年金が支給されるまでの継続雇用と年金支給開始後の収入スケジュール例。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんにちは!
年金アドバイザーのhirokiです。



明日から7月ですね。

本格的に暑くなってきたから、夜のジョギングも大量の汗かくのでなんだかやりがいがありますヽ(•̀ω•́ )ゝキラン☆


でも、風呂入った後の汗が気持ち悪くて、風呂上がる時にしばらく腕や脚に冷水のシャワー浴びて退出しますあせる


風呂上がりの汗が面倒です(笑)




さて、これからは60歳になっても無年金の人が増えてきますが、やはり定年退職後も継続雇用されてる人がとても多いです。

そんな時、老齢年金が貰えるまでの収入と、老齢年金貰い始めてからの収入を考えてみましょう。


というわけで事例。



1.昭和32年7月1日生まれの男性(歳を取るのは誕生日の前日だから6月30日に60歳を迎える)
※何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)
※厚生年金支給開始年齢(日本年金機構)

この男性の生年月日だと63歳までは老齢厚生年金が支給されない人。



60歳以降も厚生年金に加入しながら継続雇用する事になるも、
60歳以降は60歳到達時以前6ヶ月間の給与の総額を180で割って30倍した額(60歳到達時賃金という)500,000円よりも下がり300,000円となる(60歳到達時賃金より75%を下回る)。
60歳以降賞与無し。


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なお、57歳の時に厚生年金加入中だった妻を亡くし、遺族厚生年金200,000円の受給資格有り




まず、この男性は6月30日に60歳を迎えて翌月7月分から遺族厚生年金200,000円(月額16,666円)の支払いが発生。




夫が遺族厚生年金を貰う場合は妻死亡時に55歳以上であり、なおかつ60歳にならないと原則として支給されない。




よって、老齢厚生年金が支給される63歳までは給与300,000円+遺族厚生年金16,666円=316,666円となる。





しかし、給与が60歳到達時賃金より75%を下回っているので雇用保険から高年齢雇用継続基本給付金(以下、給付金と略す)というのも支給されるとする(手続きは普通は会社がやってくれる。支払は2ヶ月分ずつ)。
金額は300,000円×一定の率(最大15%)
支給は60歳到達月(今月6月分から)から65歳到達月まで。

支給されてる間は雇用保険被保険者でないといけない。





とすると、300,000円÷500,000円=60%となるが、60歳到達時賃金には上限があり、平成29年7月までは445,800円が上限。




よって、300,000円÷445,800円=67.29%になる。




給付金支給割合(-183×67.29+13,725円)÷280×100÷67.29=7.49%(小数点3位を四捨五入)
※注意
この上記の計算式は公式みたいなやつなので気にしないでください(;´∀`)




つまり、300,000円×7.49%=22,470円



だから、月の収入は給与300,000円+給付金22,470円+遺族厚生年金16,666円=339,136円。

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なお、平成29年8月からは60歳到達時賃金上限445,800円というのが469,500円に変わる。
上限は毎年8月1日に変わる。
※給付金に関する限度額等(厚生労働省)



だから、8月からは300,000÷469,500円=63.9%となり、割合が更に下がり、給付金がアップする。




よって8月からの給付金支給割合(-183×63.9+13,725円)÷280×100÷63.9=11.35%

給付金は300,000円×11.35%=34,050円に増額。



つまり、8月以降は給与300,000円+給付金34,050円+遺族厚生年金16,666円=350,716円




で、63歳まではザックリこの収入として、63歳到達日の翌月である7月から老齢厚生年金1,200,000円(月額100,000円)が貰えるとする。

なお、63歳までの厚生年金期間は410ヶ月とする(適当…)。




この場合、給与と老齢厚生年金の総額により年金が停止になる場合がある(在職老齢年金という)
今まで給与と遺族厚生年金を貰っていたが、遺族厚生年金は停止になる年金じゃない。





また、65歳前に遺族厚生年金と老齢厚生年金の受給資格が発生する事になる為この場合は、両方の年金を貰う事は不可なので老齢厚生年金請求時(請求は63歳到達の6月30日以降に限る)にどちらの年金を貰うか選択する為、選択申出書というのを出す。



選択申出書を出すと普通は提出月の翌月から希望の年金になるんですが、この男性の場合6月30日以降にしか請求が出来ないですが、ある程度請求遅れたとしても老齢厚生年金請求時に選択申出書を出せば7月から変更になる。



まあ、この男性の場合は請求時にいろいろ事情が出てきますが、63歳の7月から老齢厚生年金1,200,000円(月額100,000円)受給として話を進めます。


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年金停止額{(老齢厚生年金100,000円+給与300,000円)-280,000円}÷2=60,000円←月年金停止額



また、高年齢雇用継続基本給付金を貰っているが為に更に年金が停止になる。




高年齢雇用継続基本給付金による年金停止額の割合(-183×63.9+13,725円)÷280×100÷63.9×(6÷15)=4.54%

300,000円×4.54%=13,620円←月年金停止額。

※注意

在職老齢年金や高年齢雇用継続基本給付金による停止額を算出する場合は給与そのものの300,000円ではなく、標準報酬月額を使う。
便宜上、給与300,000円という表現を用いています。
また、6÷15というのは支給した給付金の4割を年金からカットするという意味。





よって63歳の7月以降の総収入額は、給与300,000円+(老齢厚生年金100,000円-在職老齢年金60,000円-給付金による停止額13,620円=26,380円)+高年齢雇用継続基本給付金34,050円=360,430円


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で、65歳になり、退職を希望。

年金受給開始の63歳から65歳まで厚生年金加入したので、300,000円÷1000×5.481×24ヶ月=39,463円(老齢厚生年金の報酬比例部分)

また、60歳以降60ヶ月間の経過的加算(老齢厚生年金の部類)もプラスになるから、1,625円×60ヶ月=97,500円


だから、老齢厚生年金(報酬比例部分1,239,463円+経過的加算97,500円)=1,336,963円



老齢基礎年金は60歳までの期間374ヶ月(63歳時点で厚生年金期間が410ヶ月だから36ヶ月引いた)だから、779,300円÷480×374ヶ月=607,205円


よって65歳以降の年金総額老齢厚生年金1,336,963円+老齢基礎年金607,205円=1,944,168円

遺族厚生年金200,000円は夫自身の老齢厚生年金の方が高いから支給されない。

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※追記
この男性は63歳になるまでは遺族厚生年金月額16,666円が支払われ、仮に最短の63歳になる6月30日に老齢厚生年金の請求をしても老齢厚生年金支払いまで3ヶ月はかかる。
7月から老齢厚生年金を選択しても、しばらく遺族厚生年金が支払われ続けてしまう。

だから、63歳の8月15日年金支払い(6月、7月分)はまだ遺族厚生年金16,666円×2ヶ月分=33,332円のみになってるはずです。


で、10月15日支払いになった時には在職老齢年金による26,380円×(7月から9月分の3ヶ月分)=79,140円が支払われますが、7月分の遺族厚生年金16,666円が支払われている為、この79,140円から16,666円が引かれた額の老齢厚生年金62,474円が支払われる。

これを年金の内払い調整という。
内払い調整はよく発生するんですよ汗



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