ハンドメイド作家として活動していると、
「この作品、もう少しあると思ってたのに…!」
そんな“在庫切れトラブル”にヒヤッとした経験、ありませんか?
SNSで告知した直後に注文が入り、慌てて材料を探す。
イベント準備で箱を開けたら、売り切れだったはずの在庫がまだ残っていた。
――在庫管理は、地味だけど売上を左右する大切な仕事です。
でも難しく考える必要はありません。
大切なのは、シンプルで続けられる仕組みを作ること。
■ 在庫管理の基本は「見える化」から
ハンドメイド作品の在庫は、材料・完成品・発送待ち――
と段階がバラバラになりやすいもの。
そこでまず取り入れたいのが、
「今、何が、いくつあるか」を一目でわかる仕組み。
おすすめは、やっぱり Excel(エクセル)。
紙のノートよりも修正が簡単で、色分けも自由自在。
例えば、こんなシンプルな表を作ります。
| 品名 | 在庫数 | 材料残数 | 製作中 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| ピアスA | 3 | △10 | 1 | 人気アイテム・再制作中 |
| ネックレスB | 0 | ○20 | 0 | 在庫切れ注意 |
このように、
「在庫数」と「材料の残り数」を並べておくだけで、
次に作るべきものがすぐにわかります。
■ Excelテンプレートを味方にしよう
在庫管理をゼロから作るのは大変ですが、
ネット上には無料の在庫管理テンプレートがたくさんあります。
特に「ハンドメイド 在庫管理 テンプレート」で検索すると、
作家さん向けにカスタマイズされた表が見つかります。
それをベースに、
・商品画像を小さく貼る
・イベント用と通販用にシートを分ける
・「材料発注日」「次回納期」欄を追加する
など、自分の作業スタイルに合わせて調整してみましょう。
さらに、Googleスプレッドシートを使えばスマホからも更新可能。
外出先で材料を買うときにも、在庫をすぐ確認できます。
■ 視覚的に「色」で管理する
数字だけの表は見落としがち。
そんなときは色のルールを決めると、一気にわかりやすくなります。
たとえば:
-
在庫あり → 緑
-
残りわずか → 黄色
-
在庫切れ → 赤
これを条件付き書式で設定すれば、
数値を入力するだけで自動的に色が変わるので便利です。
画面を開いた瞬間に、
「赤が多い=今すぐ補充が必要」とひと目で判断できます。
■ 作品ごとに「在庫基準」を決めよう
在庫を「ゼロにしない仕組み」を作るために、
**作品ごとの最低在庫数(安全ライン)**を決めておくのもおすすめ。
たとえば、
・人気作品A:最低在庫3
・季節限定B:最低在庫1
・材料が手に入りにくいC:最低在庫2
こうしてルール化しておくと、
在庫が減ったタイミングで自動的に「次を作る」行動につながります。
Excelなら「在庫数<最低在庫数」のときに自動で赤く表示する設定も簡単。
忙しい作家さんでも、感覚ではなく数字で判断できるようになります。
■ デジタル+アナログのハイブリッドも◎
中には、「やっぱり手書きの方が安心」という方も多いでしょう。
そんな場合は、
・イベント準備リストや納品メモは紙
・日常の在庫把握はExcel
というデジタル×アナログ併用スタイルがおすすめです。
作品に添えるサンキューカードや発送メモも、
この在庫データと連動させることで、
「人気作品の傾向」や「リピーターの多い商品」も見えてきます。
■ 在庫管理は“未来の売上”を守る仕事
在庫管理というと、つい「面倒」と感じがちですが、
実はお客様との信頼を守る大切な仕組みです。
「欲しかったのに売り切れていた」
――それだけでファンを失うこともあります。
反対に、「在庫が常に整っている」お店は、
お客様からの信頼度がぐっと上がります。
在庫を見える化し、ムダを減らし、チャンスを逃さない。
それが、長く愛されるハンドメイド作家への第一歩です。
