人間風車(2000年版)

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出演 生瀬勝久、斉藤由貴、阿部サダヲ、八嶋智人、大倉孝二ほか
2000年パルコ劇場

これは、いまや有名になった小劇場系の俳優さんがゾロゾロ揃ったすごいお芝居です。
まず、生瀬勝久の超長台詞には度肝を抜かれました。橋田壽賀子の比ではないです。生瀬勝久が舞台出身の俳優だということを初めて知りました。八嶋智人はさすが、ものすごくキレの良いお芝居でした。ココリコミラクルタイプで、八嶋智人がハイテンションな先生のコントをしているのを初めて見た時には、一瞬で釘付けになりました。阿部サダヲは、前半の出番は少ないのですが、後半のキーパーソンでした。演出家の稽古日記には、「阿部サダヲくんの『痙攣の瀧のぼり』は、役者としての高い身体能力を披露していてすごい」というようなことが書いてありますが、このネーミングには笑ってしまいました。知的障害のある男の役でしたが、倒れたまま、階段を、痙攣した体の動きだけで一段ずつ上がって行く場面は、確かにすごかったです。次第に狂気の様相を呈してくるあたりは、鬼気迫るものがありました。童話作家役の生瀬勝久が話す童話の主人公のセリフと行動を、一度で正確に覚え、それを実際にやってみせる場面では、突然正気に戻ったように滔々とセリフを言います。この時の声が、舞台俳優の阿部サダヲの、一番ストレートな声(脚色のない声)ではないかと感じました。よく通るまっすぐな声です。

斉藤由貴の弟・オサム役の阿部サダヲが、童話作家生瀬勝久の話して聞かせた童話のせいで狂気の人となり、姉や童話作家を殺そうとします。最後はオサムは、高いところから飛び降りて命を絶ちます。姉は、狂気に堕ちた弟の死を黙って見ているしかない…。しかし、肉親が死んでゆくのを黙って見て、さらにそれを幇助するようなことをしたラストには、あまり共感できませんでした。