餅にまつわるエトセトラ    歯科医師夫婦のつれづれ手帖 vol. 56 | まつうら歯科クリニックのブログ

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 患者さんと話していると、知らない知識を得ることがある。Sさんいわく、出身地の郡山付近には独特の餅文化があるとのこと。もち米とうるち米を混ぜて作った餅を寒風で凍らせたもので、おやつや保存食として利用したらしい。冬になると懐かしくて食べたくなるという。その話を聞いて、私も餅にまつわる記憶がよみがえってきた。

 

 正月やお祝い事があると、祖父母が餅を作ってふるまった。熱々の蒸したもち米がうすに投入されると、我々子供たちはワクワクとして周りを囲んだ。濡れ布巾にこびりついた蒸し米をほおばりながら、老夫婦の美しい連携プレーに見入ったものである。なぜ痩せた祖父が大きな杵を自由自在に操れるのか、なぜ祖母が間髪なく振り下ろされる杵に手を挟まれることなく餅をこねられるのか…。不思議で嬉しい光景だった。

 

 出来上がったばかりの餅は柔らかいのに腰があり、どんな味にもよく絡んだ。なかでも私の一番のお気に入りは、自家製クルミ味。裏庭の木からとれたクルミの実をすりつぶし、砂糖と醤油で祖母が味を調整したもの。若干クルミの粒々が残った食感が絶妙であった。当然鏡餅も自家製であり、鏡開きも心待ちにしていた。カチカチに硬くなった餅を一口大に割って素揚げにし、砂糖醤油に絡めていただく。表面はカリっと、内側はモチっとし、やはり食感と味の両方が楽しめた。

 

 今も時々実家から餅をもらうことがあり子供たちも楽しみにしているが、電動餅つき器製である。昔のような風情を味わうことはできないが、モチモチ感は市販のものに勝る。母に聞いたところ、一度完成した後でもう一度器械に入れて二度つきするとのこと。どうしたら美味しくなるかと工夫したらしい。腰は曲がったものの幸い元気だが、あと何年母がつく餅を食べることができるだろうか?  文: 松浦 政彦

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