ゲシュタルトをしっかり掴んだ上で、虚心に読んでいくと非常にシンプルなことを繰り返しているのが見て取れます。
なぜシンプルなことを繰り返しているのかと言えば、シンプルなだけに見逃されてしまうからです。
四つ葉のクローバーのようなもの。
見逃されてしまうのです。
ですので、繰り返し現れて、そして見つけたあとは(スコトーマが外れたあとは)その反復で構成されていることに気付いて、僕らは愕然とするのです。
何の話かと言えば、全ての良書の話しですが、最近で言えば「チベット死者の書」も同じということです。
そう言えば、NY(いや北米)はEclipse(日蝕)だったようで〜
Eclipse(日食)はハタ・ヨーガの「ハタ(太陽と月)」を象徴する天体イベント。
c.f.【本日開校!!】ヒーラー養成スクール12期は「光と闇」〜メールセミナー開始!!〜 2015年07月25日
「チベット死者の書」はそもそもタイトルからして明瞭です。
いや、「死者の書」というのはキャッチーなタイトルとしてつけたもの。
実際は「シー・クー・スン・キー・ナム・シャー・ラップ・セル・ドン・メ(『基本の三身の構造をよく明らかにする灯明といわれるもの』)です(ゲルグ派においては)。
すなわち、基本の三身の構造を知ることがポイントです。
この三身とは何かが気になりますが、それは一文目から公開されています。
浄化されるべきものである、生(キエー)・中有(バルド)・死(シー)という鉄を、浄化の主体の深淵なる道、[生起次第(キエーリム)・究竟次第(ゾクリム)の]二次第という錬金液(れんきんえき)によって、清浄な三身(さんじん)(法身(チューク)・受用身(ルンク)・変化身(トウルク))に自在に変えることのできる双入(スンジユク)の依怙尊(えこそん)に礼拝(らいはい)します。
すなわち、三身とは「生、中有、死」となります。
その構造を明らかにする灯明が「ゲルグ派版の死者の書」ということになりそうです。
すなわち、「生、中有、死」を明らかにすることで、解脱を目指すのです。
ちなみに上記の一文目を構造だけ読解すると面白いものが見えてきます。
浄化されるべきものである鉄を、錬金液(れんきんえき)によって、清浄な三身に自在に変えることのできる
もう少し絞ると、
鉄を、錬金液によって、ゴールド(清浄な三身)に自在に変えることのできる
となります。
(ゴールドは意訳)
鉛を錬金液によって黄金に変えるのが錬金術でした。
その錬金術を思い起こさせます。
すなわち、チベット死者の書は鉄(三身)を錬金液によって、アルケミア(錬金術)すると書いてあるのです。
ここで錬金術とは面白すぎる!
鉄とは「浄化されるべきものである、生(キエー)・中有(バルド)・死(シー)」
そして錬金液とは「浄化の主体の深淵なる道、[生起次第(キエーリム)・究竟次第(ゾクリム)の]二次第」のこと、
そして、錬金術のゴールド(黄金)に当たるのが「清浄な三身(さんじん)」であるところの、「法身(チューク)・受用身(ルンク)・変化身(トウルク)」となります。
まあ解脱ですよねー
そして、そんなすごいことをガイドしてくれる(あなたにだけ依怙贔屓してくれる)依怙尊にご挨拶(礼拝)するところから、スタートします。
ご挨拶大事!
とても大事!
これが「いい人」戦略です!
T理論における「いい人」ですね。
(岡田斗司夫さんの「いいひと」戦略も素晴らしいです)
上の人(神様仏様)から愛されない限り、現状の外には出ていけません。
どうせ自分では悟れないのだから(自力)、弥陀の思し召しに従いましょう〜(他力)。
というわけで、「死者の書」を続けます。
ここに無上(ラメキ)[瑜伽タントラ]の道(ラム)により、濁世(じょくせ)の短い一生の間に、和合七支(わごうしちし)を具(そな)えた双入の身を実現するための深遠なる近道である、二次第の修道法を知る上で、浄化の対象である基本の三身の構造を理解することは非常に大切なことである。
そのために、二つの道次第により浄化すべき対象の生・中有・死の三者の体系を説明[しよう]。
[その説明のための]三つ[の過程とは次のとおりである]。
死に至る過程(死の章)
中有を成就(じょうじゅ)する過程(中有の章)
生を享(う)ける様子の説明(生の章)
二次第が錬金液と言われていたことを忘れなければ、上記の文章は読解がたやすいですね。
ここでは、
二次第の修道法を知る上で、三身の構造を理解することは大切
と言っているだけです。
ドーシャスクールでは、ここにヒルベルトの言葉を当てはめました。
我々は知らねばならない、我々は知るであろう(ヒルベルト)
悟るために、その方法(二次第)を知る上で、三身の構造を理解することは大切ということです。それを繰り返し繰り返し念押ししています。
そしてそれを知ることが決定的であることがスコトーマに隠れるのです。
そして、その三身とは「死、中有、生」、、、、、、、(いや、そろそろ繰り返しはもう言いからって、なりますよねー)。冒頭から同じことを言っています。
タイトルがそもそも、、、、『基本の三身の構造をよく明らかにする灯明といわれるもの』ですから、三身を明らかにするチベット死者の書です。
なぜ明らかにするかと言えば、解脱すべくアルケミア(錬金術)するために不可欠だからです。
そんなことを思い起こしながら、是非冒頭から「チベット死者の書」を読んでみてください!!
シー・クー・スン・キー・ナム・シャー・ラップ・セル・ドン・メ
(『基本の三身の構造をよく明らかにする灯明といわれるもの』)(ゲルグ派版『死者の書(クムスナムシヤ)』)
南無導師文殊師利尊者
(ナーモグルマンジュゴーシヤーヤ)
浄化されるべきものである、生(キエー)・中有(バルド)・死(シー)という鉄を、浄化の主体の深淵なる道、[生起次第(キエーリム)・究竟次第(ゾクリム)の]二次第という錬金液(れんきんえき)によって、清浄な三身(さんじん)(法身(チューク)・受用身(ルンク)・変化身(トウルク))に自在に変えることのできる双入(スンジユク)の依怙尊(えこそん)に礼拝(らいはい)します。
ここに無上(ラメキ)[瑜伽タントラ]の道(ラム)により、濁世(じょくせ)の短い一生の間に、和合七支(わごうしちし)を具(そな)えた双入の身を実現するための深遠なる近道である、二次第の修道法を知る上で、浄化の対象である基本の三身の構造を理解することは非常に大切なことである。
そのために、二つの道次第により浄化すべき対象の生・中有・死の三者の体系を説明[しよう]。
[その説明のための]三つ[の過程とは次のとおりである]。
死に至る過程(死の章)
中有を成就(じょうじゅ)する過程(中有の章)
生を享(う)ける様子の説明(生の章)
「死者の書」の中で「無上瑜伽タントラ」について言及したところ、そして、スシュムナー、イダー、ピンガラーについて言及したところを引用します。
無上瑜伽タントラの教えの道を最初から修道して、濁世の短い一生に成仏することが可能な人というのは、そのような閻浮提(えんぶだい)の胎生の六界をともなう者であることが条件である。
その身体には、左右中央の三脈管とともに七万二千の脈管がある。
最後の死の瞬間を迎えたとき、七万二千の脈管内の全ての風(ルン)は、まず左右二管の内に集まり、その二管に集まった風(ルン)は、最後に中央脈管に染み込むのである。
(略)
その条件は、胸より下の左右管のすべての風(ルン)が、中央脈管の下端から入ることで、性器のチャクラの結節の結び目などを順にほどいていったことにより、臍(へそ)のチャクラの中央にある母より得た赤い精液が上に昇って、胸の左右の六つの結び目の下に到達するまでに、そのような光景が心に生じるのであって、外側から日光などが顕現したのではない
そして中央脈管と左右管の結節の結び目が硬いためにスシュムナーのルン(風)が通らないので、結び目を解くのです(これがチャクラを回すという意味。チャクラとはパワースポットというよりは、むしろ邪魔しているもの)。
上記の引用の具体的な話しについて、ドーシャスクールで少し触れました。
ラストに性的瑜伽について、解説編から引用します!!
ここで「チベット密教においては、即身成仏するために絶対必要とされるのが、異性のパートナーとの性的瑜伽(ヨーガ)である」と断定しているところが面白いですね。
ま、ただ性的瑜伽が非常に難しいので、死ぬ瞬間の方が成仏しやすいので「死者の書」を耳元で唱えます。
それをイギリス人がキャッチーなポップミュージックにしてくれました〜
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というわけで、そろそろ「死者の書」も卒業です!!
死も生も卒業しましょう!