【2012年12月エディ】

いまから4年半前、2012年12月、私の職場のあるビルに、
当時のジャパンのHCであるエディさんが来て、
講演をしてくれた。東北チャリティがらみだった。
その内容は過去のブログに記載されている。
http://mayuharu21.at.webry.info/201212/article_18.html 

実に明確だ。
日本がどうすればワールドカップでティア1に勝てるか。
残る2年半で何をすればいいか。
まず勝たなくてはいけないこと、勝つために最短距離ですべきことが
はっきりと打ち出されている。

大前提に勝てる代表を挙げ、そのために

・早く動ける身体に鍛え上げる
・経験値
・プレーでミスをしない

ことをうたっている。

他にもエディさんがらみのコラムがあるが、

http://mayuharu21.at.webry.info/201302/article_20.html
http://mayuharu21.at.webry.info/201502/article_2.html
http://mayuharu21.at.webry.info/201511/article_12.html
http://mayuharu21.at.webry.info/201607/article_11.html

エディさんは一貫している。
私はこれらを聴くにつけ、読むにつけ、
自分が応援している山田はRWCに出られるか、不安で仕方なかった。
エディさんの目には山田は駄目選手に映るように思えていた。
ところが山田は成長し、見事31人に選ばれ、
そしてRWCでは日本3勝のうち2勝に大いに貢献した。
そして今や山田は押しも押されぬ日本代表ウイングになった。
2年後はまだわからないが。

それくらいエディは厳しかった。
わかりやすかった。明確だった。

ワールドカップの2年半前、いや、その1年前の就任直後から明確だったエディ。

【2017年6月ジェイミー】

ではジェイミージャパンは?

【プレースタイル】

その方針、プレースタイルでわかっているのはキッキングラグビー。
とにかく敵陣に入る。相手にボールを渡してでも敵陣に入る。
そしてチェイスしてボールを奪う。
これを実現するには、相手の裏に正確に蹴るキック力、
キッカーと息をあわせたチェイス、
相手が持ったボールを奪うブレイクダウンの激しさ、
が必要。
しかし今の日本代表にその力量はない。
キックがすっぽり相手の胸に収まる。
動きも鈍く、ジャッカルに行く前に走られる。
仮にブレイクダウンになってもはじかれる。
むしろ相手をフリーにし、トライチャンスを与えている。
戦術の問題というより選手の力量の問題ではある。
ただ、兵力に合わせた戦術が必要なのも事実である。

【肉体】

では2年後にそうなるために選手を鍛え上げているか?
否。
薫田はアイルランド戦後、「日本代表は平均3キロ体重が落ちた」という。
体重=筋肉だ。
地獄の宮崎合宿で鍛えに鍛えた日本代表の筋力は、もうあとかたもない。

確かに、エディのトレーニングが嫌で?軋轢が生まれ、エディが去った、
という面はあろう。もうこれ以上無理、と。
しかしただでさえ身体のない日本代表がそれで勝てるわけがない。

【スキル】

そしてミス。ペナルティ。
ハンドリングエラー、ペナルティが致命的になるのがラグビー。
アイルランド戦、流はミスが目立った。
飛ばないパス、そして決定的な敵陣前でのノックオン。
あれをやるようでは代表ではいられない。
伊藤の連続シンビン。ありえない。
ワールドクラスはシンビンをついてくる。勝負は決まる。
これをなくす練習をしていない。集中力、一貫性を持っていない。

【試合経験】

経験は積んでいる。
サンウルブズとして、今期はニュージーランド勢、つまりはオールブラックス勢と当たり、
肌でそのプレーを感じることができている。
これは大いにプラスのはず。
だが、それ以上に消耗の方が大きい、ということか。
各先週ボロボロ。けが人だらけ。

日本代表強化のためのスーパーラグビー入りは、
経験値アップという効果を生みながらも、
それ以上に選手を消耗させ、マイナス面が目立ってしまっている。

スーパーラグビー参戦を企画画策したのはエディさんだったが、
これだけの移動距離で選手が消耗することは
計算できなかったのではなかろうか。

【負けグセ】

しかもそのメリットであるはずの試合経験も両刃の剣。
結果を伴わないとネガティブになる。
負けグセがついてしまう。
ジェイミーになってからの日本代表及びサンウルブズは、
ほとんど勝っていない。
初年度はともかく、2年目もサンウルブズは連敗続き。

エディはとにかく勝ちに行った。

2012年就任直後のアイランダー3カ国とのパシフィックネーションズカップは3連敗。
その年の11月の欧州遠征はルーマニア、ジョージアを撃破。
はじめてヨーロッパで勝った。

2013年は4月アジアは4戦全勝、
5月パシフィックはアメリカカナダに勝ちフィジートンガに敗れる、
6月にウエールズに1勝1敗、ティア1に勝利。
11月ニュージーランドに完敗し、
ヨーロッパに渡りスコットランドに敗れ、ロシアスペインに勝つ。

そして2014年はアジア5カ国4連勝、サモア、カナダ、アメリカ、イタリアにも勝つ。
ティア1イタリアに勝ってテストマッチ10連勝したのだ!
この10連勝は後から考えると大きかった。
秋、マオリには2敗したがルーマニア、ジョージアに勝つ。

2015年、JALワールドカップイヤーは韓国香港に4勝した後、
7月8月のパシフィックネーションズではでカナダには勝ったが、
アメリカ、フィジー、トンガに敗れる。
このときはエディさんは負けは織り込み済みだった。
そして世界選抜には破れたが、ウルグアイに2勝、ジョージアにも勝って、
ロンドンに乗り込んだのだ。

エディが去り、ジェイミーが来ない2016年は
アジアではヤングジャパンが韓国香港に4勝、
6月カナダに勝ち、スコットランドには惜敗2回。
ジェイミーがHCになったあとの秋のヨーロッパ遠征は
ジョージアには勝ち、ウエールズに惜敗、
しかしフィジーに完敗。

2017はヤングジャパンは4連勝、ルーマニアには勝ち、
主力を欠くアイルランドには完敗で連敗。
11月にはオーストラリア、フランス戦を控えている。
来年11月はオールブラックスと対戦する。

まだ2015組は勝つことの大事さを覚えているはずだが、
その後代表に入ったメンバーはティア1に勝つことを知らない。
ランキング下位には勝てるが上位に勝てない代表。
これではプライドを持てない。

【総合すると】

ここまでの話を総合すると、

プレー方針を決めて、それに基づいて選手の体力とスキルを鍛え上げ、
その上で経験を積ませ、勝つことで自身をつければ、
チームは強化される。
当たり前と言えば当たり前。
エディはそれを旨い事やってきた。
これしかない、という針の穴を通すような計画を実行し、
途中ティア2中心に10連勝し、選手を勢いづけて、
結果的に南アを破り、3勝をあげた。

今のジェイミーの財産はサンウルブズの経験だけ。
サンウルブズで当たり負けしない身体が出来るかと思えばそんなことはなく、
ブレイクダウンで南半球勢より大きなアイルランドに粉砕された。
スキルは落ち、ペナルティが激増した。
スーパーラグビー、ティア1と闘う機会はこれまでになく増えたが、
結果負けた。ティア2以下にはアイランダーと当たる回数が減ったが、
フィジーに負けた以外は全勝。

こうしてみるとジェイミージャパン、最大の懸念は

【レギュラー定まらず】

2019年のレギュラーが見えない、ということだ。

エディジャパンが2015年にウェールズに勝った時
つまり今と同じ条件の時の23人は

スターティングメンバー
1	三上正貴
2	堀江翔太
3	山下裕史
4	大野均
5	伊藤鐘史
6	ヘンドリック・ツイ
7	マイケル・ブロードハースト
8	菊谷崇
9	田中史朗
10	立川理道
11	福岡堅樹
12	クレイグ・ウィング
13	マレ・サウ
14	廣瀬俊朗
15	五郎丸歩
リザーブメンバー
16	木津武士
17	長江有祐
18	畠山健介
19	真壁伸弥
20	ジャスティン・アイブス
21	日和佐篤
22	田村優
23	藤田慶和

だった。
この中で2015年の31人に入らなかったのは菊谷と長江だけ。
稲垣、マフィ、山田と松島が成長して一気にレギュラーに入った。
リーチは怪我してた。ルークもかな?

要するに大半は固まっていた。
限られた選手を強化した。

今は方針も変わり、サンウルブズを中心に多くのメンバーから
2019年の日本代表を選ぼうとしている。
それはいい。
しかし。
コアな部分はもう固まっていなくてはいけない。
固めて、15人+αでチームを作っていかなくてはいけない。
あと2年。間に合わない。

【レギュラー発掘】

先日のNumberでのエディさんは、
今ポジションが固まっているのは
リーチツイマフィ立川だけという。

ここに福岡山田松島は入れていいと思うのだが、
それは置いておく。バックスリーはどうにでもなる。
課題のポジションから入ろう。

【タイトファイブ】
フォワードのタイトファイブが全く固まっていない、
というのはどうなのか。
稲垣は当確と思うが、あとはわからない。見えない。

年齢との絡みもある。

最近の堀江は老獪だがパワーが減った。
庭井を推してはいるが、ワールドクラスかは微妙。
帝京の堀越に伸びてもらうか。

数年前スミスを仰向けにしたパワーはもうない。
PR3は山下、畠山が全く呼ばれない。
山下はともかく畠山は十分呼べる状況に思える。

ルークが活躍してしまったロックは本当に深刻。
もし外人に頼るのであれば、いまから鍛えないと、
チームにフィットしない。
ウヴェは検討したが、よく見えない。
谷田部は献身的だが、何かが足りない。

一人すごい選手を思いだした。
日本代表資格を持ってはいないが。
ヒーナン ダニエル。
2015大会に間に合わすべく7人制に出場したが、
怪我であえなく断念。
年齢は35歳といっているが、2年後もまだ37歳。
あのパワーはルークを超える。
日本協会はこの緊急事態、彼の代表入りを最優先すべきではないか。

【ハーフ団】
スクラムハーフ。
今は田中。
内田の平凡なプレー、流のミスの連続を考えると、
田中の正確かつ老獪なプレーは光る。
しかし2年後も同じ動きが出来るのか?
ハーフの運動量は半端ない。
ダブルハーフと割り切り、50分ならもつか。
残り30分を誰に託すか。
私が前々から押すのは茂野。
彼の前に出る意欲、スピードは素晴らしい。
しかし粗い。雑。
これでシンビンでもやられた日にはアウト。
結局まだ見えない。
でもあえて茂野を推す。

そしてフライハーフ。
田村は残念。今のままでは無理。
ここ半年休んでいる小野の復活を願う。
小倉もルーマニア戦では光ったが、
一枚上のアイルランド相手ではマークされ、
どんどんぶつかられ、いいところを出せなかった。

私の一押しは山沢。
彼のキックコントロールはジェイミージャパンのそれと合っている。
プラスステップ。
故障しがちな点を克服すれば、十分レギュラーの座を狙える。

【センター】
立川は復活すると信じて、アウトサイドセンターが問題。
ここがタックル出来ないと、あるいはブレイク出来ないと、
身体を張らないと、勝負にならない。
誰だ?トゥポゥがいいかと思ったが、
出場停止を食らうようではだめ。
ラファエレはぱわーはどうなのか。スマートなイメージ。

【バックスリー】
福岡のウイングは育てたい。山田も怪我無く、スピード衰えずならいける。
後藤や中鶴も使ってみたいが、中鶴はディフェンスがこれから。
松島もポジションを別にすれば当確。フルバックはやや厳しいか。
身体がない。作ってもらおうか。
五郎丸、藤田がどこまで戻るか。ここにかかるように思う。
野口は普通に働いたが、普通だった。
尾崎はまだこれから。タウランギも面白い。

【結論】

4年前と今を比較して、
コアメンバーを決めて闘わないと間に合わない。
11月にころころメンバーが代わっているようでは
選手を鍛え上げる時間がない。

正直もう時間切れのような気がしないでもない。
昨年の6月、11月、今年の6月。
何ら発展性がない。一貫性がない。
下手をすれば昨年の6月のスコットランド戦のできが
一番よかったといえるほど。
まだエディの財産、身体が残っていたから。
となっては悲劇だ。

ただ、エディジャパンはティア1と当たる機会が少なく、
その中で勝ち癖を付けた。
ジェイミージャパンは、WRC2015の功績+2019日本大会の後押しで
ティア1とがんがん当たる。スーパーラグビーもある。
それで負けが込む。でも下位には勝つ。

そうやって客観的に見ればチームの力はあの頃も今も大差ない。
というわけで、絶望するのはやめた。
11月までは観る。
手負いのオーストラリアとフランスが相手。
オーストラリアは腐っても4位だが、
フランスは8位。
ここでメンバーを揃え、勝ちたい。
ここで連敗したら、もうベスト8なんて目標はあきらめ、
プール戦2勝に切り替えた方がいい。
2勝だって厳しいのだ。

この半年の選手の選び方、鍛え方、要は協会の持っていき方にかかっている。
呑気にトップリーグだけやってたら終わる。
日本代表を意識させ、頻繁に招集し、意識統一せねば。
身体を鍛え、スキルを磨き、戦術を浸透させねば。

11月に向けてまた集まるのだろう。
そこに手を挙げない選手は2019にはもう呼べない、とした方がいいのだろう。
さらに、集まるときに、一人一人にメニューを、身体づくりを義務付けるといい。
達していなければ門前払い。
・・・こんなことしたら、選手が揃わなくなるかな。

しかし11月では、もう2年切ってるわけで。
悠長なことは言ってられない。もう時間はないのだ。

メンバーを絞って体力強化、チームをまとめてディシプリン強化、
そのメンバーにあった戦術、戦術にあわせた体力、チーム作りをする、

やれること、やるべきことはしっかりやって、頑張れラグビー日本代表。

【おまけ】

スコットランド戦後、様々な書き込みがあったが、
「ファンは黙って頑張る選手を応援しろ」というのが散見された。
精一杯闘っている選手のことはともかく応援するのだ。

日本協会、コーチに対してはファンといえどモノ申していいはずなのだ。
日本代表が勝つために。

そういえば、
「アイルランドに負けて騒ぐファンはありえない」というのもあった。
その答えは既述。
代表チームは勝たなくてはいけないのだ。
エディが、その前には宿沢が、大西が、それを実践している。

負けると分かって大人しく優しく応援するファンなど、
ファンじゃない。子どものスポーツを応援する親じゃないのだ。
相手は、大半、とは言えないが多くはプロ選手なのだ。
プロでなくても日本を背負ってプレーしているのだ。
選手をバカにしているとさえ思う。

なのでこれからも折あるごとに書かせていただきます。

1	稲垣
2	堀越
3	畠山
4	ヒーナン
5	真壁
6	リーチ
7	ツイ
8	マフィ
9	田中
10	山沢
11	山田
12	立川
13	ラファエレ
14	福岡
15	松島

三上 堀江 山下 大野 谷田部 布巻 金 松橋
茂野 流 田村 小野 トゥポウ 中鶴 五郎丸 野口
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