コロナの流行が5類になり、感染が少し報道されなくなって来ました。3年前から発熱外来でみられたコロナの典型的な症状は、初めの5日間は咽頭痛が強く、ロキソニンやカロナールは効かず、漢方の桔梗湯を処方。咽頭痛が治まる頃から頑固な咳が出現し、これが人によっては1か月以上続く事が多く、咳止めと去痰剤を処方してました。初めの頃は薬も十分あったのですが、2年前にデルタ株が流行った頃から、薬が徐々に品薄になってきて、まずはジェネリック薬品が無くなりつつありました。そこに日医工の不正が発覚し、他のジェネリック薬品会社の立ち入り検査も開始され、さらに薬がなくなってきた頃、同時に海外の渡航制限、輸入制限が加わり、咳止めはほぼ市場から消え、漢方薬でそのばをしのぐ日々でした。やっとコロナが減ってきて、5類に移行し、薬の供給も改善されると思ったが、一向に改善される気配が無いばかりか、更に悪化している状況です。なぜ?

ジェネリック薬品は先発品の薬より安価であるのは、臨床試験がなく製造方法に沿って造られます。いわゆるイミテーション薬。臨床試験が無いため安く作れる訳です。その為政府は年々増加する医療費削減のため、ジェネリック薬品を推奨し、薬の処方時に8割をジェネリックにした場合の薬局への報酬として処方点数を増やす方針にしていました。その為先発品を作っていた薬品会社は生産ラインを落としていたところに、今回の不正発覚からジェネリックで作られていた薬が供給不足となりました。また、それに追い討ちをかける様に円安が進行して、原料が高騰し、薬価が低いことから、生産すると赤字になるという不の連鎖が出現し、現状に至っている次第です。

医療現場では処方はできますが、薬局に薬が無い状況が続いています。今後どうなるかわかりません。相変わらず円は150円の円安で、更に安くなっていますのでどうなる事か、、、、