「このデザイン、参考にしてもいいのかな?」
「ブランド名を使っても大丈夫?」
そんな不安を感じること、ありませんか?
作品づくりに夢中になるあまり、
気づかぬうちに“法律の壁”を越えてしまうこともあります。
でも大丈夫。
基本を押さえておけば、怖がらずに自信を持って活動できます。
今回は、ハンドメイド作家が知っておきたい著作権と商標の基本を、
実際によくあるトラブル事例を交えながら紹介します。
■ 著作権とは?どこからが「真似」になるのか
著作権とは、作品を作った人が持つ「表現の権利」。
デザイン・イラスト・写真・文章など、創作された瞬間に自動的に発生します。
つまり、「かわいいから似たようなのを作ってみよう」はNG。
参考にするのはOKでも、構図やモチーフをそのまま真似ると“模倣”扱いになります。
例えば──
・人気作家の作品を参考にして、同じ色・形で制作
・SNSで見たデザインをトレースして販売
これらは著作権侵害になる可能性が高い行為です。
大切なのは、インスピレーションを“自分の表現”に変えること。
素材やアイデアは自由でも、「表現」にはオリジナリティが求められます。
■ 写真・素材・イラストの使用にも注意!
ハンドメイド販売では、商品写真やパッケージに
「フリー素材」や「イラスト」を使うこともありますよね。
でも、フリー素材だからといって 何にでも使えるとは限りません。
たとえば、
・「商用利用不可」の素材をショップで使用
・クレジット表記が必要なのに省略してしまう
これらも著作権侵害にあたる可能性があります。
対策としては、
✅ 商用利用OKかどうかを必ず確認
✅ 利用規約をスクショ保存しておく
✅ AI画像も「生成元の権利」に注意
特に最近はAIで作られた素材も多いため、
「出所不明のデザイン」を使うと後々トラブルになることも。
自分の作品は、自分の手で守りましょう。
■ 商標権とは?「ブランド名」を使うときの注意点
次に重要なのが「商標権」。
商標とは、商品名・ブランド名・ロゴなどの“名前の権利”です。
たとえば──
・「ジブリ風アクセサリー」
・「ディズニー素材で作ったヘアピン」
これらは、たとえ販売目的でなくても危険です。
登録商標を無断で使うと、販売停止や法的措置を受けるケースもあります。
「○○風」や「△△モチーフ」などの表現も要注意。
お客様に「公式」と誤解されるような表現は避けましょう。
逆に、自分のブランド名を守りたいときは、
商標登録を検討するのも一つの方法です。
■ よくあるトラブル事例3選
① 他人のデザインを真似して販売 → SNS炎上
→「参考にしただけ」でも、似すぎていればアウト。
② 人気キャラの布を使った作品を販売 → 商標侵害で削除
→布の購入は自由でも、“販売”には許可が必要。
③ 自分の写真を他の作家に無断で使われた
→著作権者として削除を求める権利があります。
■ 安心して活動するための心がけ
著作権や商標は、作家にとって“敵”ではなく“味方”。
ルールを知ることで、自分の作品を守れる力になります。
特にSNSやハンドメイドマーケットでは、
他人の作品を“簡単に見られる時代”だからこそ、
モラルと意識が問われます。
大切なのは「自分の言葉とデザインで勝負する」姿勢。
オリジナリティを大切にすることで、
ファンの信頼とブランド力が自然と育っていきます。
■ まとめ:知ることは、自分を守ること
著作権や商標を守ることは、
“自由に表現できる環境を守る”ことでもあります。
あなたが安心して創作を続けるために、
今日から少しずつでも「権利の基本」を意識してみてください。
ハンドメイド作家にとって、
知識は最大の防具であり、信頼を築くための第一歩です。
