退院した夜から毎晩

眠れない夜が続き、

細切れでも2時間ほど

眠れたらいい方だった。



1時間眠っては呼ばれ、

寝言に反応して目が覚め、

排泄介助をして、

また横になる。



でも、横になっても

耳はずっと起きていた。

呼吸の音、

寝返りの気配、

うめき声。



「何かあったら」と思うと、

身体は休んでいても

神経は休まらなかった。



血尿もなかなか止まらず、

点滴に止血剤を入れても改善せず。

それでも私は、

「家で過ごさせてあげたい」

その一心だった。



だけど昨夜、とうとう限界が来た。

とまらぬ血尿に加え

熱感を伴う痛みも訴えはじめた。

今まで何度も繰り返してる

尿路感染症?

そして、意識がぼんやりし始めた

とうちゃん。



寝言とも現実ともつかない言葉。

肩で大きく息をして、

口を開けて眠る姿。



私はもう心も身体もクタクタで、

深夜やけど訪看さんに

「しんどいです。助けてください」

と電話した。



その言葉を聞いていた

とうちゃんは、

怒って私を罵倒した。

「イヤなら出ていけ」

とまで言われた。

しんどさからの暴言。

数分後には

「なんで早く逝かせて

もらえんのか」

と涙を流していた。



正直、心が折れた。

悲しいとか悔しいとか、

もうそんな言葉でも足りなくて、

「あぁ、もう無理なんや」

そう思った。



そして入院となった。

血尿が止まらないこともあるけれど、

たぶん一番の理由は、

私がもう限界だったんだと思う。


救急で入院時にお世話に

なった病棟看護師さんが

おられたようで、

私に駆け寄ってきて下さり

「ようがんばったな?

しんどかったな?」と

背中をさすって下さり

涙が溢れてとまらんかった。


せっかく家に戻れたのに

ちゃんと看られんかった。

もっと優しくできたんちゃうか?

もっと頑張れたんちゃう?

わたしは非人情なんか?

そんな思いがぐるぐるして、

涙が止まらん。



3時に家に戻り眠剤を服用して

「眠れた」気分になれた。

でも頭痛がする。




私も少し身体を休められること、

それを受け入れようと思う。

在宅介護って、

「愛情があればできる」

だけやなかった。



眠れない夜が何週間も続くこと。

大切な人の変化を一人で見続けること。

その怖さと孤独。

経験した人にしかわからない世界が、

確かにあった。



それでも私は、

ここまで本気でとうちゃんを支えた。

だから今は、

「ごめんな」より、

「ここまでよう頑張った」

そう自分に言ってあげたい。



いましがた、病院から

電話があった。

「敗血症をおこしていると

思われる」


涙がとまらん。