心を空っぽにしてマウを受け取れ。

「猿」は亀、竜宮の守り番だ。
伯龍氏はいう。

マウヌス番の竜宮へ出向くと、猿岩の崖肌を「ウミヘビ」が登る姿を見せる。
上へ上へと動く。「海蛇イラブー」だ。

「自分を信じなさい」
マウヌスは、伯龍氏の言葉を思い出す。

狩俣漁港から、15分。大神島に入る。
沖縄一の神島として、よそ者を受け付けない島だ。
宮古島の神祭は、1年の最初に大神島の神祭から始まり、対岸の狩俣、島尻集落で受けて宮古島へ次々と広がっていく。

神の元の元、それが神秘の島大神島だ。

「正面から行く」伯龍氏の後にマウヌスらは続く。
舗装された道から外れた道へと進路をとる。
登り口。ここは、かつて神岩があったところである。
島の一周道路工事の時に崩され今は跡形も無い。

集落中央の井戸から水をくみ、まわりにうつ。その様子を見ていた島の人々は追い払うことなく、静かに見つめていた。

来るべきときがきたのだ。
大神島の神開き。

頂上へと向かう伯龍氏。
従える神子らはマウヌスを入れ9名。
大神島の中心の神岩は、矢倉のように立っている。
光る海原、風が吹く。そこには蛍がいた。
眩い太陽の光。白龍が動き出す。

上賀茂神社では、円すい形の白い砂山だが、大神島では、ピラミッド形の塩山がつくられた。そこに太陽の光があたり、星のように七つの光る粒が見える。

「北斗七星」
マウヌスは、ミルクユガフを開く神業を行っていた比嘉ハツさんの言葉を思い出したという。
「北斗七星の理を解け」
この大神島の封印を解けということだとマウヌス。
ここが元、ここに「経済」の神が封印させられている。

厳かに儀式は始まった。

「経済」の本質、本物を知りなさい。