思い出した時にアメリカ生活での面白話を書いていこうと思う。
あれは2005年ごろだったか。
日本出張のためポートコロンバス空港からシカゴ・オヘア経由で日本に向かうリージョナルジェットに乗った時のこと。
フライト前の機内で突然横に座っていた、20代後半から30代前半くらいの女性が声をかけてきた。
「私、飛行機がとても苦手なの。お願いだから飛び立って安定するまで手を握ってていい?」
びっくりしたが、泣きそうな顔で言ってきた彼女、冗談ではなさそう。
しかもよく見ると結構美人。
もちろん!と笑顔で(喜んで)OKした。
飛行機が離陸態勢に入ると「ジーザス!」などとつぶやきながら目を閉じて、MATTの手をぎゅっと握りしめてくる。
やがて安定飛行に入るとホッとした表情でMATTの方に向い礼を言ってきた。
その後はシカゴまでの1時間の間いろいろと世間話をした。
彼女の名前はアンジェラ。シカゴには友人たちと何かの研修に行くところだったという。MATTのことも色々聞かれて日本に出張に行くのだ、というと日本は行ったことがない、あれはどうなの?これはどうなの?と質問攻めにあった。
ふと彼女の向こうを見やると、友人らしき女性たちがニコニコとこちらを見ている。
口々に、また飛ぶときに知らない人の手を握って~、などとからかっているようだ。
どうもいつも飛行機に乗る時は、友達たちの間で笑いの種になっているよう。
最後はその友人の一人が、記念にとアンジェラとMATTの写真を撮ったりして、にぎやかに過ごした。
シカゴ・オヘア到着後、ターミナルでみんなと別れ、いつものターミナル5(JALの発着ターミナル)へと向かった。
後で会社のみんなとその話をしたら、結構離着陸が苦手な人はいるよ、とのこと。
長年、飛行機に乗っているといろんな場面に遭遇する。
他にも面白いことはいろいろあったが、この一件はその中でも心に残るエピソードだった。