年金アドバイザーのhirokiです!
久々にいい夢見て目がさめると、ゆ…夢だったのかぁー!!!って残念な気持ちになりました(;´∀`)なんかモヤモヤするね…
さて、今日もまた遺族年金(笑)
やはり冬は遺族年金の案件がとても増える時期だからどうしても…^^;
前回の記事のように遺族厚生年金を貰う場合は、遺族厚生年金額を大きくアップさせる中高齢寡婦加算(年額584,500円)というものがあります。
この中高齢寡婦加算が貰えるのは、夫死亡時に妻が40歳以上、または、妻が40歳未満だけど18歳年度末の子が居るため遺族基礎年金が支給されていて、子が18歳年度末を迎えて遺族基礎年金が無くなった時に妻が40歳以上になっていれば中高齢寡婦加算が支給され始めます。
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※注意
子が障害等級1,2級以上に該当する場合は20歳到達まで遺族基礎年金が支給される。
20歳到達時点で妻が40歳以上なら中高齢寡婦加算の対象。
障害等級は障害手帳の等級ではなく障害年金の等級で考える(20歳まで遺族基礎年金を延長してもらうには18歳年度末になるまでに障害年金専用の診断書を出す必要がある)。
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ただし、中高齢寡婦加算は遺族厚生年金貰えて、上記の40歳以上とかを満たせば誰でも貰えるわけじゃありません。
まず、死亡した夫が、
①厚生年金加入中の死亡であること。
②障害厚生年金1,2級の受給権者の死亡(3級でも3級の傷病が原因での死亡ならOK)。
③厚生年金加入中に初診日があり、その初診日から5年以内の死亡であること(初診日の傷病と関係ある死亡でなければならない)。
④年金保険料納付済期間+年金保険料免除期間+カラ期間≧25年以上ある老齢厚生年金の受給権者である事(かつ、厚生年金期間や共済組合期間が20年以上ある。または厚年と共済合わせて20年以上ある)。
※注意
25年以上無くても、こちらを満たしてればそれも可(被用者年金短縮特例と中高齢特例)。
↓
・被用者年金短縮特例と中高齢特例参考記事
のどれかを満たしていなければいけません。
なお、①と③の場合は死亡者自身が死亡までの保険料納付期間が一定以上でないと遺族年金貰えません(保険料納付要件を満たす)。
・どうして年金保険料の未納は避けろってうるさく言われるのか(参考記事)
さて、この中高齢寡婦加算584,500円は65歳まで加算される大きな加算ですが、妻が65歳になると消えます。
584,500円まるまる消滅。
だから、65歳になると異常に遺族厚生年金が減って大変だ!!と驚かれる事がよくあります。
だから、ちょくちょく怒られる(泣)
でも、65歳になれば妻自身の老齢基礎年金が支給され始めるからそれまでの繋ぎなのです^^;
また、昭和31年4月1日以前生まれの妻に限っては中高齢寡婦加算の代わりに65歳からは経過的寡婦加算というものが支給され始めます。
妻の生年月日により、経過的寡婦加算額は人それぞれ。
昭和31年4月2日以降生まれの妻には経過的寡婦加算という加算は無い。
・経過的寡婦加算(日本年金機構)
なぜ、昭和31年4月2日以降の妻には加算されないかを考えてみましょう。
中高齢寡婦加算の584,500円という金額は老齢基礎年金満額779,300円のちょうど4分の3の額にあたる。
ちょっと話が遡るんですが、例えばサラリーマンや公務員の専業主婦(主夫)って、昭和36年4月以降20歳以上で昭和61年3月までは国民年金に加入してもしなくても良かったんです。
加入して国民年金保険料払いたければ払っていいよーっていう、任意加入の時代でした。
その代わり、加入しなければ妻自身の年金は貰えなかった。
でもそんな妻も昭和61年4月から強制加入になりました。
強制加入ってことは、自分自身が国民年金に加入して将来自分自身の名義で65歳から老齢基礎年金を貰えるようになったわけです。
さて、昭和61年4月時点からこういうサラリーマンの妻も60歳まで国民年金に強制加入になったわけですが、
もしギリギリで経過的寡婦加算が貰えなくなっちゃう昭和31年4月2日生まれの人であれば、昭和61年4月1日で30歳になりますが、30歳から60歳まで国民年金を30年間納めたら老齢基礎年金が584,475円貰えるわけです。
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※注意
老齢基礎年金の4分の3が584,500円ではなく584,475円になってるのは、
平成27年10月1日の年金改正で端数処理が50円以上100円未満は100円に切り上げではなく1円未満四捨五入の1円単位に変わったから。
だから中高齢寡婦加算より25円下がってる。
中高齢寡婦加算は今も100円単位の支給をしている。
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なので、昭和31年4月2日以降生まれの人は60歳まで30年以上は真面目に納めようと思えば出来ますが、昭和31年4月1日以前生まれの人は60歳まで30年間完璧に保険料納める事ができず、
中高齢寡婦加算より金額が減ってしまうわけです。
だから、その中高齢寡婦加算より老齢基礎年金が下がるのを埋めるために経過的寡婦加算というのがあるわけです。
仮に今年65歳になった昭和27年4月2日生まれの人であれば、いきなり強制加入となった昭和61年4月から国民年金納めても60歳までは26年間(312ヶ月)しかありません。
昭和61年-昭和27年=34歳
61年の強制加入が始まった時点で34歳。
60歳までは残り26年(312ヶ月)しかない。
つまり、65歳から貰う老齢基礎年金は779,300円×312ヶ月÷480ヶ月=506,545円
だから、老齢基礎年金の4分の3にあたる中高齢寡婦加算584,500円より年金が下がるから、この人の経過的寡婦加算は584,500円-506,545円=77,955円が支給されて、中高齢寡婦加算と同額になるわけです。
つまり、65歳以降は老齢基礎年金506,545円+経過的寡婦加算77,955円=584,500円となる。
まあ、生年月日の属する年度ごとに経過的寡婦加算額決まってるし、昭和61年3月までに国民年金に任意加入したりしてる人でも経過的寡婦加算貰えたりするので、
年金総額は人それぞれ変わってはきます。
ちょっと事例を出します。
1.昭和27年12月11日生まれの女性(今は65歳)。
・何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)
昭和36年4月1日以降昭和61年3月31日以前の20歳以上でサラリーマンや公務員の配偶者だった人は国民年金保険料納める必要は無かった。
つまり国民年金に加入してもしなくても構わない任意加入。
この女性は20歳になる昭和47年12月からきちんと国民年金保険料を納めていた。
昭和57年にサラリーマンの夫と婚姻して専業主婦となり、国民年金保険料を納める義務は無かったが、任意加入して将来の年金を増やすために納め続けた。
昭和61年4月からは強制加入となり、サラリーマンや公務員の扶養に入ってる配偶者は第3号被保険者となって、国民年金保険料納めなくても納めたものとなった。
・国民年金保険料を支払わなくても支払ったものとして年金額に反映する第3号被保険者は優遇されてるのか?(参考記事)
妻は、国民年金に加入する20歳到達月から国民年金保険料納付義務が終わる60歳到達月の前月までの480ヶ月の期間の内、
450ヶ月の国民年金保険料納付済み期間有りとなった(仮に450ヶ月にしてます)。
老齢厚生年金も微額ですが年額5万円貰えるとします。
途中、夫が記事冒頭の①~④までのどれかに該当して亡くなり妻自身は65歳になるまで、遺族厚生年金90万円+中高齢寡婦加算584,500円=1,484,500円(月額123,708円)を受けていた。
65歳になったから妻は450ヶ月分の老齢基礎年金が貰える。
しかし、中高齢寡婦加算584,500円は消える。
年金額はどうなるのか…
まず、遺族厚生年金85万円(←妻自身に老齢厚生年金5万円あるからその分引かれて90万円から85万円になった)。
そして、老齢基礎年金779,300円÷480ヶ月×450ヶ月=730,594円
老齢厚生年金は年額5万円。
更に、この妻は昭和31年4月1日以前に生まれている人なので経過的寡婦加算が遺族厚生年金に加算。
平成29年度経過的寡婦加算額はこの妻の生年月日だと年額77,955円。
・経過的寡婦加算額(日本年金機構)
このリンクの表の一番右の欄
よって、65歳からの年金総額は(遺族厚生年金85万円+経過的寡婦加算77,955円)
+老齢厚生年金5万円+老齢基礎年金730,594円=1,708,549円(月額142,379円)
経過的寡婦加算というのは本来は、中高齢寡婦加算584,500円より老齢基礎年金が低くなる場合の差額を補うものですが、
中高齢寡婦加算よりも老齢基礎年金が高くなる人にも経過的寡婦加算は支給されるわけですね
というわけで、65歳以降は中高齢寡婦加算はなくなっちゃうけど、自分自身の老齢基礎年金が貰えるようになる歳でもあるから全体の年金総額で見たらそんなに変わらないか、逆に上がったりするわけですね。
とはいえ、逆に妻自身が国民年金保険料を未納や免除期間が多かったりすれば、年金総額は下がる事はもちろんあります(笑)
こういう場合がね…年金総額下がっちゃうから言いにくい^^;
クレームになるから(笑)
※追記
中高齢寡婦加算や経過的寡婦加算は、文字どおり寡婦(遺族年金で言えば、夫と死別した女性)にしか支給されません。
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