郷里ご案内
フランスからアンシェロワ侯爵がお見えになられた。
私の旧友の父上にあらせられる。その旧友は3年前に不慮の事故で他界されたが、お父上とは今もこうして親しくさせていただいている。
今回のご滞在は日本ではなく、ヌメアという南洋の島。太平洋上にありながら、立派なフランスの領土である。そこへ訪れたトランジットで成田にお立ち寄りになられたのだ。
都内で一泊され、明朝には西欧へ旅立たれる身であるのだが、私が千葉に住んでいることを知ってくださっていた閣下は連絡をくださり、急遽半日ほどご案内することになった。
日本の紅葉が見たいとの事で、鎌倉か日光を連想したが、日光は終わっており、鎌倉はすでに訪問されている。迷った末に郷里をご案内することとした。
朝早くに東京駅で待ち合わせ、京葉線を特急で木更津まで。そこから単線の久留里線に乗り換えて久留里へやってきたのである。
駅前でタクシーに乗り、久留里城へご案内。あたりはすばらしい紅葉で、久留里を選んだのは正解であった。タクシーを帰してしまったため、帰路には古来からの登城道をご案内した。
次に菩提寺へご案内。ご住職は不在だったので、墓石のみ紹介申し上げると、有難いことに手を合わせてくださる。宗旨の違いがあるとはいえ、尊重してくださる気持ちは有難いものである。
その後、様々な墓石をご覧になった閣下は元号について興味をもたれた。
閣下は10年近く前に日本に滞在した経験があり、漢数字を読むことができる。また昭和や平成といった最近の元号についても理解されている。だが江戸時代の墓石に刻まれた元号は、外国人には到底理解できない。しかもこの時代、天皇1代につき1つの年号という一世一元ではなく、「明和」の元号を見て「明和天皇の時代」にはならない。
私もあわてて手帳を開き、元号と西暦をリンクさせようとするも、手帳にあるのは明治半ばまで。それは年齢対照表であり、100歳を超えた人を調べる資料ではないのだ。
とっさの記憶から、18世紀半ば・・・ルイ15世の時代と答えるのが精一杯だった。
これに比べると西暦とは大変便利なもの。日本の元号をカルタの様に並べられて、順番にしてみろといわれたら、もうほとんどの人がわからないだろう。
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