと帯締めは何本あっても困らないし、草木染は本当に素敵な色に染まります。

こんなことを、また皆さんで一緒に出来たら楽しそう。

帯締めが届いたら、またご報告いたします。



ここで、私の大好きな志村ふくみさんの『桜の匂い』というエッセイの一部をご紹介します。


  “まだ粉雪の舞う頃だった。小倉山のふもとの方まで行ったとき、桜の木を切っている老人に出会った。その桜の枝をいただいて帰り、炊き出して染めてみたら匂うように美しい桜色が染まった。染場中なにか心までほんのりするような桜の匂いがみちていた。私はそのとき、色が匂うということを実感として味わった。もちろん匂うとは嗅覚のことではないのだが、人間の五感というものはどこかでつながっていて、美しいという要素には、五感の中のいずれかと微妙に響き合っているものがあるように思われる。

 

  それから桜で染めたいという思いを持ち続けていたのだが、桜切るばか、梅切らぬばか、といわれているように、桜はなかなか切る場に行き当たらない。9月の台風の頃、近江の方で桜をきるからとしらせをうけたので飛んで行った。しかしその桜から出た色は匂い立つことがなかった。色はほとんど変わらずベージュがかったピンクだったが、色に艶がなかった。なぜだろうと思ううちに、植物にも周期があって、春を迎えるために桜が幹の中に、枝の先々まで花を咲かせる準備をしていたのだろうということに気がついた。

 

 花を咲かせる前に私がいただいてしまったのだと思うと、ああ、あの色こそ桜の精なのだと深く思い当った。それから気をつけていると、梅も刈安も花の咲く前、穂の出る前の色に精気がある。思えばそれは当然のことである。人間にしても、紬を唾液でぬらしながら紡いでゆくのだが、娘のものと、老婆のものとでは糸の艶が全然違うという。生命あるものの姿として当然のことである。”

 



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いのち目覚めるくらし・ごはん教室

 

2018年4月24日(火)

10時30分〜13時30分

『春のアーユルヴェーダ料理』


2018年4月26日(木)

10時30分〜13時30分

『春のイタリアン』



表千家茶道教室

4月9日、16日、23日(月)
14日、21日、28日(土)




 


 






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