松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。


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「子供が欲しいけどなかなかできない」という方に是非チャレンジして欲しいことがあります。
それは、「1ヶ月間、できるだけ毎日セックスして下さい」ということです。本当は、1ヶ月と言わず3ヶ月くらいは毎日セックスして欲しいと思います。それでもできなければ、不妊クリニックの受診をお勧めします実際、個人的に親しい方から相談を受けた時には、私はこの話からしています。それだけで妊娠される方も少なくありません。これは、プロとしての真面目なアドバイスです。

これにはキチントした理由があります。
1 日本人は世界一セックスが少ない国民です(2012.12.12「妊娠の確率」)。セックスが最も多い国はギリシャで1年に138回、日本は最も少なくて1年に45回でした。これですと週1回もしていないペースです。しかも、排卵日しか狙っていない方がほとんどです。この方法は、わざと妊娠しないようにしているように私には見えます。

2 排卵日の性交は妊娠率が低いという事実も知って欲しいです(2012.9.18「タイミングの取り方間違ってませんか?」)「排卵日の性交が最も妊娠の確率が高い」というのは正しくありません。排卵日の前日と前々日の性交が最も妊娠の確率が高いのです。なんと排卵日の4倍です。ですから、「排卵日しか」狙っていない場合には失敗します。

3 排卵日は月によって変わります。その月に選ばれる卵子によって育ち方が変化するからです。しかし、生理不順の方も、閉経間近の方も、月経周期が長い場合でも短い場合でも排卵はほとんどの場合ちゃんとあります2012.12.21「閉経が近いサインは?」)。その排卵を無駄にして欲しくないと思います。

4 精子は毎日射精すれば、良い精子が作られることも是非知っていて欲しいです(2012.10.5「精子は ためた方がよい?」)。精子の数が少ない方は、禁欲期間を1日とした場合に最も精子運動率が良く、禁欲期間を0~2日とした場合に正常形態精子が最も多くなります。精子をためることにより精子の状態が悪化するのは、射精しないと新しく精子を作るスペースができないことと、古い精子から活性酸素が産生されることにより精子および精子形成細胞にダメージ(DNA損傷)を与えることが要因と考えられます。

5 排卵後の性交は妊娠率を増加する可能性があります2012.9.23「排卵後の性交は意味がない?」)確かに精子は必要ありませんが、精液への暴露によって調節性T細胞 (Treg)による免疫寛容となり、着床が促進される可能性が指摘されています。排卵期に限らずいつでも性交を行っているカップルで妊娠率が高いという報告もあります。ですから、人工授精や体外受精の周期にも性交を行う意義はあると考えています。

6 子宮後屈の方は、セックスで射精した後に10~15分程度うつ伏せに寝て下さい2012.11.21「子宮後屈の方へ ワンポイントアドバイス」)。精子が子宮に入っていくために必要な位置関係があるからです。

7 たとえば採卵日や人工授精の日など、ここぞという日の精子は結構状態が悪いものになります。男性もプレッシャーを感じるからですが、指定された日にセックスもできなくなってしまうこともしばしばみられます。女性も基礎体温を気にしすぎて神経質になったりします。全ては、排卵日などをピンポイントに狙おうとするからです。心理的要因は決して侮れません2012.11.24「心のケア(心理サポート)の必要性:女性編」2012.11.30「心のケア(心理サポート)の必要性:男性編」)。このような場合、あえて特定の日を狙わない作戦が奏功します。

以上のことを踏まえて、1ヶ月間文字通り「死ぬ気で」頑張ってみて下さい。
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