本日BSフジ「プライムニュース」に出演します。
テーマは『国連安保理の限界と課題』
元外交官としてのキャリアをもとに、国連の抱える問題について深く掘り下げた議論をして参りたいと思います。是非ご覧ください!(事務局より)

放送スケジュール | BSフジ LIVE プライムニュース
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みなさま、こんにちは。

 

北朝鮮情勢が風雲急を告げている。日本上空を通過するICBM発射、それに続く核実験。核開発に成功(たぶん小型化も)。その威力は、広島の10倍。しかも水爆実験も成功させたようだ。つまり、既に、米国がレッドラインと示唆していたものを軽々超えてしまった。

少し前のfbにも書いたが、このICBMと核開発成功は余りにもマグニチュードが大きく、事態は全く別の段階に移った。どう対処するかにより、朝鮮半島とわが国を含む地域の今後は大きく変わり得る。日本にとって大きな試練の時だ。いろいろと考えすぎて、(忙しすぎたせいもあるが、)とてもいつものようにさらっと記事を上げられなかった。全部書ききれる自信がないが、自分の頭の整理のつもりで書く。

 

今、必要なのは、日本にとって「どのような朝鮮半島の状態が望ましいか」について考え、その目標に向かって、現在の危機に対しどのような対処をすることが適切か、可能か、を考えるという思考順序だ。北朝鮮のいちいちの行動に反応して対処する段階は過ぎている。

 

日本にとって、最も重要な戦略目標は、朝鮮半島南部を敵対的勢力に支配させないことであり、そのために、必要な措置は何かということである。私は、①米国を朝鮮半島に関与させ続けること、もっと具体的にいえば、在韓米軍を朝鮮半島に駐留させ続けること、と、②日本の抑止力を高めること、だと思う。そして、これらがきちんと両立するよう、高度な外交が必要ということである。

 

米国を中心として北朝鮮に対する石油制裁決議が成立したことは内容が後退したのは残念ではあるものの良かった。中ロとの調整を優先したことも理解できる。制裁によって北朝鮮が体制を脅かされるほどの危機感を覚えさせれば、北朝鮮の暴挙の抑制にはつながるだろうが、制裁だけで核兵器を放棄させるのは難しいかもしれない。しかし、まずは、国際社会の一致した圧力をかけて北朝鮮に現在の政策を翻意させるべく制裁が追及されるべきである。

 

1.歴史から見る日本にとって望ましい朝鮮半島情勢

 日本にとって、朝鮮半島に対する戦略目標は何か。地政学的に、朝鮮半島は、日本にとって朝鮮半島南部(日本に直接対面する地域)に敵対的勢力がいないことが死活的に重要な場所だ。地理的にあまりに近いためそこに敵対勢力がいれば日本の防衛が大変難しくなる。したがって、日本の国益を守る上で朝鮮半島について必要なことは、「敵対的でない勢力が朝鮮半島を安定的に運営している状況の維持」がボトムラインだ(友好的な朝鮮半島ならなお良いが)。

 

 これは、地政学的要請だ。事実、歴史上、朝鮮半島南部が敵対勢力に支配される状況を防ぐため(又は友好勢力を維持するため)に、日本は朝鮮半島に関与してきた。

 

 そして、663年の白村江の戦い以来、中国(又はロシア)が強大になったときいずれも日本1国での介入は結果的には失敗に終わっている(豊臣秀吉の朝鮮侵略は戦略目標(中国支配)が違うので除くが、これも失敗に終わった。)日清戦争(1895年)も日露戦争(1905年)も、突き詰めて言えば、朝鮮半島が中国又はロシアに支配されることを避けるためにした戦争だ。両戦争に勝利し、結局、日韓併合まで至って、しかし、結局、1945年には米国に敗北して日本の朝鮮半島支配も強制終了となった。この間1895年~1945年までの50年は朝鮮半島からの脅威は防ぐことができたではないか、という議論もありうるが、中国が大陸で勢力を確立した途端に継続困難となった。

何が言いたいかというと、中国(又はロシア)が強大な時に、日本一国で朝鮮半島をマネージすること、それを維持することはできないということだ。

 

朝鮮半島は、地図と歴史を見ればわかるように、中国とロシアという大国(帝国)、そして海を挟んで日本が常にその影響力が競い合う場所である。そして、第二次世界大戦後は、今後は米国と中国とか覇権を争って(当事者はもちろん北朝鮮と韓国が、それぞれの同盟国は中国と米国)、結局、朝鮮半島を38度線で南北で分割することで折り合いが付いた。この南北分割は、結果的には、日本にとっても中露含む周辺国にとって一定の安定的バランスを提供してきたのではないかと思う。それは何といっても、南の韓国に米国(日本にとっての同盟国)が在韓米軍を駐留させることができたからである。米国が圧倒的なスーパーパワーであったが故に、中国とロシアは、北朝鮮という緩衝国家(バッファー)を必要としつつも在韓米軍の駐留を認めてきた。そして、そのことにより、中ロという近接した大国が朝鮮半島を支配する状況を防ぐという意味でも、日本の防衛ラインが対馬でなく38度線に遠ざかるという意味でも日本にとって朝鮮半島に保たれてきたと思う。

 

翻って、米国にとって、朝鮮半島は、アジア太平洋における覇権維持という点では重要な影響は及ぼし得るが、自国防衛に不可欠ではない。防衛上不可欠な日本とは違う。したがって、在韓米軍が朝鮮半島に駐留し続けることも別に米国にとっては政策問題であって自国防衛にとっての必然ではない。(実際、ベトナムからもフィリピンからも米軍は引いてしまい結果として中国と直接対峙する困難に直面することとなった。)

もしも、何等かの理由で、例えば、軍事行動の結果余りにも過度な負担が生じるとか、韓国ムンジェイン政権が米国の言うことを全然聞かないとかで米軍が撤退する、朝鮮半島から米国が手を引くなどということになれば、それは日本にとっての悪夢だ。繰り返すが、日本一国で朝鮮半島をマネージすることはできない。

 

日本にとっての戦略目標は、米国を朝鮮半島に関与させ続けることだ。具体的には在韓米軍が駐留し続けることだ。それは、日本の防衛ラインを38度線にとどめることになり北朝鮮に対する抑止だけでなく、中国とロシアから日本を守ってくれる効果を実際上持っている。もしも、米国が朝鮮半島から撤退したら、朝鮮半島は中国かロシアの影響下におかれることになるだろう。

 

 なお、米軍駐留を維持したままで朝鮮半島を統一するのが最善という考えもあろうが、緩衝地帯である北朝鮮を残したい中露と折り合うのは困難だと思う。

 

2.北朝鮮の目標・意図

 さて、北朝鮮の目下の目標は何か。「核兵器国として国際社会に(米国に)認めさせた上で現在の休戦協定から平和条約を締結する。そして、ゆくゆく在韓米軍を朝鮮半島から排除する。」ということだろう(朝鮮半島の武力統一という目標を放棄したわけではない、かもしれないが。)。金正日の遺訓は、「核兵器国となり米国を朝鮮半島から追い払え」ということだったらしい。

 

なぜ、国際社会(米国)の警告を無視して強硬に無謀とも思える核・ミサイル実験を繰り返すのか。それは、そのような交渉をする前に、自国の体制を米国により武力で除去される心配をなくすことが必要、すなわち、米国を攻撃しうる能力(=核弾頭搭載可能なICBM)を持たないと、対話だ交渉などといってテーブルにつかされても、結局、騙されて体制崩壊させられると疑心暗鬼なのである(リビア・イラクの教訓)。さて、その意味では、北朝鮮の意識の中では、米朝協議を行う前提をほぼ手に入れた段階と認識しているのではないか。

 

北朝鮮は、危機が協議につながりしかも米国が北朝鮮を事実上の兵器国として認める方向に結局舵を切ることになるだろうとの見立てに賭けたのだろうし、中国、ロシアは、北朝鮮の核保有は認めたくないだろうが、北朝鮮の存在自体はバッファーとして必要としており、北朝鮮に対し一体どこまでの措置をとるのかについて、米中露が一致することは困難とみたのだろう。事実、ロシアなどは中国が北朝鮮に対するレバレッジを抑制せざるを得ない状況におかれた今を好機とみて北朝鮮との関係を深めている。米国内でも北朝鮮の核保有容認論、日韓の核保有論が出ていることは注目すべきである。

 

なお、今日9月9日は建国記念日。また、ミサイル発射をやる可能性は十分あると思われたが北朝鮮は何もしなかった(明日やる可能性もあるが)。石油制裁という最大限の制裁を巡る国際社会の圧力が協議される中で何かやったとしてたら、難色を示している中ロも制裁を賛成せざるを得なかいと思うので、金正恩は大胆でrecklessな面はあるもそれなりに理性的・合理的だと考えるべきだ。

 

3.米国は軍事行動により、北朝鮮の核能力を除去することはたぶん可能である。ただし、韓国、日本も韓国ほどではないが被害がありうる。最初に追及すべきことではない。もしも、北朝鮮が朝鮮半島の軍事統一などまで考えているのであれば、ヒットラーにズデーデン割譲を認めて結局チェコを全部失いヨーロッパ全体を焦土と化してしまったチェンバレンの融和政策に対する反省に習い、今、犠牲を伴っても断固危険を軍事的にでも除去すべしということになるかもしれないが、さすがに北朝鮮がそこまで余裕がある状況とは思えない。

 

4.今後どのような展開があるかわからないが、いずれにせよ、相当の期間、北朝鮮が核保有状態にあることを前提に、わが国の安全保障を考えなければならない。その場合、米国による拡大抑止、いわゆる核の傘の現状継続で十分だと言える状況が続くかどうか真剣に検討されるべきだ。もちろん、まず、日米同盟を深化させ、拡大抑止の強化が図られるべきだ。ただ、北朝鮮が新たな段階の核の脅威になったことを考えれば、日本防衛のために何が必要かあらゆることが検討されるべきだろう。

 

北朝鮮の危機は大変だが、不幸中の幸い、トランプ大統領ともプーチン大統領とも話ができる安倍総理、安倍政権で良かったと本当に思う。日本の国益・関心が置いてきぼりにされることが一番困るわけで、日米同盟が強固でよかった。ともかく、米国を朝鮮半島に関与させ続けるということを念頭に外交・安全保障を展開してもらいたいと切に願う。

 

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北朝鮮について

みなさま、おはようございます。

 

北朝鮮について、また、朝鮮半島についてずっと考えています。考えることが多すぎて中々fbアップできません。いくつかの前提といくつかの予想される結果を考えるとそんなに歯切れよくこうだと皆様に言えないからです。(この1週間ほど日帰りで大阪と東京を行き来していて肉体的に疲れてしまっているというのもあります。。)

 

今日の午前中は、インドの商工会議所の女性経営者たち40名をお迎えします。国会議員との意見交換会や国会見学をアレンジさせて頂いています。橋本聖子参議院会長や細田会長も意見交換会に参加して下さる予定です。午後は大阪に舞い戻って松村なおこ羽曳野市議の選挙応援に駆け付けます。松村先生は大阪の誇る女性議員でぜひトップ当選して頂きたいと思っています。

 

ともかく、朝鮮半島情勢は風雲急を告げています。北朝鮮の意図が体制の保証というだけなら大したことはないと私は思いますが(それでも核兵器をテロリストやならずもの国家に垂れ流すリスクの高い北朝鮮ではありますが)、本当にそれだけなのか。そして北朝鮮と米国の間の認識のずれはあるのかないのか?核兵器保有は、北朝鮮からすれば体制を消される心配なくなりようやく平和条約交渉に向かう前提条件ができた、ということなのかもしれない。米国からすれば、多分、軍事行動してでも危険の除去に舵を切らざるを得ないという認識に変わったかもしれない。

 

そして、北朝鮮が事実上の核兵器国と(米国他国際社会に)「認められた上で」交渉が終わる(事態収拾)とか平和条約を結ぶとかということになれば、韓国の核保有、日本の核保有についても議論となるでしょう。
 
米国は朝鮮半島にとどまり続けることになるのだろうか?在韓米軍が引いてしまえば、日本が大陸に向かうフロントになってしまうのではないか。

などなど。

私は、日本にとって、最も重要なことは、米国を朝鮮半島に関与させ続けることだと思っています。米国が朝鮮半島にコミットすること(在韓米軍を駐留させること)は地政学的に当然ではありません。これを維持させることこそが日本にとって最も重要なことであると思います。

白村江の戦い以来の歴史を見れば、朝鮮半島が中国やロシアの影響かに入って日本に対する安全保障上の脅威となることを防ぐべく、日本がさまざま介入したが、(中国が強大なときは)結果的に失敗してきたということがわかります。日本だけでは無理なのです。

 

 

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