松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。


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本論文は、男性ホルモンと西洋型食事でPCOSが誘導されるかについて動物実験で検討したものです。

 

Hum Reprod 2018; 33: 128(米国)doi: 10.1093/humrep/dex338

要約:初潮前のアカゲザル40頭(約2.5歳)を、男性ホルモン投与の有無と食事から4群に分け(各群10頭)、3年間経過観察し、様々なパラメータを前方視的に検討しました。男性ホルモン(T)は通常の約5倍の血中濃度になるように調整したインプラントを皮下に挿入し、対照群(C)はコレステロールのインプラントを挿入しました。食事は西洋型食事(WSD)と通常食に分けました。およそ90%の生理周期で排卵が認められ、各群による差を認めませんでした。有意差の見られた項目は以下の通り。

 

        C    T    WSD   T+WSD

PCOM    30%   80%   50%    90%

E2      〜    ↑     〜     ↓ 

LH      〜   ↑↑↑    ↑    ↑↑ 

卵巣サイズ   〜    〜    ↑     〜

AFC      〜    〜    〜     ↑

子宮内膜血液量 〜   ↓↓    ↓     ↓

子宮内膜ER1  〜    ↑    〜     ↑ 

内膜間質PR   〜    ↓    〜     ↓ 

子宮内膜TIMP3 〜    ↓    〜     ↓ 

子宮内膜MMP26 〜    ↓    〜     ↓

 

解説:多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は生殖年齢の女性において最も罹患率の高い内分泌疾患です。欧米では、男性ホルモンであるテストステロンが高く肥満の方が多く、インスリン抵抗性(糖代謝異常)が見られることが少なくありません。このため、PCOSでは脂肪細胞の機能障害の関与が示唆されています。また、卵巣での排卵障害のみならず子宮内膜の機能障害による着床障害も生じるとの報告があります。本論文は、男性ホルモンと西洋型食事でPCOSが誘導されるかについてアカゲザルを用いて検討したところ、PCOSあるいはPCOMに類似の状態に変化しうることを示しています。食事の影響は決して侮れません。非常に興味深い研究です。

 

下記の記事を参照してください。

2016.5.4「欧米型の食事でPCOSになる?」今回と同一グループからの報告

2013.8.28「☆PCOSには食事と座位が関係する

2013.6.3「☆PCOMとは?

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