🌻微笑み宣教師🌻 (8)

💓二人いつまでも夜空の星を見つめ涙している兄弟がいた。健太と奈美であった。
小学校六年生と三年生である。一体彼らに何があったのだろうか。
今まで両親に優しく見守られて貧しい中にも幸せな日々を過ごして来た二人だった。
日々の生活は決して裕福ではないけれど家族の中に溢れそうな愛があった
。両親共、体が弱かった。その為に恵まれた希望の職につけず収入が少なく大変な家計だった。でも貧しき中にも家族は幸せだった。
健太と奈美にとって家族団らんの食卓が唯一の楽しみだった。
父幸男は健太と奈美にしみじみと言うのだった。
「ごめんな成長盛りに十分なごちそうも食べさせられず心苦しいよ。いつもこれではいけない
とお父さんは思っているよ。」
「お父さん奈美は大丈夫だからいいよ。」と笑顔で答えるのだった。
健太も妹のその言葉を聞いて目を細めるのだった。時々、父が魚釣りにいって美味しい魚料理を母安子が作ってくれた時等は、健太も奈美も最高のごちそうでお腹一杯食べる事が出来た。
父、幸男も子供達の喜ぶ顔を見て親として心がなごむのだった。
父は尋ねた「健太、奈美大きくなったら何になりたいかな。」
健太はこのように答えた
「僕はお父さんお母さんに元気になって欲しいから、勉強してお医者さんになりたい。」
「奈美は看護師になりたい。」
二人共元気に答えた。
子供達の前向きな姿勢に両親の喜びはつのるのだった。
健太も奈美も親から見て可愛い理想の子供だった。
勉強もよくするし、おてつだいもよくしてくれる。親として何もしてあげる事は出来ていないけれど子供となるべく時間をつくり親子の会話が出来るように努力しています。正にこの家族の親と子は以心伝心です。
健太と奈美は子供として寂しく感じる事がある。
それは学校での昼食の時に回りは白ごはんに卵焼き等豪華なおかずで子供心に親に悪いと思いつつ
羨ましく思うのでした。
でも例えおかずが梅干しだけでも麦ごはんであってもお弁当を食べれるので幸せとけなげにも思うのでした。
弁当も持って来れない人だっていることを思えば自分は幸せなんだと言い聞かせるのでした。
今日は健太の誕生日だ。
父幸夫は健太に手紙を書た。「健太、お誕生日おめでとう。今晩お父さんは夜勤仕事の為、直接お祝いの言葉をかける事が出来ないので残念です
。お父さんの気持ちを手紙に書きました。いつも奈美を可愛いがっ
て又、お父さんお母さんの為に一生懸命心使いをしてくれる健太に感謝しています。
服もぼろぼろ靴も穴があいて本当に恥ずかしかったろうけれど愚痴ひとつ言わずによく我慢してくれたね。健太ごめんな。やっと服と靴が買えたよ。本当に苦労かけるね。」 父より。
「お父さんありがとう。僕のお父さんお母さんは世界一だ。」健太は心の中で叫ぶのだった。我慢していた辛い思いが一気に涙と共に溢れ出るのでした。
健太と奈美が学校から帰ると父と母が車で出かけようとしていた。
「お父さんお母さんどこに出かけるの。」と奈美が訊ねた。
「おばあちゃんがね。野菜畑に野菜を沢山つくったから取りにおいでと言われたのでお母さんと行って来るね。今日中に帰って来るから留守番しているんだよ。」と行って笑顔一杯で両親は車で出かけた。
その後を見送る中、健太と奈美は表現出来ない寂しい思いに包まれた。
夜遅くなっても両親は帰らい。連絡もない。
健太は言った「奈美、お父さんお母さんの帰りは遅くなりそうだから夕飯を作って待っていようか
。」「はい分かりましたお兄ちゃん。」と奈美は答えるのだった。
有り合わせの材料で夕飯の準備が出来ました。
しかし両親の帰りが遅い何かあったのではと二人はすごく不安になりました。
外はしぶきと雨で暗く出れない状態です。
不安な思いで両親の帰りを待っているとドンドンと戸を叩く音が聞こえて来ました。
あ、やっと帰って来たと一瞬思い安堵した。しかし様子が違う。家に飛び込むように入って来たのは、隣りの菊枝おばさんだった。「健ちゃん、奈美ちゃん大変な事になってしまった。」
二人は問い返した。「何が大変なの。お父さんお母さんに何かあったの」
悪い予感がして二人は泣きじゃくりながら問い詰めるように話しかけた。
「二人には残酷な知らせだけれどお父さんお母さんは交通事故で亡くなったよ。飲酒運転の車に正面衝突され帰らぬ人となってしまった。
飲酒運転は絶対にだめだといつも言われているのに本当に憎らしい。二人共、今晩うちにおいで。」今にも倒れそうな思いで歩いて、菊枝おばさんの家にお世話になった。
菊枝おばさんの優しさに二人は取り乱す事なく悲しみの一夜を通り過ごす事が出来た。
いつも見る素晴らしい朝日が今日は健太と奈美にとってなんの感動もない虚しい陽射しとなっている。無理もない事である。昨日の別れ際の両親の笑顔を思い出し、会いたい気持ちで一杯になり朝日を受けながら二人は人にはばかる事なく思いっ切り泣いているのだった。
祖母はなが、心配して二人の孫のところにやって来た。
相当、悲しみに暮れたのかいつもの祖母と違ってやつれていた。
「健太、奈美大変だったね。これからの生活二人ではままならぬだろうからおばあちゃんが一緒に
住むようにするね。
今後も慎ましい生活をしていく事になるね。」
二人はこれから先、大変な生活になるだろうと覚悟せざるを得なかった。
祖母も体が不自由で無理出来ないところがある。祖父を早く亡くし子育てに相当苦労して来てる。信心深く神社参りは欠かさない。
多くの人々から愛されている祖母である。
健太も奈美も両親を亡くした悲しみは深いけれど祖母の優しさに癒やされて以前の日々の生活に少しずつ戻っていくのだった。
家から少し離れた大木生い茂る境内で夏祭りが催されている。
正に今、夜店等たくさん出店し大人も子供も祭り囃子の中に喜び一杯の笑顔を輝かせている。
「おばあちゃんも一緒に夏祭りに行こう。」奈美は祖母を誘った。「歩くのもままならぬから
おばあちゃんはいいよ。
健太と一緒に行って楽しんでおいで、少しだけあげるから何か好きなもの買ったらいいよ。」「うわあ。おばあちゃんありがとう。」
ウキウキした気分で兄弟仲良く祭り囃子にひかれて行くのだった。
行きすがら、奈美が健太にぽつんと言うのだった。「お兄ちゃんお父さんお母さんが一緒にいないのは寂しいね。」
「そうだね。奈美の気持ちお兄ちゃんよく解る本当に寂しいけれどお父さんお母さんは僕達を天から見守っていると思うよ。」
「奈美見てごらん綺麗な花火が上がり出したよ。」「うわあ綺麗ね。もっともっと上がるのかな。
」「勿論だよ。これからじゃないかな。」
「こんな綺麗な花火を見ていると心が洗われそうだね。」
「あの大きな花火は最後を飾る花火だね。」健太が言い終わると、数秒してから耳をつんざくような音がドーンとして大輪の花火が、残像を夜空に残しながら名残惜しそうに消えていった。
健太と奈美は楽しい祭りに酔いしれ素晴らしい花火に感動し家路につくのだった。
しばらくして「お兄ちゃん。」奈美が悲しそうに話しかけて来た。
「どうしたの。」
「奈美、ものすごくお母さんに会いたくなってきた。お母さん私達の前に現れてくれないかな。」
「お兄ちゃんだってお母さんに会いたいよ。」
「お母さんは花火が上がった天の向こうから見守っているんだよ。」
健太は優しく奈美に語りかけた。「奈美、おばあちゃんが待っているから泣かないで帰ろう。」
しかし奈美はしくしく泣きながら歩いていた。
健太もこれ以上慰めの言葉をかける事が出来ない
。込み上げる思いを押さえながら歩いていると後ろのほうでドンと人と車のぶつかる音がした。
互いに振り向いて見ると中年の女性が車にはねられ道脇に倒れている。
非情にも車は走り去って行ってしまった。
女性は苦痛の中でうめき声をあげている。
奈美は走りより涙にむせびながら「お母さん大丈夫お母さん死なないで」と言って女性の肩を抱きしめていた。
母に対する強い思慕の念が目前の女性にリンクしたのだろうか。
「お兄ちゃん早く救急車呼んでお母さん助からないよ。」運のいい事にタクシーが走って来た。
「すみません。車に跳ねられてうつ伏せになっている方がいます。救急車を呼んで下さい。お願いします。」「よしわかったすぐに 連絡する。」
数分後、救急車が到着した。少し落ち着いたのか女性が話しかけて来た。
「私には子供はいないのよ。あなたが子供ならいいのにね。本当にありがとう命の恩人です。」
救急隊員にて車に乗せられた。隊員の一人が言った。「君達、ありがとう
連絡が早かったからあの方は助かると思う。
本当に良かった。」「絶対に私のお母さんを助けて下さい。宜しくお願いします。」
奈美の心は大きく揺れていた。
あの衝撃的な祭りの夜から一週間が過ぎたころ救急隊員の方より連絡があった。「この前は本当にありがとう。感謝します。この町の大病院大丸医院の院長先生が結果も
よく二人の兄弟に会いたいとおっしゃられているので出かけて下さい。お願いします。」と言われた。
「あ、あの、あのお方は病院の院長先生だったのですね。早速お伺いします。連絡ありがとうございました。」
祖母に話したら「本当かい。私達もお世話になっているとてもいい先生だよ。そそうのないようにね。」「はい解りました。お見舞いに行ってきます。」奈美は元気よく答えた。奈美の心の中に心の錯乱だったとは言え、院長先生にお母さんと呼んだ事を謝ろうと思っていた。
健太に話したら「奈美それがいいよ。」と開口一番言われた。
二人は両親と行った事もある大丸病院に出かけた。病室に案内されると
あの日の面影を忘れる程の満面の笑みで健太と奈美を院長先生が迎えてくれた。その場が暖かい雰囲気になり二人の緊張もなくなって行った。院長は言われた。「健太
君、奈美ちゃんこの前は助けていただいて本当にありがとう。九死に一生を得ることが出来ました
。もう少し遅かったなら危なかったのです。重ねて御礼申し上げます。
お二人はご両親を亡くされたと聞いています。
健太は答えた。「はいそのとうりです。いつまでも寂しい思いがつずいています。その事もあって
妹が、院長先生にお母さんと泣き叫んだ事をお許し下さい。」「本当にすみませんでした。」
二人して深々と頭を下げた。「解るよ。私も早く
母を亡くしたからね。この年になっても母親が恋しくなるときがあるね。
親がわりになってあげるから何でも相談に来なさい。」
二人は温かい言葉をかけられて感動するのだった
。その中で、私達を見守ってくれる人がいる前向きに頑張ろうと決心するのだった。
部屋を出ると多くの患者さんが通り過ぎていく。
明日に希望をもってその刹那を精一杯生きておられる。二人は一瞬思うのだった。この世界の中で
自分達は生きて行くのかもしれない。遠い先の事だろうけれど。
二人にとってこんなに優しく言葉をかけられたのは始めてでその喜びをかみしめながら家路についた。
家の前にいつも見かける微笑み宣教師が来られていた。おばあちゃんが対応していたらしく信仰の話し神様の話し家族の話しいろんなお話しをしていた。健太も奈美も「あっと。」驚いた。それはアメリカの二人の宣教師と笑顔を交えながら英語で流暢にお話ししているのだった。おばあちゃんは何故に英会話が出来るのだろう。
本当に祖母の事を尊敬するのだった。
「健太奈美このお方達は神様の使いです。宣教師の教えを守っていけば必ずや幸せになれるよ。」
「初めましてマリア姉妹とマロン姉妹です。宜しくお願い致します。」
その微笑みに二人は心が癒やされるのでした。
二人の人生に於いて大きなうねりを感じるのだった。
「おばあちゃんより交通事故でお父さんお母さんを亡くしたと聞きました
。本当に寂しい事と思います。おばあちゃんはあなた達を最高の孫だと誉めています。神様はこの御家族を心から愛しています。気を落とさずこれからも頑張ってください。」
「私達が神様の教えを守って生活する時に神様は祝福を与えて下さいます。来世でお父さんお母さんと必ずお会いすることができるので悲しみを乗り越えて頑張って下さい
。」微笑み宣教師と友達になり神様の教えをたくさん聞くことが出来ました。健太は将来伝道に出たいと強く思うようになりました。
早いもので健太も大学受験が押し迫って来ました
。大丸医院の院長先生の後押しもあって医学部受験を決意しました。彼にとって不可能と思われた
事が可能性を帯びて来ました。父と院長先生が交わした言葉がきっかけになっています。
健太は思いました。「人生ってわからない。しかし人々の助けと神様の助けが、私達の歩む道を照らしているのだと。」
父親と約束した夢を果たす為に健太は猛勉強をするのだった。
祖母に明日もあるんだから早く寝なさいと言われる位、日々頑張っていました。健太は野口英世を
尊敬していた。貧しい境遇にありながらも努力に努力を重ね医師になり多くの方々の命を救っています。自分も野口英世博士のようになりたいその一心で勉強に励んでいます。健太はみごと医大に合格し念願だった夢の一歩を歩み始めた。
祖母、妹の奈美も共に喜んでくれた。
特に我が事のように喜んでくれたのが大丸医院の院長先生だった。
「本当に良かったみごとです。人助けの為にお互い頑張りましょう。全面的に協力するね。」素晴らしい励ましの言葉をいただいて健太は大きな後ろ立てを得るのだった。
質素倹約な生活の中にあっても大きな夢があった。
医大二年目して休学届けを出しモルモンの教えを広める為にアメリカに伝道にでた。
微笑み宣教師が自分の人生を大きく夢のある人生へと変えてくださった事に感謝しその恩返しがしたくひとときの青春を神様と多くの人々に捧げたいと決心しました。神様の素晴らしい福音を述べ伝える時、その喜びと感動で自然と微笑みが出て来る事を伝道を通して知ることが出来ました
。末日聖徒イエスキリスト教会の宣教師として自分自身が神様の福音を携えて多くの人々に伝道できる事に心から感謝しています。
彼は多くの人々を悲しみの渕から救っています。
二年間の伝道が終わり大学に復学し単位を習得して無事に卒業する事が出来ました。
大丸院長先生の手助けがあった事は大きな支えになっています。
健太は久しぶりに看護師として働いている奈美を公園に誘った。
「お兄ちゃん久しぶり元気だった。」
「ああ元気だよ。奈美も頑張っているね。」
「お兄ちゃんも凄いじゃない。伝道にも出るし医大も卒業出来たし私にとって自慢のお兄ちゃんです。」「嬉しいね。奈美は、自慢の妹だよ。」
二人はそよ風そよぐベンチに腰を降ろした。
小鳥飛び交う木々を見つめながら健太は奈美に語りかけた。
「奈美お互いによくここまで頑張って来れたね。
お父さんお母さんが天国より見守ってくれていたんだよね。きっと。御霊に満たされて伝道している時、見守ってもらっていることを強く感じていたよ。」
「本当それは大きな祝福だったね。」
「不自由な生活の中で奈美も本当に苦労したね。
奈美に心から感謝しているよ。」
「お兄ちゃんありがとう。おばあちゃんを大事にして行きたいね。苦労かけているもんね。」
「助け会う事が、みんなの幸せに繋がるんだね。」
目の前にある小さな湖水の湖面を水鳥の家族が幸せそうにゆったりと泳いでいた。
「奈美私達も素晴らしい家族を作ろうね。」
「そうだね。お兄ちゃん。」歳月が過ぎ行き健太はりっぱな医師となり大丸病院で期待される若手医師として頑張っています。奈美も大丸医院で看護師リーダーとして頑張っています。
多くの患者に慕われ二人は父との約束を果たす事が出来ました。神様より祝福され兄弟愛の深い二人に私達は多くの事を教えられます
二人に神様の愛を伝えてくださった微笑み宣教師に心から感謝します。神様に愛され祝福された世界一仲のいい兄弟の活躍が大いに期待されます。「一人でも多くの方々をあなた方兄弟の手で救って下さいね。」💓