日本は知られざる危険に満ちた国?~国家の役割として総合防災庁の設立を~松田学の緊急論考~ | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。


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多くの人々が想定しなかった事態が日本でまた起こりました。

この度の西日本での豪雨災害につきまして、犠牲者の方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。

安倍総理は欧州・中東への訪問を中止し、「赤坂自民亭」の汚名を返上するためか、被災現場に自ら出かけるなど、この大災害に真剣に向き合う姿勢をアピールしています。しかし、現時点で総理大臣が行うべきことは、海外出張の取りやめでも、被災地の訪問でもないと思います。今回の外遊には、日本の外交上、総理自らが出かけて行くことに重要な意味がありましたし、被災地の現場はまだ、総理が来ても迷惑なだけの段階にありました。

大災害に際して総理大臣が自らできることは、実際には、報告を聞いて指示を出すこと。それなら政府専用機内でもできますし、今般、総理が本当にすべきことは、むしろ、テレビなどで国民に直接、語り掛け、メッセージを出すことでしょう。

あとは現場での対応がシステマティックに進められるだけの体制の構築を関係機関に徹底し、連絡調整の体制や指揮命令系統など、必要事項の確認さえできれば、日本の重大な国益のために外交に飛び立つほうが総理の立場として望ましかったかもしれません。

自民党の宴会騒ぎなど、これをあえて取り上げて騒ぎ立てること自体、何か日本社会は、大人の良識というものを失ってしまったのかと感じさせるものです。

そんな精神論より、もっと真剣に考えるべきこと、議論すべきことはたくさんあります。

今回の大災害災についていえば、当面、注意点として重要なのは、二次災害を如何に防ぐかです。被災地での衛生管理や環境整備に加え、周辺地域も含めた二重被災や被災地の拡大への対応も重要です。上流部での土砂ダムの決壊が原因とみられる洪水が広島で起こったように、河川上流部の調査を早急に実施し、定期的な観察を行う必要があります。

その上で役立つのがドローンですので、私は先頃就任した一般社団法人・ドローンシティ協会の理事長として、早速、ドローンボランティアの方々が地元で対応できるように依頼をいたしました。私たちからの要請を受けた関係自治体が、きちんとした危機管理能力を発揮できるかどうか…。

いつ起こるかわからない激甚災害といえば、地震だけではなく、実は、大水害は東京都民にとっても決して他人事ではありません。私の知人の防災専門家である仲西宏之氏(一般社団法人日本防災教育振興中央会代表理事)によれば、最近では気候変動の影響で海水温が変化し、東京湾の水温も何度か上昇しており、海水温の上昇は台風などを激しいものにしますが、例えば小笠原で「スーパー台風」が発生すれば、たった2日で東京に到達するそうです。

3日間に548ミリの降雨量となれば、荒川堤防は決壊します。これは平成12年の東海豪雨の雨量と同じだそうで、スーパー台風なら一気に降る雨量とされます。荒川堤防が決壊すれば、最大で2メートルの高さの洪水が、なんと1時間半から2時間の間に千代田区の東にまで押し寄せるそうです。これでは逃げられません。霞が関あたりまで地下鉄も地下街も水の下、復旧は相当困難で、首都機能は壊滅…。

水害の場合は地震と違って事前の予知が可能です。都心から20万人が移動するのにも3日を要するそうで、社員に会社に出勤するなと指令を出すことは事業者としての危機管理になります。しかし、有事においては、個々の民間人の決断を逡巡させる不明確な要素が極めて多く、条例など行政によるガイドラインの整備が強く求められています。

災害に対する脆弱性ということでいえば、残念なことに、世界で最も危険な都市ランキングでは東京と横浜が第一位。危険度で、第二位の米国西海岸を大きく引き離しています。東京や横浜に限らず、こうした「わが街」の状況や、地震や水害に見舞われたときに目前で何が起こり、どう行動すべきかをイメージできる住民がどれだけいるでしょうか。

災害では、発災の時にどう行動するかが生存の可否のほとんどを決めるそうです。しかし、日本は戦後、GHQのもとで防災教育をやめさせられたそうで、前記の仲西氏の提言もあって、ようやくこれが復活することになりましたが、では、学校で何を教えるのか。日本は先進国では最も自然災害のリスクが高い国であるにも関わらず、そもそも防災というものが十分な科学的な裏付けのあるシステムとして組み立てられていない、「命の値段が安い国」とも評される国のようです。

いざという時に、どこにどう逃げるか、かつて日本の各地域コミュニティでは先祖からの伝承が語り伝えられてきました。ここは土砂崩れで危ないから人は住んではいけない、という伝承も各地にあるそうですが、行政が詳細なデータを持っているにも関わらず、危険度の高い土地にも分譲住宅などが広がってきました。

一般に、どのような事態が起こるか予見不可能な状態は「不確実性」と呼ばれ、これは民間や市場メカニズムでは対応できず、政府だけがこれを軽減できると言われます。不確実性を極力、リスク管理の世界へと落とし込み、いったん有事が発生した際にはシステムとしてこれに向き合う。

日本人は現場での状況対応は得意なものの、システム的な発想や体系的な組み立てが苦手だとされます。この点で、防災は政府の対応に大きな穴が開いてきた分野ではないでしょうか。松田政策研究所は、危機管理、リスク管理の専門的な知見に基づいた省庁横断的な機能として「総合防災庁」の設立を提案してまいります。

国民の生命と財産を守るのが国家の最も基本的な機能と言われます。戦後は国家権力への過度なアレルギー、近年は「小さな政府」神話にとらわれてきた日本は、政府が本来果たすべき、政府しか果たせない役割を、果たせていない国なのではないか…。

 最近激しさを増す自然災害が起こるたびに、そんな思いが強まる一方です。

 

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