オレが弱かったから、ねーちゃんが目の前で殺された。
「痛ってー…」
左の耳たぶがジンジンと鈍く痛む。
事件から数日後、ねーちゃんはオレと変わらない年齢で現れた。
確かに目の前で死ぬ姿を見ていた。
何をしたのかは知らねーが、異能を抑え、ロストした状態でならと、エデンが何とかしたらしい。
それが本当にねーちゃんなのか、よくわからねえ。
「…刻くん、何をしているんです?」
痛みとコトに夢中で、相手が近くにいるのがわからなかった。
刻は今まさに、ピアスを開けたばかりだった。
氷はなく、耳たぶを引っ張ってそのまま針で貫いたらしく、耳たぶにはまだ、針が垂直に突き立ててあった。
「別に。ちょっとオシャレしようと思っただけ」
「処置もせずにですか?随分とマゾヒストのようですね。まあ、私は縛るのが一番の快楽なのですが…お望みとあらばそちらのお手伝いも致しましょうか」
「いらねーヨ!!」
眼を見開き、今そこにある快楽を見つけたと言わんばかりに鞭を構える平家を拒否し、左耳に手を翳すと磁力で針を捻じ曲げていく。
耳元で蠢く鉄が軋み、耳障りな音が鼓膜に響く。
変形すれば傷口を擦り、鈍い痛みと鋭い痛みを交互に与えてくる。
痛みを無視しては表情を固くし、それでもなお、形成を続ける。
針だったものがリング状のピアスに形を変えると、力を与えるのをやめた。
「手作りで片方だけってのがイイんだよ」
「全く…ただでさえ任務で傷だらけになるというのに、自分で傷を残してどうするんですか。私が付ける傷ならともかく」
「誰が付けさせるか!!それより、用があってきたんじゃねーのか?」
「ええ、次の仕事です。読んでおいて下さい。
そう言って平家は彼の部屋を後にする。
去り際に視界の端で見ると、まだ違和感が残る耳を触りながら、渡された資料に目を通す刻の姿を捉えた。
姿を見ながら、私は思わず目を細めてしまった。
左の片耳ピアス。
勇気、強さ、誇り。
外すつもりのないピアス、ですか。
なんともいじらしい。
それを開けることを決意させた貴女に、嫉妬を覚えるくらいです。
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もうね、メール送信だと容量デカくてやりづらいから曝してやらァ。