Q&A2893 次も不育治療をすべきかどうか | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q リプロ大阪で第1子、第2子をsimple TESE→ICSIで妊娠出産しました。採卵時37歳の胚盤胞が残っており第3子を検討しています。

第1子妊娠前に不育症検査を実施して幾つかの項目で陽性があり、ヘパリン注射とバイアスピリンを服用していました。第2子妊娠前にも同様に不育症検査を実施しましたが、検査項目の数値の見直しをされており、この時の検査では陽性がなく、バイアスピリンもヘパリンも必要ではないということでしたが、第一子の時にバイアスピリンとヘパリンを実施していたので、同じようにいきましょうということで、バイアスピリンとヘパリンをしていました(数値改正後の数値では、第1子の時も陽性項目はありませんでした)。無事2人を出産できたので、バイアスピリン服用やヘパリンをしていて良かったと思っています。

しかし、第2子妊娠中最後の受診時に、担当の先生からは、第3子を検討する場合まずは不育症検査を行い、もし陽性がなければ、バイアスピリンとヘパリンは基本的にしなくてもいいと言われました。本当は今回も必要なかったと。バイアスピリンも第1子は28週まで服用しましたが、第2子は該当項目がないので16週でストップしました。松林先生が基本的に前回の妊娠と同じように、とおっしゃられているので、第3子を検討する上で、どのように考えればいいかわかりません。気持ち的には、バイアスピリンとヘパリンをした方が安心な気もしますが、もし本当に必要でないのなら、それに越したことはありません。

 

A 不育検査は「原因ではなくリスク因子」ですので、治療の選択には幅(自由度)があります。つまり、ご希望の方には治療を行い、ご希望がない方には治療を行わないということです。過去の妊娠で全てバイアスピリンとヘパリンを使用して上手くいっていますので、それを踏襲するのももちろんありですし、検査結果から実施しない選択もありです。ただし、バイアスピリンとヘパリンを使わずに移植を行い、もし上手くいかなかった場合には、間違いなく後悔すると思いますので、気持ちの上でより好ましい方策を選択することをお勧めいたします。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。