ゴーン被告の逃亡と日本の空港検査体制~松田学のテレビ放映とゴーン問題を斬る動画のご紹介 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

 正月から最も人気のあったテレビ番組といえば、カルロス・ゴーン主演のサスペンス劇場?だったかもしれません。私もテレビの取材で、探偵ポアロの如く、国外脱出の手口の推論?をする羽目となりました。

  1月4日にテレビ局から電話が入り、5日に六本木のテレビ朝日で収録。今回も「元成田税関支署長」の肩書で、今度は朝のワイドショー番組「羽鳥慎一のモーニングショー」。1月6日に放映されました。ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。

 

では、なぜ脱出できたのか?日本の国境でのチェック体制は?

当初は楽器を入れた木箱とされましたが、私のようにオーケストラをしている者は、コントラバスを運搬時に入れる大きな木箱を「棺桶」と称しています。ゴーン被告はよくぞ棺桶入りにならなかったものだ…それがどうも、音響機器を入れる四角い箱だったということになり、2つの箱を持ち込み、一方を開けて見せたとの情報も。「もう一方の箱までわざわざ開けて見る必要はないと現場が判断したとしてもおかしくない」と私はテレビでコメントいたしましたが…。

空港でのチェックにはCIQ(税関、出入国管理、検疫)があり、荷物については税関のほかに保安検査がありますが、こちらは航空会社の責任で行われ、多くは民間の専門会社に業務委託がなされています。

税関についていえば、ここ30年間で輸出入許可件数が3倍近くまで増えているのに対し、税関職員の増員は1割程度。そのもとで、迅速な通関と厳正な取締という相矛盾する要請にどう応えるか、現場の苦労は増す一方です。

そのなかで現物検査にも当然、優先順位がつきます。手荷物検査も入国のときには全員が税関職員と接しますが、出国のときに税関を意識する方はほとんどいないように、まず優先されるのは麻薬などの社会悪物品の流入から国内を守ること。輸出については、フッ化水素などの対韓国貿易管理措置でも知られるように、輸出許可を要する品目はチェックが必要ですが、すべての荷物を現物検査するとなれば、通関の現場は大混乱でしょう。輸出通関にどれだけ時間がかかるかわかりません。

税関も保安検査も荷物をX線検査機器に通すのが通例で、コンテナ貨物の場合は税関が大型X線装置を通しますが、ゴーン氏が入棺?していた箱は、関空の現場の検査機器には入らない大きさだった…?各空港を綿密に事前調査した敵もさるもの。保釈金と併せ脱出劇にかかった費用は約20億円?、組織的対応ができるエグゼクティブはやはり違う…。

そう感心していて良い問題ではありませんが、そもそもプライベートジェットは、総理大臣が「世界一ビジネスしやすい国」を掲げる日本で、エグゼクティブたちが迅速スムーズに行き来できるよう、近年、急速に増えてきたものです。全量検査が物理的に不可能ななかで、税関検査にも特定の信頼できる業者は基本的にパスさせるAEO(Authorized Economic Operator)制度があるように、信頼できる相手は簡素化し、その分、調べるべき対象に検査を重点化させることで、前記の相矛盾する要請に応えてきたのが国境の現場。

そのなかでエグゼクティブラウンジの検査台は、盲点だったかもしれません。

 

 レバノンで行われたゴーン被告の記者会見は、期待?に反して抽象的、感情的で内容空疎なものだったと思います。ただ、映画化も予定されているこのサスペンス物語は今後も展開が続くでしょう。そこには、私たち日本人として考えるべき論点がたくさん提起されているように思います。

 この点に関し、松田政策研究所チャンネルで、私の一人語りによる「ニュースを斬る!」を配信しました。

【ニュースを斬る!】カルロス・ゴーン国外逃亡を斬る!~日本の税関の問題点と日本の主権~こちらです↓