歯科で整体??顎関節、かみ合わせ

歯科の領域で関節といえば、「顎関節」とすぐに答えが返ってきます。
けれど、歯を支える歯槽骨、歯根膜を含めたかみ合わせの構造も、私は関節の一種であると考えています。

上と下の歯のかみ合わせの面の形・バランス、歯列のバランス、それらが顔面頭蓋の基準と合わせて並んでいるかなどで、今の歯科治療では、咬合・かみ合わせを考えます。

「関節」は、硬い骨同士が接して、「動き」の支点となります。「動き」は、筋肉が作り出します。

そうすると、歯科治療で咬合を考えるときに、顎骨を動かす筋肉の部分は除外されているわけです。
除外と言ったら語弊がありますね。筋肉や筋膜などが理想的な状態であると暗黙の了解というかそれを前提に、かみ合わせを作ったり調整しています。

歯を失ってしまった、体の歪みがある、などの人の筋肉は、左右バランスよく正常に働いているのでしょうか。

整体の施術を受けた方はご存知かと思いますが、整体で関節の痛み、動きの制限があるとき、筋肉や膜のねじれがないかどうかを重要視します。

リュウマチなどで関節の骨に異常がある場合は除外されますが、一般の関節の問題は、筋肉や膜の調整で終わります。

さらには人の体の連動性は面白いもので、手の痛みが足首周辺の調整で解決したりします。

口腔領域だけが「別もの」ではないはずです。

顎関節にしても、顎関節自体、かみ合わせとの関係は大きいですが、顎を動かす筋肉はいうにおよばず、顎関節を構成する側頭骨、その他の頭蓋骨、頭を支える首、その筋肉、首の下にある、肩、腕、胸、さらに・・・・と、全身がつながっていきます。


足底のちょっとした歪みが、顎関節を狂わす可能性もあるわけです。

確かに、整体なんて怪しい・・・と、他の歯科医からよく言われます。エビデンスがない、科学的でない・・・。

ノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑・京大名誉教授は、ノーベル賞受賞の記者会見でこう話されていました。


「(科学誌の)ネイチャーやサイエンスに出ているものの9割は嘘で、10年経ったら残って1割」


エビデンスはとても重要ですが、エビデンスと言われていることが、数年たつと実は嘘だった、なんていうことが多いことも事実なのです。

本などに書かれていることだけをすべて信じるのではなくて、真実は、自分の目で確かめていくという姿勢の重要性を、本庶先生は説かれました。