写真表現が上達していく人の3つの特徴

写真教室を始めて、

今年で14年目になりました。


振り返ってみると、この時間は、

私自身が写真表現を追求してきた時間であると同時に、

生徒の皆さんと一緒に歩んできた年月でも

あったように思います。

 

この13年間、本当にたくさんの生徒さんと出会い、

「写真とは何か」

「どうすればその人らしい表現が

より豊かになるのか」

ということを、ずっと一緒に考えてきました。

 

その中で、写真表現が着実に上達していく方には、

いくつか共通した特徴があると感じています。


今日は、その中でも特に大切だと思う3つをお伝えしたいと思います。

 

 

1. 素直な人

まず一つ目は、素直な人です。

私の授業でお伝えしていることを、

まずは素直に聞き入れて実践してみる。
そういう方は、やはり伸びるのが早いです。

 

習い事全般によく言われることですが、

「素直な人ほど上達が早い」

というのは本当にその通りだと思います。

 

私自身、長い間クラシックバレエを習って

きましたが、先生がよくおっしゃっていた

言葉があります。


それは、

「素直な心が、いちばん上達の近道です」

という言葉です。

この言葉を、今でもよく思い出します。

 

もちろん、ただ言われたことをそのまま

なぞるだけでは表現にはなりません。


でも、まずは受け取って、やってみる。試してみる。
その姿勢がある人は、吸収する力がとても大きいのです。

 

 

2.客観的な視点を持てる人

二つ目は、客観的な視点を持てる人です。

写真は、自分が思っていた以上に

よく撮れてしまうことがあります。


それはとても嬉しいことです。

 

けれど、その一枚が

「実力として安定して撮れたもの」なのか、

それとも「たまたま撮れた一枚」なのかは、

冷静に見なければわかりません。

 

逆に、自分では

「うまく撮れなかった」と思っていても、

他人から見るととても魅力的に

写っていることもあります。

 

つまり、自分の評価だけで

判断しないことが大切なのです。

 

もちろん、写真は自己満足でも構いません。


けれど多くの方は、

「他の人が撮らないような写真を撮りたい」

と思っているのではないでしょうか。

 

では、他の人が撮らない写真とは何か。


それは、自分自身の考え方や視点が、

写真に表現されていることだと私は思います。

 

そう考えると、

「自分は何を見ているのか」

「何を大切にしているのか」

を客観的に見つめる力が必要になります。

 

「うまく撮れたからこれでOK」

と終わってしまうと、

軸が少しずつぶれてしまいます。


いろいろな写真を撮っているうちに、

結局自分は何を一番撮りたかったのかが

わからなくなってしまう。


そんな方をこれまでたくさん見てきました。

 

もし一人で客観的に見ることが難しいなら、

ぜひ写真教室で先生の指導を受けたり、

クラスの仲間から意見をもらったりしてみてください。


自分では気づけなかった視点に出会えるはずです。

 

 

ゲストの先生をお迎えして講評会

 

3. 一人で写真を撮る決意がある人

三つ目は、

自分一人で写真を撮る決意をすることです。

 

これは少し意外に聞こえるかもしれません。

 

写真教室に通っている方も、

そうでない方も、

写真を通じて仲間ができていく

ことは多いと思います。


それ自体はとても素敵なことですし、

楽しいことでもあります。

 

ただ、気をつけたいのは、

いつの間にか「写真を撮ること」よりも

「仲間と過ごすこと」が目的に

なってしまうことです。

 

そうなると、写真とは少し違う方向に

進んでしまいます。

 

だからこそ、今一度振り返っていただきたいのです。


自分は何のために写真教室に来たのか。
なぜカメラを買ったのか。
何を撮りたいと思っていたのか。

 

カメラをきっかけに人間関係が広がるのは、

とても楽しいことです。


でも、写真は最終的には

自分一人で向き合わなければ撮れないもの

でもあります。

 

みんなでわいわい撮りに行く

時間があってもいい。
ただ、それが多すぎると、

自分の写真を振り返る時間が

なくなってしまいます。

 

実際、私が主催している写真教室でも、

撮影会を行うのは初心者クラスが中心です。


上級になればなるほど、

撮影会はあまり行いません。

おそらくカメラメーカーのゼミなどでも、

頻繁に撮影会へ行って、みんなで同じ写真を撮る、

という形はそれほど多くないのでは

ないかと思います。


単発で撮影会を行ったり、

撮影会と講評会を交互にしたり

するところが多いのではないでしょうか。

 

撮影会そのものが目的になってしまうと、

自分の写真を深く見直す時間が減ってしまいます。


また、仲間と一緒にいることが楽しくなりすぎると、

今度は「出かけること」が目的になってしまい、

写真のスキルはなかなか上がりません。

 

もちろん例外はあると思います。
それでも、私がこれまで見てきた中では、

どうしてもグループができて、

その内輪の楽しさが中心になり、

結果としてフェードアウトしてしまう

生徒さんは少なくありませんでした。

 

 

最後に

写真表現を深めていくためには、
素直であること
客観的な視点を持つこと
一人で撮る時間を大切にすること


この3つがとても大切だと感じています。

ぜひ、この3つをときどき振り返りながら、

写真を撮り続けてみてください。

 

写真表現は、誰かの真似ではなく、

その人にしかできない表現

たどり着くためのものです。
皆さんそれぞれの写真表現が、

これからますます豊かに育って

いくことを願っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

松田洋子写真展「呼吸するひかり」

【会期】
2026年4月20日(月)〜4月25日(土)
12:00〜19:00(最終日17:00まで)

 

【会場】
ギャラリー58(東京・銀座)

東京都中央区銀座4-4-13

琉瑛ビル4F

03-3561-9177

 

【トークイベント】
4月25日(土)13:30〜
りぼん舎 吉野千枝子編集長 × 松田洋子
予約不要・参加費無料

 

【制作協力】
株式会社page blanche
リネンカーテンアトリエ・ECRUHOME

 

 

 

今回の展示では、窓辺のカーテンを被写体にした作品を展示します。

 

ただカーテンを撮影したものではなく、
風に揺れるレース、透ける光、窓辺の空気の気配などから、
心象風景を思わせるイメージフォトとして作品を制作しました。

 

パネル作品、額装作品に加え、
レースカーテンに作品を転写したインスタレーションなど
15〜20点ほど展示予定です。

 

また今回は、
写真史家・評論家 の打林俊先生に
作品セレクトやステートメントのアドバイスをいただき、
先生による評論も展示いたします。

 

さらにリネンカーテンのアトリエ
ECRUHOME様のご協力により、
作品を転写したカーテンのインスタレーションも

実現しました。

 

これまでとは少し違う形の展示になりそうで、
私自身とても楽しみにしています。

ぜひ会場でご覧いただけましたら嬉しいです。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、思い切ってカメラを持ち、

江の島から鎌倉までのんびりと

過ごしてきました。

 

今回の一番の目的は

「吉方位」を取りに行くこと。

 

今年の吉方位が南と聞き、

地図を見てみるとちょうど

江の島から鎌倉あたり。

 

これはいい機会だと思い、

お天気にも恵まれた日に

カメラを持って出かけました。

 

 

 

ここ何年か、自分ひとりだけの

時間をつくって、気ままにカメラを

持って歩くということが

ほとんどありませんでした。

 

 

以前は、写真教室の運営に

悩んだときや、気持ちが落ち込んだとき、

 

横浜の少し静かな場所へ行き、

写真を撮りながら自分を

整えていました。

 

けれどここ数年は教室も軌道に乗り、

写真表現を学びたいという生徒さんが増え、

私自身も教室運営に力が入りました。

 

自分の時間を削ってでも伝えたい、

という気持ちが強くなり、

気がつけば「ただ自由に歩いて撮る時間」

がなくなっていたのです。

 

 

 

だからこそ、この日は

何年ぶりかの解放感でした。

 

小さな神社に立ち寄り、

吉方位の空気を感じながら、

ただ気楽にシャッターを切る。

 

2月とは思えないほど

海辺は暖かく、

ダウンジャケットを脱いで

歩く人も多いほどの陽気でした。

 

 

神社へ向かう前に、

久しぶりに知人の写真家

ご夫婦のもとへご挨拶に。

偶然お二人とも在宅で、

何年かぶりの再会が叶いました。

 

「また一緒に撮りましょう」と

約束して別れた時間も、

なんとも心地よいものでした。

 

 

その後ふらっと立ち寄った

レストランでランチを取ったのですが、

ここで思いがけない出会いがありました。

 

店内に飾られていた3枚の写真。

押しつけがましくない柔らかな色合いと、

丁寧な額装。

 

余白の美しさと、

写真の中の空気感が

そのまま空間に溶け込んでいて、

とても印象的でした。

 

 

私は今年で個展を始めて

14年目になります。

これまで数えきれないほどの

写真展を見てきましたが、

 

「空間と調和する写真」

というのは簡単なようで

とても難しいものです。

 

私は昔から“物”を撮るというより、

“空間”を撮りたい写真家です。

そのお店に入った瞬間、

「なんて居心地のいい空間なんだろう」

と感じました。

 

インテリアへのこだわりや、

お客様に心地よい時間を提供したいと

いう姿勢が、空間全体から伝わって

きたのです。

 

スタッフの方とお話ししていると、

オーナーさんが明確なコンセプトを持ち、

複数の店舗を運営されている

方だと知りました。

 

そして、飾られていた写真は

なんとオーナーさんご本人の作品。

カメラが趣味で撮影された写真だったのです。

 

 

 

こういう偶然の出会いは、

きっと「何かを得よう」と構えず、

ただその時間を楽しむ気持ちで

歩いていたからこそ訪れたのだと思います。

 

写真教室の生徒さんにもよく話すのですが、

「結果を残したい」

「誰よりもかっこいい写真を撮りたい」

と思った瞬間、

良い写真は撮れないと

思っています。

 

心をフラットにして、

穏やかな状態でいること。

 

自分の心のアンテナが

反応したものを素直に受け取り、

その感覚と同時にシャッターを切る。

 

この連動があってこそ、

写真は生まれるのだと感じています。

 

この日は、まさにそんな一日でした。

振り返ると、とても静かで、

豊かで、いい時間だったなと思います。