はい、目前に迫りました。参加される方は、都営大江戸線若松河田駅の改札にこの時間に集合です。直接会場に行かれる方は、55分に現地でお会いしましょう。

 

 事前申込みのないかたの参加はNGです。私宛にメールその他でお知らせください。

 

 さて、もう4年近くも続けているのが「歴史総合研究会」。昨日が12回目の研究会でした。

 

 2022年に高校で「歴史総合」という科目が新設されるのです。世界史と日本史をいっしょに教えようという大胆な(というより正当な)試みです。それに合わせて、教科書や副読本というのではなく、一般向けの教養書をつくろうというのが、この研究会の目的。

 

 世界史、東洋史、日本史の専門の研究者6名が、これまで11会の議論を重ねてきたのですね。一人が一冊を書きます。単純化していうと、各巻のテーマは「文明」とか「国家」とか「戦争」とか「国民」とかで、それぞれの専門分野を中心にはするが、まさに「歴史総合」の視点で書いてもらうのです。

 

 考えるところがあり、昨日の会議で、一つの提案をしました。7巻目も出したい、テーマは「植民地」はどうだろうかと。6人がそれぞれの専門分野から「植民地」を論じるアンソロジーのようなものはどうかと。

 

 アメリカの黒人殺害をきっかけにして、改めて植民地問題が大きな問題として浮上しています。支配したヨーロッパで世論を突き動かしています。なかなか日本には波及してこないけれど。

 

 そういう時代に「歴史総合」の講座を出すのだから、「植民地」をまとまって取り上げるのは不可欠だと思ったのです。もちろん、それぞれの巻でも出てくるんですが、まとまって出すことで、インパクトもあります。

 

 それに、よく考えたら、6人は対象とする国や地域が違うのですが、どの方の研究にも植民地は組み込まれています。中国現代史の方はいまの香港問題、ベトナム史の方は言わずもがな、イギリス近代史も同じ、日本近現代史も。現在の植民地問題は14~15世紀が直接の起源ですが、ビザンツ史だって帝国の片方には植民地があったわけです。

 

 つまり、それぞれの専門分野から植民地問題に迫れるのです。というか、植民地問題って、それだけ奥が深いというか、人類の歴史をたどろうとすると、欠かせない研究テーマということです。

 

 さあ、その提案を、次の12月の会議で検討してもらうんです。どうなるでしょうね。

 

 ということで、とりあえず、27日の徴用工展示室見学を通じて、日本の植民地問題を考えてみましょうね。お待ちしております。