年金額増えるが、マクロ経済スライド発動! | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

今年6月年金支給分から年金額が0.9%上がります。改定は遺族年金や障害年金などの年金も対象。
例えば、今老齢基礎年金満額は月64400円なんですが、月額65008円になります。

そして、ついに2007年に発動するはずだったマクロ経済スライドが今年初適用されます。今年4月から発動。
今回の上昇率は賃金上昇率(2.3%)または物価上昇率(2.7%)なんですが、どちらか低い方を年金に反映するんですけど、低い方の賃金上昇率から0.9%を引きます。
さらにまだ過払い状態となっている0.5%も引きます。

年金というのは賃金上昇率または物価上昇率に応じて年金額も上がる仕組みなんですが、年金額が今まで本来の価額より多く支給されてましたし、デフレで賃金も物価も上がらなかったこともありマクロ経済スライドは発動しませんでした。

年金下げやがって!という声をよく聞きますが、年金というのは物価が上下すれば年金も上下するんですが、過去に物価が下がった時に年金下げずに年金額を据え置いた時期があったんですね(まあ、年金下げたら貴重な有権者である高齢者から批判を受けて選挙に不利になる事を恐れたんでしょう)。
だから今まで、年金額は過払い状態となっていたんです。
年金額を下げてきていたのは本来の年金額に戻すためだったんです。

で、今年4月の残り0.5%の過払い分を解消すれば本来額になります。

本来額に戻ってさあ物価や賃金上昇率に応じて連動させようというところですが、ついにマクロ経済スライドの0.9%抑えるというのも発動するので、実質年金の価値は下がります。

これは、人口が減っている(被保険者の負担が増えてしまう)、平均寿命が延びている為(逆に年金支給が増えていく)に給付費を抑えるために作られたものです。
要は少子高齢化でも年金制度を維持するために導入されたものなんです。

しかし、年金が物価に追いつかないというのは年金受給者にとっては厳しくなっていくことになるでしょう。