腹は語る | 伊藤和磨オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 腹の状態を診れば、その人がどのような暮らし方をしているか、大凡の見当がつく。
日常生活における上半身の動きは、腹筋群の働きによって方向性や角度が決定される。 腹はアクセルの役割を果たし、腰はブレーキの役割を果たしているのである。  
 
 腰痛は、腹のコンディションの悪さによって生じているといっても過言ではない。(もちろん、下肢のアライメントや筋長の影響もある)  
腰痛を繰り返す人の腹は、まだらに硬くなっているか、腹筋群の長さと緊張(テンション)がアンバランスになっている。まだらに硬くなっている場合、腹式呼吸を試みてもスムーズにお腹が膨らまないため、横隔膜の上下運動が制限されてしまい吸気量が減少する。

  姿勢において一例を挙げるとすれば、上半身に対して骨盤が左右どちらかにズレている場合、スライドしている側の腹直筋(6パックス)と腹斜筋(わき腹)が短縮•緊張しているケースが多く認められる。
こういう場合、硬くなっている部分にクリームかオイルを腹に塗り、4本の指の腹で愛護的にほぐすと、上半身と下半身のズレが改善されて、身体の中心が揃いやすくなる。(下肢の長さに1.3㎝以上の差がある場合は、別の処置も必要)

 意外と多い前傾姿勢、腹の上部(ヘソより上の部分)と胸筋をほぐすと上体が起こしやすくなり、腰部の筋肉を弛緩させることができるので、慢性的な腰の痛みが改善できる。

 腹筋が弱いから腰痛になる。だから、腹筋運動をするという考え方は化石のように古い。
 現代人は座りっぱなしの生活と、デスクに対して上体が捻れた状態で座っているために、腹筋群の長さと硬さがアンバランスになっている。
それなのに、えっさほいさと腹筋運動をしたらどうなるだろうか? 脳は使いやすい筋肉を優先的に使うため、さらにアンバランスが増大する。
 腹を割りたいと腹筋運動をしている方、その先に何が待っているかご一考あれ。  

 上体起こしの腹筋運動を進める医師に出くわしたら、もうその病院には行かない方が賢明だろう。 もしくは、どの部位の筋肉をどのような目的で、どのように鍛えるのでしょうか?と尋ねるといい。
 もし、腰痛運動の紙を渡されたら、私の体の為にプログラムされたものですか?と質問すること。  

腹は大事なことを語る。
 
 慢性的に腰の筋肉が緊張して痛む人は、治療師に腹部の状態をチェック(腹診)してもらうことをお勧めする。  

 腰痛だからといって、最初からうつ伏せにして腰を揉むような治療師では、根本的な改善は期待できないかも知れない。