Q&A1294 1人妊娠中、第2子の妊娠は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 夫婦ともに26歳の時タイミング(婦人科にてHCG注射)を半年ほど試み授かれず、検査したところ原因不明で人工授精を検討しましたが「26歳でタイミングをとっても授かれないなら人工授精の意味がない」と言われて、すぐに体外受精から始めました。

自然周期、ショート法などの誘発を経て採卵9回、移植6回化学流産3回、妊娠2回(一回は中期にて染色体異常)で年内に出産予定です。現在の妊娠の際に体質改善を半年ほど取り組んだからか、過去にいくら誘発しても余剰胚が出来なかったのが今回は二個胚盤胞が残っています。子供をもう1人授かれればと考えておりまして、余剰胚を移植するのが良いとは思いますし、授かれるだけでも有難い事ですが、大変恐縮ながら産み分け(パーコール法)にも興味があります。不妊治療中に腺筋症による腹膜炎(手術無しの投薬のみ)を4回ほど患い開腹はしていないため不明ですが、片方の卵巣は後ろの方に癒着しています。一回妊娠すると妊娠しやすくなると聞きますが、ピックアップ障害の可能性を考慮すると人工授精で授かるのは難しいでしょうか。結局のところ余剰胚の移植が第一優先ですが、もし着床しなかった場合は採卵から体外をする気は無いために、タイミングや人工授精で授かれる可能性はどのぐらいか気になりご相談させて頂きました。
 
A パーコール法の産み分けは、何もしない場合とほとんど変わらないレベルですので、あまりお勧め致しません。なお、現在行われているその他の産み分けも、何もしない場合とほとんど変わらないレベルです。
 
体外受精後の自然妊娠の確率5年で約20%(年間約4%)、顕微授精後の自然妊娠の確率5年で約10%(年間約2%)とありますが、34歳未満の女性に限ったものです。
下記の記事を参照してください。