たまらん本だった。

私のツボにきた。2つも。

ひとつは、検察もの。

10年位前に細野 祐二さんの「公認会計士 VS 特捜検察」を読んで以来、

検察のでっちあげに憤慨したのがきっかけ。

その後も村木厚子さんの「私は負けない「郵便不正事件」はこうして作られた」

神保哲夫さんの「PC遠隔操作事件」などなど、

検察の暴走は後を絶たない。

国家権力を持ちながら、まるでやくざのように、、、

いや、やくざは自分の力と知恵で動いているから検察よりましか。

自分たちが勝手に描いたストーリー通りに虚偽の自白をさせようとする検事。

そのために人質司法、いつまでも拘留を解かない人権無視。

私は国外逃亡したゴーンさんを悪く言えない。

この事件は無実と解決したことを知っているから、ある意味安心して読めた。

最後は映画「ミッドナイトエクスプレス」のように、主人公に幸せが来る、

とわかっていた。でも途中はハラハラする。

こういうのが好きなのだ。

 

2つ、と書いた。もう一つある。

この事件、身近だった。

私がもといた会社の社長が彼の株を買った。立場上直属の上司。

そう、直絶知っている人が本に登場することはなかなかない。

転職する直前には、著者が抜けた後の会社がグループ会社になり、

業務範囲が増えるところまで来ていた。

他人事ではなかった。

犯罪者の会社を買う、なんて噂もあったはず。

社長はシロであることがわかってたのかな、、、となるとすごくお得な買い物。

さすがである。

 

ということで、興味を持って読まざるを得ない本になった。

 

それにしても酷すぎる検察。

というか、、、これが今の官僚の根っこなのではなかろうか。

偏差値エリートが優秀な大学を出て高級官僚になり、知識はそこまで、

あとは省内競走に勝つために、省の論理だけを正義として、なりふり構わず

国家権力を利用する。検察に限ったことではない。

中には国家のためにと官僚になったものもいるだろうが、そういう姿を見て、

若い人から辞めていくという。私の周りにもその転職組が何人もいる。

国民の声を聴かず、姿を見ず、組織で生き残ることだけに突っ走る。

あー、民間企業の出世を目指すサラリーマンも大差ないか。。。

 

いや、そうではない。人の自由を奪う権限を持った連中がそれでは困る。

著者も最後に訴えている。

こんな検察ではいけない。

正さねばならない。

 

そのための書籍なのだ。

 

プロローグ 社長、逮捕される
第一章 危機感はゼロだった
第二章 拘置所からの辞任届
第三章 通らぬ保釈請求と持ち株売却
第四章 最強弁護団(ドリームチーム)結成
第五章 わたしはこうして2000億円企業を育てた
第六章 法廷に響いた〝完全無罪〟
第七章 検察は正義ではなかった
エピローグ わたしは運がよかった