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小林製薬さんの機能性表示食品、自主回収になりましたね。
ニュースでの社長さんのコメントから判断するに、まだ意図しなかった成分が何だったのか私には分かりませんでした(まだ特定できていないとの報告も)し、意図しなかった成分と腎機能障害の関連は明確にはなっていないものの、一時は人工透析も必要となられた方もいらっしゃったので、気になり、ネット検索してみました。
背景として・・・
わざわざサプリを摂取されていたことから、数値は分かりませんが、コレステロール値が高めの方であっただろうと想像でき、それ故、高脂血症による動脈硬化性腎機能低下が少なからずあった可能性は否定できません。
従って、意図しなかった成分がホントに腎機能低下をもたらしたのかどうかは言い切れませんが、一時的な人工透析だとすると、慢性腎不全の末期によるものの一過性とは考えにくいので、私は注意が必要だと思いました。
フレミングによる 青カビの産生する 生理活性物質:ペニシリン の発見は有名ですが・・・
同じく青カビの産生物質から見つけられた生理活性物質:コンパクチン
このコンパクチンの発見は後にノーベル賞ものかと一時期噂された??スタチン製剤の元祖となります。
スタチン製剤とは肝臓でコレステロールを生合成する上での律速酵素【HMG-CoA還元酵素】を阻害する物質(医薬品)のことを指します。
第一三共がコンパクチンをヒントにプラバスタチン【メバロチン】を開発、高脂血症治療薬として発売しています。
プラバスタチンの開発が行われていた頃、メルク(&遠藤先生)により、別のカビが産生する生理活性物質:ロバスタチンを発見
ロバスタチンをもとにメルク(日本ではMSD)がシンバスタチン【リポバス】が作られました。
また、後に、アトルバスタチン【リピトール】、ピタバスタチン【リバロ】、フルバスタチン【ローコール】、ロスバスタチン【クレストール】が開発、発売されています。
今回、機能性表示食品とされている紅麴はこのロバスタチンを産生しているようで、これがコレステロール値の改善に一役担っていたようです。
ネットで見たのですが、芳野先生によると、サプリメント(メーカー不記載)の推奨摂取量だとロバスタチンはプラバスタチン換算で2mgとのこと。
プラバスタチンは5mgと10mgの製剤があるので、2mgと言えば、それなりに効果が期待できるのではないかと推察されます。
高脂血症治療薬としては、かなり効果の期待されるスタチン製剤。
ですが、同時に横紋筋融解症などの副作用の心配もゼロではありません。
そのためか、高脂血症治療薬を服用中の方は摂取を控えるようにとコメントを出している薬剤師会もあります
今回の意図しなかった成分はもちろんロバスタチンでないと思いますが(ロバスタチン以外にも色々副産物として産生されたのではないかと推察)、カビが突然変異すれば(もしくは培養環境下の変化など)、産生する生理活性物質が意図しない物質になる可能性は否定できません。
そのあたりは、どういう基準なのかちょっと興味がわきました。
というより、ちょっと心配
私は心配性なんで・・・
小林製薬さんには、是非、今後の研究結果を教えていただきたいと願っています。
また、万が一にも腎機能障害を誘発するなら、そのあたりも是非是非、今後の研究課題としていただきたいです!!
腎臓が悪い私だけかもしれませんが・・・
もしも、腎機能障害を誘発物質が特定できたなら、今後の腎臓病治療において、その物質から何か有益な知見が得られるかもしれないと思いまして・・・
カビ毒といえばアフラトキシン!!
発がん物質の中でもかなり危険物質と学びました。
こういった、危険な生理活性物質が今後作られないとは言い切れません。
是非、その辺の対策も国(世界・WHO)がどんどん対応していってくれることを願ってます。
上記のブログを書くに至って、ネットで見た:月刊日農医誌(2016・3)を参考にさせていただきました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました