芸者・松山検番・松実会
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「…日本の伝統的な『旅館さん』が、今、強い!」

 

 

千代鷺です。

 

 

昨夜に引き続きまして、今夜は「懇親会」のお席に臨みました。事前に…

「いつものような『お席』にしてね…。」とのご希望をお伝えいただいた

瞬間に、まず、旅館さんのご担当の方にお電話!お客さまの「ご希望」を

「どのような方法で可能にするか…?」を相談をさしあげたのですが…、

旅館のご担当の方のお答えは、ひとつひとつが、明確、かつ、正確です!

少し早めに「現場」へ向かいまして、いつもお世話になっている仲居さん

…配膳をご担当なさる方とも打ち合わせをさせていただいたのですが…、

これまた、始まりから終わりまでの「流れ」をテキパキとお考え下さり、

まさに「感動!」…今の「コロナ・ショック」の余波の中でも、冷静に、

的確に…「お席」を組んで下さいました。もう!感動の嵐のようでした。

…そこで気付いたんですけれど、今こそ、「日本の伝統的な旅館さん」が

注目を集める時なのかもしれません。また一つ、大きな「気付き」を得た

…そんな、あなたの千代ちゃんです。

 

 

結論から申しますと、完全なまでの「三密回避の見える化」と「いつもの

『お席』に限りなく近い雰囲気」が、両立できたのです!今夜の「お席」

…は、結果的に「大成功」だった!この「成功」も、多くのスタッフの方

…そして「いつものような『お席』を…」とご下命くださったお客さま、

ふたつの「車輪」が…一部の隙も無く、きちんと回ったことが成功の要因

…だったとしか、申し上げようがありません。これを「言葉」にするのは

とっても難しいんですが…、もし今夜の「お席」が「テーブル席」ならば、

出来なかった!と思うんです。徹底した「和の様式」のお部屋に「お膳」

…だったからこそ、出来たように思うな…。「お膳」のしつらえって…、

常に気配り、目配りを欠かさなければ、お客さまの「動き」に合わせて、

その時その時の「状況」に応じ、少しずつ「距離」を変えることが出来る!

…んです。さらに、熟練の仲居さんは、どのお盃が、どのお客さまの…

「お膳」にあったものか、どのグラスが、どこの「お膳」に乗っていたか

…これもすべて、覚えて下さっていて、少しでも位置が動くと交換して…

下さるんです。その時に思い出したんですが、お席の始まりの時、私たち

芸者は、「ごあいさつ」をお客さまに申し上げます。その際、「お扇子」

…を、お客さまと私たち「芸者」の間に置きまして、それぞれの「場」の

間に、その時の条件に合わせた「距離」を作ります。和装ならではの儀礼

…なんですけれど、これが「お席」の間、ずっと保たれている!これこそ

「日本旅館」のすごさ!だと気付いたんです。今、世界に注目されても、

ぜったいに「不思議」じゃない!これこそが、日本の「ホスピタリティ」

…だと感じたんです。日本の伝統様式だけが持つ、すごさなんじゃない?

 

 

「和モダン」では、成しえない技術が、思う存分、発揮できる場がある!

日本の伝統的な様式は、今こそ!世界基準を示すものだと、私は思う!

 

 

まだ、「お席」のご予約をいただけなかった、完全「自粛」の期間に…、

私たち「芸者」の、今後の「在りよう」を考えていた時のことでした…。

ふと、「原点回帰」という言葉が、頭の片隅によぎったのですが、その時

には、まだ、漠然とした「形」の無い「思い」だったような気がします。

今夜「漠然とした思い」が、目の前で「現実」のものに変わったんです。

…う〜ん…、もどかしいなぁ!上手く「言葉」では表現できないんですが

「和の様式」って、堅苦しいように感じますけれど、ものすごく「自由」

…な空間になり得るんです。でも、自由な空間にするためには、常に…!

気配りと目配りが欠かせない!それさえあれば、「ディスタンス」という

カタカナ用語を使わなくても、時々の状況に合わせて、伸縮自在に距離を

設定することが出来る…んです。「お行儀」などと申しますと、堅苦しい!

とお思いになられるかもしれませんが、それは、お互いを「大切に思う」

ことが念頭にあっての「行為」なんだと、改めて知ることが出来ました。

これが、いともたやすく出来てしまうのが、「和室」なんですよね…!

伝統的な様式を守り続けて来られた「日本旅館さん」には、ぜったいに!

熟練した「仲居さん」がいらっしゃるはずです。一切、無駄のない動き、

そして、確かな「おもてなし」の技術…。お客さまに気付かれないような

気配り、そして、目配り…。そこに「芸者」という「添え物」があれば!

もはや、「三密回避の見える化」は…見えないうちに達成されるんです。

これこそ世界に誇ることが出来る「おもてなし」の基本だと思うんです!

 

 

今夜の私は、完全に「自由」な空間の中で、お客さまを大切に思うための

「お行儀」に専念しながら、「いつもの通りの『お席』」に没頭出来た!

これこそが、世界基準になり得る「日本の伝統様式」だと確信しました!

…おそらく、世界の、それぞれのお国に、それぞれの「おもてなし」が…

存在するんだと思うんです。それぞれのお国が、それぞれの「原点」に…

立つことが出来れば、夜明けは、近い!我が国には、日本ならではの…、

「おもてなし」の極意が残されている!これは、世界に誇るものかも!

日本という、この小さなお国で、はぐくまれてきた伝統と文化!これを…

もう一度、大切にしてみたいと思います。そんな思いで今日の曲を選んで

みます。「Enya」さんの曲です。「Only Time」…。厳しい時だからこそ、

もう一度、私たちの大先輩が築き上げてきたものに目を向けてみたい…。

そこには、私が忘れかけていた「美しさ」が、確実に存在するようです。

 

 

 

 

「…和やかな時間くらい、厳しい時間は、無い!」

 

 

千代鷺です。

 

 

昨日お話さし上げました、「記念のお席」を終えて…、いつものお部屋に

戻っております。時刻は、日付が変わる直前です。今日の「お席」は…

和やかな雰囲気が終始漂う、穏やかな「お席」でしたが、緊張の連続!

今年の「完全自粛期間」に予定されていたものが、3か月延期された結果、

今日の開催となった「お席」です。初日の今日は完全に「オフィシャル」

な進行で行われました。「オフィシャル=公式」な場であっても、終始…

和やかな雰囲気に包まれていたのは、私たち「松山芸者」の力量ではなく

お客さまと、旅館さんのスタッフの皆さまのおかげです…。「イベント」

に関する「ガイドライン」を遵守した上で、企業さまの「大きな節目」の

「公式の場」としての「お席」が、和やかな空気に包まれて進行したのは

…私たちの「力量」がゆえのことでは、ありません。明日は…懇親会が…

開催されます。私の目の前に、さらに高い壁が立ちはだかります。これを

完璧に執り行えるかどうかは、私たちの力量が問われます。緊張の連続!

…そんな、あなたの千代ちゃんです。

 

 

もうすぐ、日付が変わる時間です。初日の「お席」の現場に臨んだ瞬間に

「お席」の構成に、まず、息を飲みました。…これは、今までに一度も、

「経験」したことの無い空間だった…と申し上げるべきでした。すべてが

「安心+安全」を伝えるお席の配列。換気のための、細かいお心配り…!

すべてはお客さまへの「配慮」が整えられていました。お客さまのお目に

…この「お席」の配置が、どのように受け止められたのか?主賓の方を、

私たちがお迎えした瞬間、主賓の方のお顔にすべてが表れていたように…、

私は感じました。いつもの穏やかな笑顔、いつもと変わらぬ、ごあいさつ

…状況は変わっているにも関わらず、何一つ変わっていないかのような

…そんな、和やかな時間の始まりの瞬間に、私の手は震えていました…。

今までならば、「現場」に入り、お客さまをお迎えする時には、完全に、

「芸者・千代鷺」としての覚悟は固まり、手の震えなど、感じたことなど

もう、かなりの間…無かったのですが今夜は違っていました。このお席を

完全に成し遂げることが出来るか、どうか…?ここに、愛媛県の観光産業

…そして、我が「松山検番」の未来が、かかっている!でも…私の緊張が

若い「かりんちゃん」に伝わっては、いけない!いつもと変わらぬように

「ごさいさつ」をさし上げた時に、「かりんちゃん」を見やった時に…、

かりんちゃんも同じように、和やかな笑顔を絶やさず…、でも、両手を、

しっかりとお膝の上に重ね、その手が震えているのを見た時に…私たち…

松山検番の全員が、同じ気持ちを共有していることに、ある種の感動を…

覚えたんです。この状態ならば、乗り越えることが出来る!成し遂げる!

 

 

和やかな空気は今夜の「お席」の始まりから終わりまで、変わることなく

ずっと、続きました。お客さまの笑顔、拍手…。すべてが穏やかでした。

お席の終わりに役員の皆さまが、笑顔で会釈して下さったことに、安堵!

 

 

今、いつもの「お支度部屋」の中で、ひとり静かに考えています。芸者の

「お仕事」は、すべて、お客さまの笑顔とご満足の時間のために捧げる!

そういうものでなくては、ならない!あの「いでたち」であることも…、

白塗りのお顔になることも…、あるいは単なる「虚飾」でしかないのかも

…しれない。その本質は、すべての時間と空間を「お客さま」のために…

お客さまがご納得いただけるものにするためだけに、私たちは存在する。

幕末の激動の時代…、ひとりの志士を守るために、自分の命を懸けた芸者

「幾松さん」のお気持ちを、今、少しだけ、思うことが出来るような気が

…します。いえ…、それは僭越に過ぎますね。私ごときが「歴史」に名を

残せるとは、思えない。でも、幾多の「お姐さん方」の命懸けの生き様が

時代を超え、世代を繋ぎ、「令和」という時代にまで、「芸者」という…

存在を生き残らせてくれたことは、間違いありません。私の手帳の中には

「昭和31年」の、「松山検番」のお姐さん方の「名簿」が入っています。

私は、いつも、この手帳を持って「お席」に臨みます。松山検番、再興の

祖となった「お友姐さん」を代表とする、当時の松山検番の名簿には…、

先の代表であり、今も私たちの指導者である「豆千代姐さん」のお名前が

一番の末尾に記載されています。あの「豆千代姐さん」にも、駆け出しの

時代があったんだ…!いくつもの危機を乗り越え、幾度もの苦難を越えて

…そして、今、私は、歴代のお姐さん方の命を繋ぐものとして、生きる!

私には、今の困難を乗り越えて、次の時代へと向かう「義務」がある…!

 

 

夜が明ければ、次は「オフィシャル」でありながら、「パーソナル」な…

「お席」に臨みます。こんな貴重な経験をいただいたことに、私は…!

何よりも「感謝」しなければ、なりません。私を芸者として存在させて…

下さっている、皆さまに、心からの感謝を捧げます!そして、今の時代に

「松山検番」を残して下さった、すべての「お姐さん方」に、感謝を…!

今日の終わりに、どんな曲を選べば良いんだろう…?選べるんだろうか?

…「Lindsey Stirling」さんの曲です。「 Between Twilight」…。今夜、

私は、大きな「力」に導かれたように思います。そして、これからも…、

この「大きな力」が、私を支えてくれ続ける…。そう、確信しています。

 

 

「今日から、さらに『高い壁』に挑みます…。」

 

 

千代鷺です。

 

 

県をまたいでの「移動」が緩和されまして、今日から二日間、県外からの

お客さまの、大事な「お席」にお邪魔することになりました。これが…、

今回の「コロナ・ショック」が発生して以来、初めての「経験」になる…

んですけれど、二日間にわたって、「オフィシャル」な現場と、割と…、

「プライベート」な感覚に重きを置く、二種類の「お席」に挑みます。

おそらく…お客さまも、今回の問題をしっかりと見つめられた上で、我が

「愛媛県」の観光産業の現状…と申しますか、「おもてなし」の現実を…

見定められることも、今回の「お席」の目的としてお越しくださるのだと

私は思っています。同時に、我が「松山検番」に全てを委ねて下さった!

これが最も大きな「課題」でして、失敗の許されないトライに身震いする

…そんな、あなたの千代ちゃんです。

 

今回の、コロナショック発生後の「最大の難関」を目前にして、担当する

「人員」の配置を徹底的に考え抜きました。本来ならば、「松山芸者!」として

研修中の「朋千代」を連れての出座をするべき…だと思っていたのですが、

様々な角度から考え抜きまして、朋千代を連れての出座を諦めました…。

朋千代の代わりを勤めてくれるのは、何と!「子つばめ軍団」の中でも、

比較的多くの「お席」の経験を重ねて参りました「かりんちゃん」です。

先ほど私が、今回の「お席」が、ありとあらゆる意味において、また…、

様々な角度から考え抜いてみた上で、「最大の難関」だと申し上げたのは

「本業」として「芸者という生き方」を選ぼうとした「朋千代」ではなく…、

人生のスタート地点に立ちかけている「かりんちゃん」を選抜した!こと

…ここに全てが表れていると申し上げても過言ではないかもしれません。

正直に告白いたしますと、朋千代…、まだ「スタート地点」に立つこと

…が、出来ていないと判断したんです。私を「薄情な人間」だと思われる

…でしょうか?他流派ではありますが、「芸事」に関しては、確実に…!

朋千代のほうが、かりんちゃんを上回っていると思います。でも「芸者」

の本質とは、何だったのか?ここを考えた時に、悩み抜きました。きっと

朋千代にとっては、屈辱でしか無いと…思います。しかし、私の判断は、

変わることはありません。もう二度と、同じ「間違い」を繰り返さない!

かりんちゃんは、今、将来の進路とともに、自分の生きる道を模索して…

います。私は「芸者」である以上に、「人間」としての成長を遂げようと

している「かりんちゃん」を選んだ…んです。これこそが、今回の問題の

「解決への糸口」になるかもしれない…。それが、私の「決定」でした。

 

 

…かりんちゃんには、約束された「道」がある…。それでもなお、彼女は

自分の「道」を模索している…。ここが決定的に違っているんです。今、

「若さ」がゆえの悩みを抱えているのならば、その「思い」に賭けたい!

 

 

「芸者」であっても、どんな「道」であっても、人間が成長するときには

「痛み」を伴うものだと、私は思っています。この「痛み」に対して…、

誰のせいにするのでもなく、ひたすら自分の力を信じて耐え抜こうとする

姿勢は、言葉にせずとも伝わって来るものだと思っています。今回の決定

…が、ひょっとすると、将来、我が「松山検番」にとって、再び試練を…

もたらすものになる可能性だって否定はできません。それでも私は敢えて

「かりんちゃん」を選びました。純粋すぎるほど純粋な心は、時に自分を

傷つけることもあるのかも…。その傷は、知らず知らずのうちに、血を…

噴き上げるほどのものになっているかもしれません。私は…流れ出す血を

信じたんです。…人は、歳を重ねるごとに、傷を隠すことも…覚えます。

でも、自分には、どこに、どんな「傷」があるかが…分かっているはず…。

それを知っているからこそ、今、自分が何に悩んでいるかは、血の跡を

…辿ることで知るしか、無いのかもしれません。私はそこに賭けたのかも!

今日からの「お席」のお客さまは…、きっと、私の「決定」を分かって…

下さると信じています。幾度となく、私たちを信頼し、今回もすべてを…

委ねて下さった方です。旅客機を一機、借り切り、そして「松山検番」に

ご自分の「安心・安全」を委ねて下さった方を前にして、私が生ぬるい…

判断を下すことは、ぜったいに許されません!私は…この二日間、私の、

「松山芸者」としての生きざまのすべてを賭ける所存です。そのために…

冷徹なまでの判断を下した…。この二日間を過ごした後に流れるのは…、

後悔の涙か…、それとも、喜びの涙か…?今はまだ、何とも言えない…!

 

 

私は…「たかが、芸者」です。「芸者」などという、どうでも良いような

存在です。でも、この「芸者」という「道」を生き抜いて行く!その覚悟

…だけは、持ち続けているつもりです。この道を進んでも、どなた様から

褒められるというものでもありません…。でも、私が選んだ道を、私が…

いい加減な歩み方をしたら、私が惨めになるだけです。それは、しない!

…今日の曲を選んでみます。「Casting Crowns」さんの曲。静かな情熱を

感じながら聴き入っています。「Somewhere In Your Silent Night」…。

私の周りに、静かな時間が流れています。でも、その流れは怒涛の勢い!

この流れの中に、立ち続けるのは…「痛み」を伴います。それが、今の…

私だと…、そう、お思いいただければ、これに勝る幸せはありません。

 

 

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