海外駐在をすると、NHKの視聴頻度が高くなる。
なぜなら、海外ではNHKしか放送されていない場合がほとんどだからだ。
(国と地方によっては一部、日本の民放も見ることはできるが)
アメリカで5年暮らして戻ってきたとき、MATT一家は日本のバラエティが見られない時期があった。
煩くて喧しくて、頭が痛くなりそうで、とても見るに堪えなかったからだ。
それは長らくNHK視聴に慣れてしまっていたからだった。
すぐに元に戻ったが、、、、笑
その後韓国にも駐在して、やはりNHKの世話になった。
その時に知った番組で、「ドキュメント72時間」がある。
何気ない街の何気ない日常と、そこに暮らす名も無き人たちを72時間の定点観測でつづる、なんてことない番組。
しかし、これが本当に面白い。
大好きな番組の一つになってしまった。
NHKはドラマとドキュメントは、民放のそれに比べると非常にクオリティが高いと思う。見るべき何かがそこにある。
ドラマや映画が、我々の生きる「日常」を切り取ったエンタテイメントとするならば、その「日常」が面白くないわけがない。
そこに真っ向から取り組んだのが、このドキュメント72時間である。
年末に恒例のスペシャルをやっていて、視聴者からのリクエストに応えて人気のあった9話を一挙再放送していたのを録画したので、今日一日かけて観た。
(今日はこの冬一番の寒さだったから、外出禁止だよ。。。。。笑)
一つ一つの言葉は飾りが無いし、演出も何も足したり引いたりしていない。
だけど面白いのはカメラが自分と同じ目線で動いてるからなんだな。
そこにいるかのような気分になってくる。不思議な番組だ。
作り手の良心がじーーんと伝わってくる。
あっという間に見終わって名残惜しかったので、
主題歌歌っている松崎ナオの「川べりの家」をダウンロード購入してしまった、、、
食いしん坊のMATTにはもう一つ、「サラメシ」という番組もお気に入りだ。
働く人々の昼飯にスポットライトをあてて、淡々と人生模様を映し出す。
食べるとは生きること、と誰かが言っていた。
NHK朝ドラの「ごちそうさん」で杏演じる主人公が、息子の戦死の知らせを聞いて自殺しようとしたが、お腹が空いて結局死ねなかった、というエピソードがあった。
これは真理をついてるなあ、と印象に残っている。
人間、そんなに簡単には死ねない。
母親だから息子のために死ねるんだ、ってそりゃあドラマチックだけど、
実際はそんなにたやすく死ねるわけがない。
その前にお腹が空くのが人間なんだ。
そういえば昔母親が言っていた。
弱ってきた年寄を見ていて食べられなくなってきたなと思ったら、静かに逝ってしまったというのを聞いて、食べるという行為こそ生きることなんだ、と思った。
だからこの「サラメシ」も面白い理由は、きっと生きることに直結してるからだよ、と思うんだな。。。