最近読んでよかった本 166 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

最近読んでよかった本を簡単に紹介します。

なお、紹介の順番は五十音順にしています。

 

私のブログでは月2回本の紹介をしています。

何故本を紹介しているかについては、2016.9.29「「最近読んでよかった本」の新たな効能?「ニュートラルな気持ち」へ!」をご覧ください。

 

 

「いつか、虹の向こうへ」伊岡瞬

職も家族も失って服役した元刑事「尾木遼平」が家出中の「高瀬早希」と出逢ったことから殺人事件に巻き込まれる。尾木の自宅には「柳原ジュンペイ」「石渡」「村下恭子」の3人がすでに居候していた。早希は美人局をしていたのだが、その相方の檜山組「久保裕也」が転落死する。早希と久保が口論していたという目撃証言から早希が逮捕されてしまう。尾木も警察からは疑われる羽目になり、檜山組幹部からは真犯人を探すように脅される。尾木は、元刑事の伝手、人脈、捜査力で真相を究明していく。ダイ・ハードを思わせるようなハードボイルド、暴力シーンが満載です。伊岡瞬のデビュー作でもある本作品は、第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞のダブル受賞作で、ドラマ化されました。

 

 

「ヴァンパイア探偵2 戦慄の血塗られし狩人」喜多喜久

幼馴染の二人、刑事の「遊馬」と血液研究者「静也」が「血」を手がかりに難事件に挑む科学ミステリー、第二弾。紅森市で、凄惨な連続殺人事件が発生。被害者は皆、木の枝に吊されて頸動脈を切られ、鶏の「血抜き」のような方法で殺害されていた。銃で撃たれた後、睡眠薬で眠らされて無抵抗だった被害者たちは皆、経済的に困窮していた。この犯人のことを紅森署では「狩人」と呼び、捜査を進めていく。「狩人」の正体は何者なのか?また、その目的は?

 

 

「夫の墓には入りません」垣谷美雨

主人公の「高瀬夏葉子」は、44歳。結婚して15年。子供はいない。ある日夫が脳溢血で亡くなった。その日から、さまざまな問題に直面する。舅姑や謎の女がそれぞれの思惑を抱えて次々と押し寄せてくる。プライベートが守られない嫁としての生活に、夏葉子はうんざりしてしまう。これらの問題をどうやって解決したら良いのか。嫁姑問題に悩んでいる方にお勧めです。

 

 

「クスノキの番人」東野圭吾

その木に祈れば、願いが叶うと言われている「クスノキ」。会ったこともなかった叔母「柳澤千舟」から、「クスノキ」の番人を任された青年「直井玲斗」は、「クスノキ」の「祈念」が一体何をもたらすのかを全く知らないまま仕事に就く。「祈念」には、念を預ける「預念」と念を受け取る「受念」があり、徐々に理解を深めていく玲斗。それとともに、「クスノキ」のもとへ祈念に訪れる人々との交流が生まれる。玲斗は祈念に訪れる人々を助けられるよう、クスノキの番人として行動する。ファンタジー作品です。

 

 

「博士の愛した数式」小川洋子

家政婦紹介組合から「私」が派遣された先は、元数学者「博士」の家だった。「ぼくの記憶は80分しかもたない」博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた。記憶力を失った数学者の博士にとって、主人公の私は常に「新しい家政婦」。博士は初対面の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。こよなく数字を愛し、他に全く興味を示さない博士。やがて私の10歳の息子「ルート」が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。さまざまなトラブルを乗り越えながら月日が流れる。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞作です。