なのである。発売後2か月しかたっていないのに、異例の早さだ。本当にありがとうございます。

 

 早いというだけでない。売れ行きの質も違う。

 

 アマゾンでずっと上位にいるわけだから、普通の人も買っているわけだが、それだけではないのだ。自民党の会合などで集まってくる人に売れているし、野党でも読んでいる人が多いし、財界人の会合があるからということで、何百冊単位で注文がある。

 

 そういう点で、改憲論議に与える影響力があるのだと感じる。古賀さんが名誉会長を務める宏池会の岸田さんが、安倍さんの後継狙いで改憲の道を突っ走ろうとしているので、古賀さんとの「確執」というメディアが好きそうなネタにもなっている。

 

 安倍さんが首相として戦後最長の在任期間を迎えたということで、話題になっている。まずは「おめでとうございます」と言っておきたい。

 

 桜を見る会の問題をめぐって、左翼陣営からは、安倍内閣の瓦解を待望する声が強い。しかし、私は少し、違う見解を持っている。

 

 このまま安倍内閣が倒れるようなことになったら、われわれは、国民が投票権を持つ選挙で一度も安倍さんに勝てなかったという「実績」が残ることになる。それって、今後のためにいいことなのだろうか。

 

 安倍さんの後継としてふたたび安倍さん的な人が現れたとして、われわれはどうやったら勝てるのかのノウハウを持っていないということだ。安倍さんを批判する声は強く、激しいけれど、その声が届いているのは仲間内だけであって、安倍さんの支持層に届くだけの声を、われわれは発明していないのである。

 

 私が改憲の国民投票を渇望するのは、それ故である。その真剣勝負で勝てないようでは、安倍政権的なものはこれからも延命し、日本はいずれ地獄に落ちる。たとえ憲法に手を付けない後継政権であっても、それが安倍政権的なものなら、結果はあまり変わらない。

 

 「日本の運命を自分の投票で決めた」。そういう体験が日本人には必要だと感じる。その時のために、勝てる論理と勝てる材料を磨き上げる。これからもがんばっていきたい。