サンパウロに住んでいた時代に、料理に凝っていた。現地で中華鍋を支える台=五徳まで揃える熱の入れようだった。
帰国してからも毎日料理をしていたが、今の仕事に就いてからは、忙しくてキッチンに立つことがなくなった。
ランチタイムは五分しかないので、頻繁にウーバーイーツのサラダやブリトーを頼んでいたが、いい加減飽きていた。
12時間休みなく患者さんたちと接した後、スーパーに買い出しに行き、しこしこと料理をする。
カゴに食材を放り込んでる最中に、パンパンになったアタマと神経が緩みだす。
カタチから入るタイプなので、次々とキッチン用品がスタジオに届く。スタッフが困惑している姿を尻目に、次はなにを作るか思案する。
思い付いたときにしかキッチンに立たない男にとって、好きな音楽を聴きながら料理をする時間は、良いクールダウンになると思う。
今夜は、親父の郷土料理である芋煮をつくった。
片付けと明日の準備をして、家で原稿を書かないと。