Q&A1928 出産後、不育治療の継続の可否は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 出産後も専門科でバイアスピリンを飲んで治療になるのでしょうか 
不育症検査で今回、血小板凝集(数値3)が判明し、移植後からバイアスピリンを飲むよう、処方されました。自分で調べたら、放っておくと60-70代で脳梗塞になるとあり、不安でお伺いしました。

 

A 婦人科で血液凝固あるいは血栓のリスクありと言われた場合と内科で言われた場合は、根本的に異なる状態とお考えください。簡単に言うと、婦人科は軽症、内科は重症です。そもそも内科の患者さんは、血栓症があって病院を訪れ、検査の結果血液凝固異常が発見されます。一方婦人科の患者さんは、不妊症あるいは不育症で病院を訪れ、検査の結果血液凝固異常が見つかります。同じ異常があっても、かたや血栓症かたや不妊症不育症と疾患の発現パターンが異なります。このため、婦人科で見つかった血液凝固異常については、妊娠を目指す時だけ治療すべきで、それ以外の時の治療は必要ありません。もちろん、血栓予防に心がけることは良いことだと思います(血液サラサラレシピなど)。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。