ミセス 友子 | 伊藤和磨オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 昨日、芦田邸へ弔問に伺った。
遺影とお骨の周りは、御交友のあった方々から贈られた白い花で埋め尽くされていた。

 Ms.友子とソファに腰掛けて、先生の最期と思い出話をした。
 先生の看護に身を捧げてこられた、ミセスの体調が気掛かりだったが、さすが気丈に振る舞われていた。

 先生は、最期の最期まで懸命に生きようと、頑張っていたという。
お孫さんたちが大きな声で励ますと、体動で反応を示していたそうだ。

 亡くなる前に「僕と一緒で幸せだった?苦労をかけたな。ずっと僕だけの友子でいてくれるかい?」と尋ねてきたという。

甘えん坊で淋しがりやの先生らしく、その様子が目に浮かぶ。

「芦田は一生懸命働いて、すべてをやり遂げた。私もやれるだけの事は、すべてやりきった」とミセスが言う。
 
 彼女は誰よりも聡明で、鉄の意志をもつ女性であり、有言実行の人。
夫に対する愛情と尊敬の深さを、言葉にすることはできない。

 芦田先生ほどの才能があったとしても、ミセスとご家族の献身的な支えがなければ、今日のJAはなかったかも知れない。
その事は、生前に先生の口から何度も聴かされていた。

「僕は友子みたいな素晴らしい女性と一緒になれて、本当に幸せ者なんだ」
それをミセスの前で、何度も何度も仰る。
ミセスは、それをただ微笑みながら聴いている。

 相手に面と向かって、謝意と愛する気持ちを言葉で伝える。出来そうで、出来ないこと。
思っていることや感じたことを、ストレートに伝えるピュアさが、芦田淳が愛された理由のひとつではないかと思う。

「こんなにも愛されて私は本当に幸せだった。冥利に尽きますよ。私の人生に悔いないわ」と、しみじみミセスは言った。

 一代で築き上げてきた成功もさる事ながら、二人で築いてきた絆の深さに、跪きたくなるような気持ちになった。
 これほどお互いを愛して尊敬し合った夫婦を、自分は他に知らない。
 
 あの世には、思い出だけしか持っていけないが、先生には持ち切れないほど、素晴らしい思い出があるはず。

芦田宅にて

 掲載した画像は、5年前に芦田邸でランチをご馳走になった後に撮影したときの一枚。
 なぜか、先生が一緒に写っていないのだが、ミセスの背後に立つ私の果たすべき役目を示唆しているよう。

 遺影の先生を見つめながら、彼の大事なミセスをケアしながら恩返しをする約束をした。