最近読んでよかった本 その53 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。


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最近読んでよかった3冊を簡単に紹介します。

なお、紹介の順番は五十音順にしています。

 

 

「噂」萩原浩

萩原浩の唯一と言っても良い本格ミステリー作品です(12年前に発売)。口コミを利用した販売戦略をWOM(Word of Mouth)と呼ぶ。ミリエルという知名度が低い香水をWOMによって売ろうとする企画会社コムサイトの社長「杖村沙耶」とナンバー2の「麻生」が考えたのが「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」という噂話。広告代理店の加藤と西崎は、ファッションリーダー的な渋谷の女子高生33人を集めて破格のバイト代によりこの噂を流した。販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、、、やがて噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見される。ベテラン刑事でシングルファーザーの「小暮」とエリート刑事でシングルマザーの「名島」が犯人を追う。しかし、第2、第3の遺体が発見される。捜査陣は犯人探しに奔走するが、小暮と名島のチームは蚊帳の外。果たしてレインマンは実在するのか、そしてなぜ被害者の足首は切られているのか。最後の一行でどんでん返しに驚き、2回目を読まざるを得なくなります。犯人の気持ちで2回目を読むと、伏線が各所に散りばめられており、極めて良く考えられた作品だったことに気づきます。

 

 

「さまよう刃」東野圭吾

5年前に妻を亡くし、父子家庭となった父「長峰重樹」と一人娘「長峰絵摩」。高校1年生の絵摩が、花火大会の後行方不明となり、死体で発見される。悲しみに暮れる長峰に、数日後、犯人の名と居場所を告げる密告電話がかかってくる。 犯人のアパートへ向かい部屋を物色すると、複数のビデオテープが見つかる。そこには絵摩が不良少年グループに薬物を打たれ輪姦されている生々しい映像と生き絶えるまでが写っていた。そこに犯人の一人「伴崎敦也」が帰宅する。ビデオの悲惨な映像を目の当たりにした直後の長峰は、部屋にあった包丁で伴崎をめった刺しにする。もう一人の犯人「菅野快児」は逃走し行方を眩ます。不良少年グループは同様な手口で日常的に強姦を行っていたが、被害届は出ていなかった。中には自殺した少女もいたことが後に判明する。長峰は警察とマスコミに手紙を送り、菅野への復讐を宣言する。長峰と警察は、菅野探しに奔走する。もちろん長峰は娘の復讐のために、警察は菅野を守るために。おぞましいビデオを見た警察官は、誰もが長峰に同情するが、警察官の使命は犯人逮捕であり、罰することではない。警察官は菅野と長嶺を逮捕するために全力を尽くすが、結果的に菅野を守ることになる。果たして、長峰は復讐を遂げることができたのか?本作は、正義とは何なのか、少年法とは何のためにあるのかを読者に深く考えさせる作品です。法律は犯罪者を守るために存在するのであって、被害者の立場に立っていません。さらに、未成年の犯罪者であれば、その罪は恐ろしいほど軽くなります。愛する妻子が同じ場面に遭遇したら、皆さんはどうしますか?

 

 

「マスカレード・イブ」東野圭吾

「マスカレード」シリーズ第2作。コルテシアホテル東京に就職して4年目のフロントクラーク「山岸尚美」、警視庁捜査一課刑事の「新田浩介」、二人の観察力と推理力に犯人が暴かれる。読みやすい短編が4編。サクッと読めます。読後感も良好です

 

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