さて、じゃあどうやって解決するのか。なかなか難しいと感じる。

 

 この問題の解決方法で何が難しいかというと、中国の民間企業がいくら国家と癒着し、国家の思うままに動かされるといっても、それを規制する法的な枠組みがないことだ。ゼロじゃないだろうけど。

 

 だって、戦後の国際的な経済体制って、大企業が多国籍化し、世界中で自由に活動することを放置してきた。というより奨励してきた。

 

 中国のHUAWEIだって、その国際的な枠組みを利用し、世界中に進出してきたわけである。それが基幹的な通信ネットワークで覇権を及ぼすことが現実味を帯びているから、アメリカは焦っているという構図だ。

 

 規制する国際法がないから、「盗みを働いている」とか、「非常時にネットワークを使って何をするかわからない」とか、具体的な証拠を出さないまま不安をあおり立てているのです。そして力で押さえつけようとしているのである。独裁国家がそれだけの影響力をもつことに対して漠然とした不安を多くの国も感じていて、同調する国も少なくない。

 

 ただ、そういうことならば、中国に限らず、多国籍企業が勝手に通信インフラを自分本位に利用できないよう、国際的な制度と法律をつくればいいのではないか。ネットを通じて個人や企業、国家の秘密を勝手に入手すれば、二度と立ち上がれないほどの罰則を科すのである。

 

 だって、いま、GAFAのことが問題になっている。あれだって、仕事を通じて個人のばく大な情報を入手して、それを企業利益のために役立てているわけである。それが人権を侵害する規模にまでなっているとされているわけだ。EUでもアメリカでも、それをどうやって規制するかが焦点になっている。

 

 それだったら、中国のように国家的なバックアップがあるのであれ、GAFAのように同じような問題はないのであれ、等しく規制する仕組みをつくるべきである。経済に食わしくない私には具体的な手段は思い浮かばない。

 

 しかし、多国籍企業の税金逃れなどが問題になっていて、いろいろ提案はされている。それをも逃れようと言うことで、いたちごっこの面はある。だけど、すでに努力はされているわけだから、手段がないということではなかろう。

 

 それどころか、GAFA規制が問題になっているいまこそ、中国の企業をも規制するチャンスと捉えるべきだ。そうでないと、特定の政治体制の国を差別するみたいになって、国家主権という原則からしても問題になってきそうな気がする。平等にやればいいのである。