アドリブ・スピーチ | blog.正雅堂

アドリブ・スピーチ

昨朝名古屋から帰り、昨夕は茶会。

そして今日は、旧友の結婚式。


中学時代の同期がまた一人、伴侶を得て独身組から去っていった。

悪友3人と共に招かれ、その中で私はスピーチを任せていただいた。


司会や講演を何度か経験していると、招待客の立場でも自然と司会目線で観察するようになる。

これが結構楽しい。


結婚式のスピーチは、担うパートによって、話し方もさまざま。

主賓のスピーチは冒頭の厳粛な雰囲気で行われる。乾杯のスピーチも同じ。これらは何を話しても聴いてもらえるし、多少難しくとも聴く振りはしてくれる。


 だが、

友人のスピーチともなると、宴も中盤であり、インパクトがなければ聴いてもらえない。第一、縁のない人からすれば、新郎の友人の話なんて、興味がないものである。


『せっかくだから、面白いことを言おう・・・』


これが人前で話そうとするときの私の心構えである。

勿論、忌み言葉や失礼があってはならない。


しかし、今回はあまり良いアイデアが浮かばず。

全国行脚の出張に追われた日々を過ごし、原稿が固まらないまま今日の日を迎えてしまった。

実はこんなのは初めてだった。


『土壇場で思ったことを話そう。どうにかなるだろう。』


しかし、目は色々な場所に情報を集めようとしている。

決して諦めていないのである。


ホテルへ向かうタクシーで、ドラえもんのチラシが置かれていた。

『ドラえもん・・・・そうだ、奴は出来杉に似たやつだったなあ。』


ということで、新郎を出来杉に仕立て、同席の悪友を2人のジャイアンと静香ちゃんに振り分け、自らをスネオと仕立ててみる。


そしてスピーチ。既に顔は酒で赤くなっている。

例によってカンペもない。


まずご両家と目の前の主賓にご挨拶。つぎに頭がよく、スポーツができ、顔が一ランク良いとして新郎を持ち上げ、これを出来杉に例える。

次に同期の席を指差してそれぞれの役を並べ、最後に我をスネオと言い放った。


その瞬間。

ジャイアンの1人が吠えた。


「おめーは、のび太だろ!」


すかさず私が


「いいですか皆さん、あいつがジャイアンです。」と応酬。


爆笑とまでは行かなかったが、多くの人に振り向いてもらえた。

ここで、事前に戴いた恩師のメッセージを読み上げる。

せっかく戴いた恩師のメッセージを、雑談の渦に埋めては申し訳ない。

狙いは成功した。


皆を振り向かせたジャイアンに感謝である。


しかし、宴後の反省会で。

「おめー、顔が1ランク良いはねーだろ。奴は同窓会の人気ランキングでは1位だったんだぜ」

と、もう一人のジャイアンに叱られる。


嗚呼、その情報が一番欲しかった。



引き出物の中に、りんごが2つ。

新郎のご親戚が経営されるりんご農園の作物とのこと。

赤いりんごに、寿のシールを貼り、赤く熟したところで剥がしたという。

1日2日で出来る芸当ではない。親のみならず、親戚中に愛されていたことが伺える。果たして我が家はどうであろうか。


親族挙げての華燭の宴に、心からお祝いを申し上げたい。