日中韓首脳会議と朝鮮半島の行方

みなさま、こんにちは。

 

 いよいよ明日は日中韓首脳会議です。こんばんは、なんと恐れ多くも櫻井よしこ先生とご一緒に日中韓首脳会議や北朝鮮問題についてプライムニュースに出演させて頂きます。

 

私は、2011年にソウルに設立された日中韓協力事務局という国際機関の初代次長として日中韓協力や首脳会談に携わっていました。外務本省でも小泉政権時代に日中韓の担当をしていました。ですので、2年半ぶりに日中韓首脳会談が開催されること自体とても感慨深く感じています。さらに、今回は、歴史的転換の最中にある朝鮮半島情勢が中心テーマということで、これほど重要性のある日中韓首脳会議は初めてではないでしょうか。

 

日中韓というのは、どの2か国をとっても関係が難しい国同士です。しかし東アジアの中核であることは間違いありません。二国間会談では後ろ向きの話しか出ないこともあります。だからこそより未来志向の意見交換ができる日中韓3国の協力枠組みの重要性があるのです。もともと日中韓首脳会談を開始したのは小渕総理です。小渕総理の提唱で1999年のASEAN首脳会議のサイドの朝食会で3国首脳会議を行ったのを嚆矢とします。そして、2008年麻生総理の時にASEANサイドではなく独立した日中韓首脳会議を開催するようになったのです。日中関係、日韓関係の悪化で2012年から15年までは中断されていたこともあります。2月頭に「南北関係は「統一」(一国家という意味ではありません)に向かって大きく動く可能性がある」とツイッターしたら、その時は、何言ってるのという反応が多かったですが、自分の見立てはそう間違っていなかったと思います。歴史には役者がそろうときが時々あります。今もその一つではないかと思います。そういう視点の幅を持って事態を把握し、日本の国益を追求するという姿勢が大切だと思います。

 

朝鮮半島は本当の意味で「半島」になり(今は分断されているわけで本当の意味で「半島」ではない)、中長期的には在韓米軍の規模も縮小される可能性があり、北朝鮮は閉鎖経済ではなくなる可能性があります。私は、在韓米軍が撤退・縮小するのであれば、結局、日本の防衛ラインは対馬となるのですから、日本自身が対馬を防衛拠点として強化するだけでなく、純粋に安全保障上の観点からは、米軍の対馬駐留まで考えるべきだと思います。

 

こういうマグニチュードの変化がありうる中で、拉致問題についても千載一遇のチャンスが訪れていると思います。米朝首脳会談が成功したら、速やかに日朝首脳会談を行って拉致、核の諸懸案を解決するという外交を考えねばなりません。

 

なお、核については核放棄の方法論が最後に残ります。要するに段階的削減か短期全面放棄かということで、平和条約に至る道を考える時にも、これが実際上は一番の問題となってくると思います。私は北朝鮮は全面的な核放棄をする気はないと思いますし、実際問題、リビアやイランの例からも北朝鮮がそう簡単に受け入れるはずもありません。言葉だけでなく、具体的行動が行われることがまずは必要です。でも、どうでしょう。金正恩はまだ36歳やそこらです。あと30年から50年は北朝鮮を統治することを考えねばなりません。今のような瀬戸際外交をあと30年続けるのは結構難しいものです。休戦協定を平和条約に変えることは今実現したい、そして、自身の体制維持(そのための核)と発展可能な経済体制を作りたいと考えるのは自然だと思います。朝鮮半島国家は、歴史的に大国間の間でバランスを取る外交で生き延びてきました。誰にも頼らないという北朝鮮のチュチェ思想は、だから、新しい。そして、親中よりは日本にとっては都合が良い。北朝鮮がもしも親米国家となれば日本にとっては一番都合が良いでしょうが、それは、中国との関係で長続きしないでしょう。東欧がどうなったかということを考えれば禍福はあざなえる縄のごとし。今起きているのは、むしろ北が南に影響を与えている、結果、より南北朝鮮国家が自立的になっていくという大きな過程の端緒のような気もするのです。日本としては、どうするのか。米韓同盟の堅持はじめ米国の朝鮮半島に対する関与の継続をできるだけ長く維持させる努力をすること、そして、日中関係、日韓関係を改善し、諸懸案を解決して日朝国交正常化すること、これが地理的に移動できない日本としてやるべきことだと思います。