今回の晩餐に招待されたのは関西在住者だけだったのですが(11名中6名が関西というのは珍しいですね)、もし関東まで広げるなら、是非、総領事に紹介したかった方がいます。実際、晩餐でも私がお名前を出したのですが、渡邊隆さんです。陸上自衛隊の元陸将で、日本がはじめて参加したカンボジアPKOの初代大隊長さんです。

 

 なぜかと言えば、総領事の力をお借りして、日本と韓国の防衛交流ができないかと考えているからです。現役ではなくOBということになりますが。

 

 この間、レーダー照射やGSOMIAなどの問題を通して、日韓の防衛交流が途絶えています。アメリカを見ると分かりますが、軍人には政治的中立性が求められていて、トランプさんが白人至上主義みたいな場面に軍高官を同行した際、その高官に対する批判が高まりました。アメリカは、よく政権交代が行われるからでもありますが、どちらの政権寄りにもならないという姿勢がそれなりに貫かれます。

 

 ところが、韓国の場合、軍が政治の影響を受けやすい。日韓の政治が緊張をはらんでくると、軍も無縁ではいられなくて、自衛隊との交流にも影が差すわけです(日本の自衛隊も政治的中立性が求められており、それなりに機能していると思いますが、大きな政権交代があったときに試されると思われます)。

 

 せっかく日本の側に「自衛隊を活かす会」があるので、韓国の元軍人、元防衛官僚をお招きし、渡邊隆さんや柳澤協二さんとの議論の場をつくりたいというのが、現在の私の切なる希望です。それをこれから、せっかく知り合った韓国総領事とご相談し、進めていきたいのです。

 

 もちろん、一般的な防衛交流というものではなく、北東アジアの冷戦構造をどう終わらせるのかをテーマに、軍人や防衛関係者でなければできないようなイベントにしたい。渡邊さん、この『街場の日韓論』で、こんなことを書いています。

 

 「最小限の犠牲で最大限の勝利を得る方法をすべての軍隊が追求しているのです。そのために必要ならば、敵国であろうとどんな国家であろうと、その国との関係を維持しGive & Takeすることを躊躇うものではありません」「感情的な対立を論理的に解決するためには、対話が必要です。そのための努力を閉ざしてはならないと思います」

 

 実現すれば、きっといいイベントになると思います。まあ、コロナ問題があるので、韓国との行き来ができるようになるのが前提なんですけどね。乞うご期待です。