今回はリクエストを受けましたので、H30年経営法務の第20問の相続の問題について解説します。
この問題は「呪われた一族か!」とツッコミを入れたくなるほど多くの人が死亡している複雑な相続の問題で、非常にマニアックな知識が求められていますが、これが解けるようになれば大抵の相続の問題は解けるようになるのではと思います。

H30 第20問
被相続人Xが死亡し、相続が生じた。EはXの配偶者である。CはBの後妻であり、X、F、H及びJはB及びCの子である。AはBの前妻であり、DはA及びBの子である。GはFの配偶者であり、LはF及びGの子である。MはLの配偶者であり、OはL及びMの子である。IはHの配偶者であり、NはH及びIの子である。KはJの配偶者であり、JとKとの間には胎児Pがいる。B、C、F、J及びLはX死亡以前に死亡していた(下図参照)。
HはXの相続について相続放棄をしたが、それ以外の相続人は承認した。


この場合、Xの相続財産について、それぞれの相続人が相続する割合として、最も適切なものはどれか。
なお、遺言はなく、遺産分割協議も整っておらず、相続人はいずれも廃除されていないものとし、寄与分及び特別受益についても考慮しないものとする。

ア Dが 20分の1 、Eが 4分の3 、Oが 10分の1 、Pが 10分の1 を相続する。
イ Dが 20分の1 、Eが4分の 3 、Nが 10分の1 、Pが 10分の1 を相続する。
ウ Dが 12分の1 、Eが 4分の3 、Pが 6分の1 を相続する。
エ Dが 8分の1 、Eが 4分の3 、Pが 8分の1 を相続する。

 

縁を切った(相続を放棄した)H一家以外は誰かしら亡くなってしまっているという呪われた一族の相続の問題です。
子供を身ごもったまま夫を亡くした上に複雑な相続問題に巻き込まれたKさんが可哀想ですね。
この一族は相続の前にまずはお祓いなどをしてもらった方がいいのではないでしょうか。

と、余談はさておき、この問題について考えてみます。

まず、被相続人のXですが、Xには子供がおらず、親も既に亡くなっているため、相続人はXの配偶者とXの兄弟姉妹になります。
親も子もいない場合の相続では、配偶者が3/4を相続し、残りの1/4を兄弟姉妹で相続します。
ここまでは多くの人がわかるのではないでしょうか。

しかし、残念なことにこの知識で絞り込める選択肢はありませんでした。

この問題を解くためにはさらに以下の知識が必要とされていました。

  1. 兄弟姉妹の相続では、父母のどちらか一方だけが同じ兄弟姉妹の相続分は(この問題の場合D)、父母両方が同じ兄弟姉妹(この問題の場合F、H、J)の相続分の1/2となる
  2. 代襲相続:被相続人より先に相続人が亡くなってしまっている場合(この問題の場合F、J)に、亡くなってしまった相続人から見た子や孫、ひ孫などが財産を代わりに相続すること(この問題の場合Fであれば子のLや孫のO、J(※3.参照)であれば子のP(※5.参照))
  3. 兄弟姉妹の相続の場合、相続人の子までしか相続できない(この問題の場合、相続人Fの子Lまでは相続できるが孫のOは相続できない)
    子の相続の場合は先に子が死亡している場合は孫、子も孫も死亡している場合はひ孫、子も孫もひ孫も死亡している場合は玄孫(やしゃご)が・・という形でいくらでも下の世代に続いていきます。
  4. 代襲相続の相続分は、本来相続人となるべきだった人の相続分と同じ割合(この問題の場合Jが相続するはずだった割合とPの相続する割合は同じ)
  5. 胎児は、相続については既に生まれたものとみなす(この問題の場合、胎児のPも相続権を持っているということ)


以上を踏まえると、
Xの配偶者はE、兄弟姉妹は、D、F、H、Jです。
ただし、
・Hは相続を放棄しており、相続の対象外
・Fは亡くなっていて、代襲相続できるFの子Lも亡くなっているため相続できない
・Jも亡くなっているが、胎児Pがおり、胎児Pが代襲相続可能
なため、相続できるのはE、D、Pの3人です。

そのうち配偶者のEが3/4相続し、残りの1/4をDとPで分けますが上記の①の通り、Dの相続割合は他の兄弟の1/2ですので、Dが1/12、Pが2/12つまり1/6相続することになります。

以上から正解は選択肢ウとなります。

 

 

■気に入っていただけたら、クリックお願いします!■

にほんブログ村 資格ブログ 中小企業診断士試験へ

 

Amazonベストセラー1位獲得

一目でわかる!覚えてしまう!中小企業診断士一発合格まとめシート

好評発売中