8th ALBUM:vertical infinity
 

2005年1月26日発売。

01.vertical infinity
02.ignited -イグナイテッド-
03.TO・RI・KO
04.Timeless -Möbius Rover-
05.Web of Night -English Album Version-
06.ULTIMATE
07.もはや君なしじゃ始まらない
08.緋の砂
09.BRING IT ON
10.白い闇
11.CHASE/THE THRILL
12.Web of Night -Japanese Album Version-


2005年はオリジナルアルバムの発売から始まりました。
前作から約10か月ぶりという、近年のスローペースになっていた発売間隔からすると驚くべき短いスパンでの発売となりました。

8枚目のアルバムとなるわけですが、タイトルを見ると「8」にちなんでいるの?ってパッと見、思うじゃないですか?
実は、しっかりと「8」になっているんです!
「vertical」は「垂直」。「infinity」は「無限」であり即ち、「∞」。この「∞」を垂直にすると…
はい!しっかりと「8」になるんですね。よく捻りだしたなって思いましたね。

今作の特筆すべき特徴は何と言ってもアレンジ面にあるでしょう。
今まで、作曲だけでなく編曲まで全てを担っていたのはサウンドプロデューサーの浅倉大介さんだったわけですが、
今作では収録曲の約半分を、浅倉さんの編曲をベースに西川さん自身が共同制作しているミュージシャンと共にアレンジしたものになっているんです。

このパターン。今作以降も続いていくかと思ったら、必ずしもそういうわけでもないので(TMR以外で表現の場を作った事が大きい)、TMRのアルバムの中でも異色の作品になったとも言えると思います。

1曲目~5曲目までは浅倉編曲ゾーン。
3曲目【TO・RI・KO】はギターの音色もふんだんに入った、言うなれば5枚目のアルバム【progress】系の硬質的ロック寄り楽曲。
4曲目【Timeless -Möbius Rover-】はTMR的なバラードの部類。結構良い。アウトロがめっちゃ長くて楽曲自体の時間も7分半。
あっ、それとこの楽曲は頭文字TMRシリーズですね。

5曲目と12曲目の【Web of Night】はアルバムバージョンになっていますが劇的変化はありません。ほぼシングルバージョンと変わらないです。よぉ~く聴き込まないと分からないんで意識する必要はありません。

そして、6曲目~10曲目が西川さん主導編曲ゾーン。
明らかに毛色が変わって、バンドサウンドになってます。TMR楽曲でこんなに生ドラムの音が強いのって初めてでしょう。

7曲目【もはや君なしじゃ始まらない】はメロディこそ全盛期のアルバムに入ってた感じのポップなものなんですが、アレンジは既存TMRとは全く別物。バンドサウンドにホーンセクションまで入ってます。
注目ポイントは編曲者に『柴崎浩』の名前が!!!
名前を見てすぐに分かった貴方は楽曲のギターの音色を聴いたら懐かしさも感じるんじゃないかな?
そうです。WANDS(第1,2期)のギタリストだった柴崎さんです。
 

前年からTMRライブに参加していて、その後、レコーディングにも加わったんです。
さらに、西川さんと柴崎さんでその先の展開があるんですが、それはこの次の回にじっくりと。

8曲目【緋の砂】は純バラード。既存TMRバラードと違い、ムーディー。聴きごたえアリ。
そして、この楽曲のコーラスアレンジにも注目ポイント。『有坂美香』の名前が!!
TMRというより、『ガンダムSEED DESTINY』を見ていた方にはすぐにピンッとくるんじゃないでしょうか?
2期目のED【Life Goes On】を歌っていた方です。
有坂さんは歌手としての一面以上に、裏方として様々なアーティストのコーラスを務めているプロなんです。
10代で単身渡米して、歌や演技、ダンスを学び、同時にゴスペルやジャズにも触れた実力派。
私としては、SEED DESTINYより前に『無限のリヴァイアス』(1999年)というアニメの主題歌を担当した時に知っていたのでガンダムで出てきた時は意外で驚きでした。
リヴァイアスのOP【dis-】は地味に売れた隠れ人気アニソンと言っても過言じゃない名曲(英語版もあります)。
知らない方は是非とも聴いて頂きたい!
そして、【Life Goes On】は作編曲がSee-Sawの梶原さんということで、この2人が結びついた事が私としては思いもつかない意外性で興奮しました。楽曲も格好良くて確実に名曲の部類。
 

惜しいのは、こうした名曲を持ちながら、アニメ楽曲は公で歌ってくれない事。
有坂さんのアニソン活動はあくまでアナザーサイドであり、実はアニソンを担当したのもこの2作に加え、『十二国記』の主題歌を担当した3作くらいで、
メインはコーラス業とRaggae Disco RockersやJazztronik等のゴスペルやレゲエ、R&Bを軸にしたシンガーなんです。
そういった軸の活動においてはライブ活動しているんですけどねぇ。
有坂さんの生歌【dis-】と【Life Goes On】は一度聴きたいんですが…
おっと!ちょいと有坂さん情報が長くなっちゃいましたね。

9曲目【BRING IT ON】はもうゴリゴリのロックの部類に入ってきました。この楽曲はもはやその後のアレに通じていますね。
アレについては次回紹介します。
10曲目【白い闇】は西川さんゾーンの締めるかのようなバラード。

そして、11曲目。【CHASE/THE THRILL】はいつもの浅倉さん編曲の楽曲に戻ります。
この楽曲がこのアルバムの中で一番押さえておきたい楽曲でもありますね。
歌詞が全英詩なんですが、ライブでも披露機会の多い爽快楽曲です。
浅倉さんのプログラミングと、ふんだんに入ったギターの音色が絶妙に混ざり合って楽曲の激しさを演出しています。
このバランスはその後のTMR楽曲にも通じていると思うんですよね。
楽曲の時間は7分と長いんですが、その長さを感じさせないスピード感があります。

そんな今作の成績はというと、
初登場3位で、初動は約7万。前作より上がりました。【ignited】の追い風に乗れたって事なのでしょうか!?
累計でも約10万枚を売り上げ、3作目を頂点にずっと下降線だった売上に歯止めをかけられました。
勢いに乗る事の重要性を感じる結果になったと思います。


21st Single:vestige -ヴェスティージ-
 

前作に引き続きガンダム関連シングルで8か月ぶりのシングル。2005年8月17日発売。

タイトルの形式も引き続き、英単語にカタカナ表記付属のスタイル。

ド直球バラード。【BOARDING】というバラード調楽曲が以前にありましたが、完全にバラードと言える部類のシングルは1998年の【THUNDERBIRD】以来7年ぶりですか。アルバムでは結構、バラードは収録されているんですけど、やはり、シングル表題曲となると1ランク2ランク出来が違いますね。メロディ、アレンジの壮大さが違う。聞き入ってしまいますね。

『ガンダムSEED』シリーズの締めの楽曲という事もあり、西川さん自身気合いの入った作品だったとも思います。

 

 

c/wの【crosswise】は『戦国BASARA』というゲームの主題歌に起用されました。この辺りからゲームのテーマソング起用されることが増えだしましたね。
こちらも表題曲級の楽曲で、激しさと疾走感のある良曲。

さて、こちらの楽曲の結果ですが、前回チラッと述べちゃいましたよね。
そうです。前作に引き続き、初登場1位を獲得。初動約12万枚で前作より伸びました。
なんと、同日に発売された福山雅治にも勝ったんですよ!(福山は約10万枚)
累計は約18万枚と言う事で前作から微減。TMRのバラードって中々伸びないんですよねぇ。
歌唱難易度高くて、一般人は手に取り辛いのか?


2005年のリリースはこれにて終わり。アルバムとシングルが1枚ずつとはちょっと寂しいなって感じていたのですが、
2006年1月1日に発売された次の作品を聴けば、そんな寂しさはすぐに払拭って感じでした。

Self Cover ALBUM:UNDRE:COVER
 

2006年1月1日発売。

復習の最初の頃からちょこっと触れていたセルフカバーアルバムの存在。ここでようやく登場です。
そもそもが、デビュー10周年記念の一環として企画されました。
ファンからの人気投票で収録曲を決定。
その投票は前年発売された【vestige】に封入されていた投票ページへのパスワードが必要ってこともあり、投票結果は純然たるファンの声が如実に反映されたものと言えると思います。

曲名の後に(A)はアルバム楽曲。その次の丸数字は投票順位。

[DISC 1]
01.HIGH PRESSURE
02.WHITE BREATH
03.HEART OF SWORD ~夜明け前~
04.AQUALOVERS ~DEEP into the night~ (A) ④
05.Zips (A) ②
06.THUNDERBIRD
07.BOARDING
08.HOT LIMIT
09.Joker (A) ⑤
10.LOVE SAVER
11.夢の雫 (A) ⑧
12.魔弾 ~Der Freischütz~
13.Twinkle Million Rendezvous (A) ③
14.LIGHT MY FIRE (A) ⑩

[DISC 2](初回盤のみ)
01.Meteor -ミーティア-※Instrumentalです!

結局、2005年のリリースが少なかったのってこれを作ってたからなんですよ。
ボーカルも録り直していますから、編曲含めほぼ1から新曲作るに近い作業。
それをフルアルバム分ですから、そりゃ時間もかかるってもんですよ。
歌詞が追加された楽曲もあるんですから(逆に、省かれたフレーズも!)。

まず、このセルフカバー全体の特徴として、
アレンジの軸はライブ仕様ってことでしょうね。ロックアルバムです。
TMR楽曲の特徴はプロデューサー浅倉さんのプログラミングによるアレンジが根幹にあると思いますが、
今回のセルフカバーは生楽器主体のバンドサウンドにブラッシュアップされていること。
それもあってアップテンポはより激しく、バラードはよりしっとりとしたサウンドになっています。

そして、今作の豪華なポイントは編曲で様々なゲストミュージシャンが参加していること!
収録曲のほぼ全てはTMRのライブチームが軸となり制作されているのですが、
6曲目【THUNDERBIRD】では、あの菅野よう子が編曲を担当し、本人もピアノで参加。
というより、ほぼ菅野さんのピアノと西川さんの歌唱というシンプル構成。ある意味、贅沢!

それから、3曲目【HEART OF SWORD】と14曲目【LIGHT MY FIRE】では大島こうすけ氏が参加。大島さんのことを知っていますか?
WANDSの第1期にキーボードだった方です。【もっと強く抱きしめたなら】までいた方です。
前年発売したアルバム紹介の中でも名前が出た元WANDSである柴崎さんの紹介で今回の参加となったようです。
まさか、こんな所で元WANDSが2人も揃うとは…
で、後のライブでも大島さんがゲスト参加なんかしたりして、SNSでは2人揃っての写真が出たり…
WANDS好きとしては嬉しくもあり、歯がゆくもありって感じ。
そこに上杉さんがいりゃいいんじゃないの!と(笑)

8曲目【HOT LIMIT】では女性ラップデュオHeartsdalesが参加。
11曲目【夢の雫】、13曲目【Twinkle Million Rendezvous】では平原綾香がコーラスで参加。

今作は作品の特性上、やはり、原曲を聴いた上で今作を手に取ってほしい。
それが今作の楽しみ方だと思います。
逆に、今作を最初に聴いてから、原曲に戻るって聴き方も無くは無い。
今までTMR楽曲に触れてこなかった人にしかできないパターンなのでそれもアリっちゃアリか?どうなんだろう?(笑)

今作はある意味全曲聴き所とも言える濃厚なアルバムなんですけど、その中でも私が取り上げたい楽曲は
まず、3曲目【HEART OF SWORD】。ファン投票になると通好みが増える事もありシングル楽曲が中々上に来ない事も多いのですが、
見事1位になりました。この楽曲の存在の大きさを改めて感じますよね。
このアルバムの中でもロックアレンジは薄めで、デジタル感の残存率高め。やはり、原曲の完成度の高さからなのかな。

4曲目【AQUALOVERS】の4位は意外でした。そして、今回のアレンジは原曲超えたのでは?と個人的には感じる出来の良さ。
怪しさ漂うアレンジとこの時の西川さんのボーカルが絶妙にマッチしていると思うんですよねぇ。

5曲目【Zips】は今回収録された中で一番新しい楽曲。ライブで人気があった事もあり、順位も2位と高かったですね。
原曲自体ロック寄りだったこともあり、今作で一番原曲に近いかも。

6曲目は必聴!!!
そして、個人的に大好きな7曲目【BOARDING】。ギリギリ14位でした。入って良かったぁ~
アレンジはアコギ主体の正にライブ仕様。これはこれでアリって感じでした。

9曲目【Joker】はアルバム楽曲ながら長く愛されている楽曲で5位にランクインは嬉しい結果。
最も激しくロック仕様になりました。良い仕上がりです。

12曲目【魔弾】は原曲が元々激し目だったこともあり、今回のアレンジも激しいのですが方向的にライブ終盤仕様にしたという感じでしょうか。
アルバムの終盤に配置されたのが分かるアレンジだと思いました。何かライブの光景が目に浮かびます。

そして、14曲目【LIGHT MY FIRE】。個人的に原曲より好きですね。正に、ライブの締めって感じ。ギターの効果がいい感じに出てるんですよねぇ。

それから、DISC 2の【Meteor】なんですが注意として書きましたがインストです。
これの編曲は浅倉さんが担当しました。なので、生楽器無しでDISC 1と毛色が違います。
何故に、これだけ歌を入れなかったんだろうか?

そして、【Meteor】には続きがあり…
このセルフカバー企画は第2弾が数年後に実施されます。それもファン投票によって収録曲が決定されるのですが、今作収録曲は対象から除外された中で、この【Meteor】だけは例外で投票対象になったんです。
ということは…って事です。あと何回か後の復習で第2弾は紹介しますので。その時をお楽しみに。

もう一つ、この作品の特筆すべきポイント。
それは、西川さんの女装ですかねぇ。
初回限定の花満開BOX仕様では外観でその女装を見ることは出来ませんが、
通常版の表紙だとよく分かりますね。いや、表紙だとまだ女装って分かりにくいか。
歌詞カードだともろに女装満載ですよ(笑)
これも10周年記念企画として、今まで様々な仮装をしてきたTMRの中で、ありそうでなかった企画として実行に至ったようです。
西川さん、肌綺麗で顔立ちも中性的なんで、見事な仕上がりになってますよね。

そんな、お祭り的企画の今作の結果なんですが、
元日発売ということもあり、2週合算での統計で、
初登場8位。初動は約9万枚でした。
前年のアルバムは約7万枚でしたから、まぁ、悪くは無い数字でしょうか。
収録曲からみて、変則的ベストの意味合いもあるので伸び悩んだという見方もできるでしょうが。
順位は年始発売特有の総決算的激戦期間なので、この順位も仕方ないでしょう
累計では11万5000枚ほど。10万突破で御の字って所でしょうか。


そんなTMR10周年。次に発売されたのは正真正銘ベストアルバム。
BEST ALBUM :1000000000000
 

2006年6月7日発売。

「0」が何個あるのか数えにくいですよね(笑)
12個です。
読み方は「ビリオン(Billion)」です。



「んっ?」と疑問に思った方もいるんじゃないでしょうか?
実は、ビリオンって意味に2通りあるみたいなんですよね。
・米国では10の9乗=10億
・英国では10の12乗=1兆
ここでは英国使用の「1兆」の方のようです。
数字表記的に「1兆」ですもんね。

因みに、一般的に認知度の高い「ミリオン(Million)」は100万です。

[Disc 1]
01.Albireo -アルビレオ-
02.蒼い霹靂~JOG edit~
03.BLACK OR WHITE? version3
04.BOARDING
05.Burnin' X'mas
06.独裁 -monopolize-
07.HEART OF SOWRD ~夜明け前~
08.HEAT CAPACITY
09.HIGH PRESSURE
10.HOT LIMIT


[Disc 2]
01.ignited -イグナイテッド-
02.INVOKE -インヴォーク-
03.LEVEL 4
04.魔弾 ~Der Freischütz~
05.Out Of Orbit ~Triple ZERO~
06.THUNDERBIRD
07.臍淑女 -ヴィーナス-
08.vestige -ヴェスティージ-
09.Web of Night (English Version)
10.WHITE BREATH
11.WILD RUSH


今回の曲順、ある規則性に沿って並べられているのですが分かりますか?

アルファベット順になってるんです(日本語に関してはローマ字表記として)

こういう並べ方は他に類を見ない試みですね。
でも、だからといってその後に他のアーティストに真似されるような並びじゃないですね。
正直、アルバムとしてはスムーズに聴けない…
バラバラ感が半端ない。
まぁ、時系列に並べてもアルバムとして聴く分には聴きにくいベストも沢山ありますよ。
ただ、振り返るという意味で時系列には価値があるのかなと思います。
このアルファベット順というのは、西川さんも当時のインタビューで述べられていますが、
「企画としての遊び」の側面が強いそうです。
パッケージのデザインもそうですが、グラデーションを意識したと。

で、まぁ、今作は完全にシングルコレクションの形で、新曲も無いという事で、
後に更なるベストも発売されましたし、今となってはかなり重要度の低い作品になっています。
一つあるとしたら、【Web of Night】のEnglish Versionが収録されている点でしょうね。
私としてはこのベストの2週後に発売されたPV集の方が価値があったかなと思いました。


そんな今作の成績はと言うと、
なんと初登場1位を獲得!
アルバムでの1位獲得は98年の3rdアルバム【triple joker】以来8年5か月ぶり!

…ではあるんですけど、この1位は絶妙なタイミングによる好機を掴んだ運と言えるでしょうね。
初動は6万8000枚ということで前年発売のアルバムより低い数字なんです。
所謂、穴の週に出せたってことですね。
ただ、ベストアルバムと言う事でその後の伸びも見られ、
累計では約15万枚を売り上げ、1月に発売したセルフカバーを上回りました。
やはり、ベストアルバムは侮れませんね。


ということで、この年はTMR10周年だったわけですが、これを機にTMRは周年で大々的に動いていくスタイルになっていった気がしますね。
活動の”きっかけ”が欲しかったって面もあるんでしょうかね。


さて、今回はアルバムを3作紹介する珍しい回になったのですが、
次回は、西川さんの音楽活動における新媒体の登場です!abs!お楽しみに。
次回に続く!