Q 2022.6.4「Q&A3317 採卵3回、移植3回、流産1回、今後の方針は?」で回答いただいた者です(妻41歳、夫36歳)。その後、子宮収縮がわかりダクチル、またプレドニゾロンを長期内服し、初期胚8G3と6日目胚盤胞4ABの2段階移植で妊娠しました。その後、NTを指摘され、羊水検査の結果、トリソミーがわかり、苦しい決断でしたが妊娠継続をあきらめました。現在、体調の回復を待っているところです。
①羊水検査の結果、転座はありませんでした。また、過去の移植で稽留流産になったときは染色体正常でした。今後、PGT-Aを受けるかどうか悩んでいます。妊娠できる可能性のある胚にダメージを与えるのも嫌ですが、同じことを繰り返したくない気持ちや年齢的に焦る気持ちもあります。今のところの夫婦の話し合いでは、PGT-Aを受けても胚がよくなるわけではないことから、トリソミーが年齢相応の確率と考え、何もせず移植をすることを考えています。まだ最終的な結論には達しておらず、松林先生のお考えをお聞かせください。
②今後、採卵を検討しており、卵子の刺激方法や精子の選別方法を変えて行うのもひとつなのかと考えていますが、いかがでしょうか。
③今回、初期胚1個と胚盤胞1個の2段階移植で妊娠できました。今後の採卵は、胚盤胞にこだわらず、初期胚も胚盤胞も異常率が一緒という文献の紹介もありましたので、初期胚の全胚凍結も有りでしょうか。また、現在残っている胚は、5日目3BB 3BA 4BC 6日目3CB BL2 BL2 です。採卵結果にもよりますが、どのような移植方法、順番がよろしいでしょうか。
④体調が整いましたら、BCE検査→採卵→着床の窓の検査を済ませて移植に進みたいと思っていますが、この流れでよいでしょうか。
A
①PGT-Aは胚へのダメージがありますので、正常胚2個で1人出産できる計算になります。トリソミーが年齢相応の確率と考え、何もせず移植をするのはありだと思います。
②卵巣刺激方法を変更すると、良くなる場合と悪くなる場合があります。過去の採卵状況は良いと思いますので、あえて変更する必要はないと思います。精子の選別方法は変えてみても良いでしょう。
③妊娠した時と同じ方法が最も推奨されますので、初期胚1個と胚盤胞1個の2段階移植+ダクチル+プレドニゾロン継続が良いです。現在凍結中の胚は全て胚盤胞ですので、初期胚の全胚凍結を行い、2段階移植に備えるのが良いと思います。胚盤胞の順番は、5日目3BA→4BC→3BB→6日目3CB→BL2→BL2の順番が良いでしょう。
④採卵(採卵日にBCE検査)→着床の窓→移植の順番が良いです。
なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。