空中散歩~札幌日帰りの旅
昨日の午後、滞在時間4時間半という凄まじい出張をしてきた。
僅か1時間の打合せが2件。場所は札幌。東京から片道1時間半の旅である。
これが前日に決まり、急遽飛行機が苦手な上司に変わって、その特命全権大使として私が送り込まれた形だ。
北海道はこれまでも何度か足を運んだことがあるが、不幸にして長い滞在をしたことがない。
家族旅行が2泊3日、
札幌コンサートホールのオルガンを訪ねての1泊、
登別温泉の日帰り。
今回が4回目となる北の大地だ。
そして、いつものとおり、銀塩カメラとデジカメを鞄にしのばせる。
銀塩カメラは離着陸時に電子機器が使えないため。デジカメはやっぱり便利だから。
大阪方面へ行くときは富士山が目当て、北方面に飛ぶときは自宅が見られる。それぞれ、航路が決まっているのでどちらの窓際に座るかが重要だ。
上のとおり、北海道に行く機会はあまりないので、北方面に飛ぶのはもっぱらヨーロッパの往復くらいである。しかし、成田発とあって、自宅や実家を見られるチャンスは低い。
今日は天気もよく、難なく自宅を眺める。やや離れた実家に停まる父上の愛車も視認。目立つ色なので大変判りやすい。手土産にしようとシャッターを押した。
時折、機内誌の地図を広げ、航路を指で追いながら、今の所在地を確認する。各座席にモニターなんて、国内線ではあまりお目にかかれないので、人知れず所在地を知るにはアナログ作業しかない。
ところで私には悪い癖がある。
1時間半なんて、通勤とほぼ変わらない時間なのに、飛行機に乗るとなると、必ず読書用の本を持ってくる。それもなぜかボリュームのある本を。
いざその場になれば、こうして窓に張り付いてばかりなのだから、この本が役に立つことはあまりない。重たい紙束として旅中を付きまとうのである。それを判っているのに、今日も持ってきた。
蔵王の上空あたりで、雲を引く対抗航路を行く飛行機を見た。
とっさに、自衛隊機か?と思い、その小さい機影をデジカメのズームで撮影してみれば、旅客機ではないか。
垂直尾翼の赤いものから、おそらくJALだろう。
知らないとは恐ろしいもので、飛行機雲は自衛隊機の訓練で排出される物で、地上の人に認識させるものかと思い込んでいた。
帰宅して調べてみれば、エンジンから排出された高温のガスが、低温の世界で急冷され、液化したものとある。理科はまったくの不得意科目だったが、要するに今の時期に吐息が白くなるのとおなじ原理のようだ。
たぶん、JAL機から見える私の機影にも同じような雲が尾を引いているのだろう。
千歳に降り立ち、カメラバックをロッカーに放り込んで電車に飛び乗り、窓の外に広がる雪景色を眺めながら、15時過ぎに札幌駅へ。
電車を降りて初めて外気に触れ、やや空気の冷たさを感じた。
そしてまじめに仕事をして、制限時間一杯まで働き、北の大地の美味を知らぬままに復路の飛行機に乗り込んだ。
もちろん、土産だけは忘れずに買い込んだけれども。
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