最近読んでよかった本を簡単に紹介します。
なお、紹介の順番は五十音順にしています。
私のブログでは月2回本の紹介をしています。
何故本を紹介しているかについては、2016.9.29「「最近読んでよかった本」の新たな効能?「ニュートラルな気持ち」へ!」をご覧ください。
「ストロベリー戦争 弁理士・大鳳未来」南原詠
凄腕女性弁理士「大鳳未来」の第2作。宮城県の「久郷いちご園」では、久郷出身の大学研究員「初田優希」が、新品種「絆姫(きずなひめ)」の開発に成功。絆姫の味に惚れ込んだ世界的なパティスリー「カリス」は、今年のクリスマスケーキに「あまおう」の代わりに「きずなひめ」を使うと宣言した。しかし絆姫の出荷前夜、大手商社「田中山物産」から「絆姫の名称は当社が持つ商標権を侵害する」との警告書が届く。カリスからは、名称変更せずに速やかに解決すること、もしくは全被害額を支払うよう宣告される。どう見ても勝ち目のない戦だったが、未来は大勝負に出る。果たして、未来は窮地を救えるのか? 第1作より断然第2作の方が良く、文句なしにお勧めです。
「千年桜の奇跡を、きみに」沖田円
神様が棲む加護地「咲久良町(さくらちょう)」では、千年前に「咲久耶姫(さくやひめ)」の歌に感動した山神様のお礼として、一年中町の桜が花を咲かせていた。しかし、千年が過ぎた今、一年中桜が咲くのは山の上にあるご神木「千年桜」だけになっていた。咲久耶姫の子孫である「咲(さき)」は、コーヒー煎れが上手で喫茶店で働く。ある朝、そこへワケアリの青年「ヨリ」がやってきて、咲久良町に滞在することになる。咲とヨリの過去が交わり、再び咲久良町に奇跡は起きるのか?心温まる奇跡のファンタジー。2018年「ピュアフル小説大賞」金賞受賞作。
「風神の手」道尾秀介
遺影専門の写真館「鏡影館(きょうえいかん)」がある二つの町を舞台にした、連作短編4作「花鳥風月」からなる長編小説です。ささいな嘘が女子高生と若き漁師の運命を変える「心中花」、小学5年生の「まめ」と「でっかち」の2人が遭遇した事件「口笛鳥」、死を前にして老女が自らの罪を打ち明ける 「無常風」、各章の登場人物たちの話がつながる「待宵月」。読み進めるごとに事実がくつがえりながら次第に明らかにされ、35年の謎が判明します。偶然の出会いが現在を作る。あの出会いがなければこの展開もない。道尾秀介さんらしい作品で、大変お勧めです。
「不協和音」大門剛明
不当な捜査により自白を強要したとして糾弾された元刑事「大八木宏邦(おおやぎ ひろくに)」を父に持つ年子の兄弟。父亡き後、バラバラに育った2人。兄「川上祐介(かわかみ ゆうすけ)」は刑事、弟「唐沢真佐人(からさわ まさと)」は検事になり、京都で再会を果たす。性格も体型も正反対の2人が、互いの信念をぶつけながら難事件に挑む。2020年にドラマ化されました。
「不協和音2」大門剛明
不協和音シリーズ2作目。児童相談所職員の殺人事件、テレビで活躍する准教授が婦女暴行で告訴された事件、引きこもりの息子を元刑事の父親が殺してしまった事件。熱い捜査を身上とする刑事、兄「川上祐介」と、冷静な分析を心掛ける検事、弟「唐沢真佐人」が、それぞれの立場で事件を追い真相を突き止めていく。回を追うごとに兄弟の不協和音がハーモニーに変わっていく。第3作に続きます。




